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フランス詩を訳してみる

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2020年1月の記事一覧

アポリネール「ミラボー橋」(フランス詩を訳してみる 21)

Guillaume Apollinaire (1880-1918), Le Pont Mirabeau (1912)

ミラボー橋の下 セーヌ川が流れる
    ぼくらの恋もまた
 忘れてしまってはいけないのか
喜びはいつだって苦しみの後に来た

   夜よ来い 時よ鳴れ
   日々は去り ぼくは残る

手と手をつなぎ 顔と顔を合わせていよう
    ぼくらの腕が
 橋をつくる その下で
波が過ぎ

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リルケ「白鳥が 自分自身に取り囲まれて…」(フランス詩を訳してみる 20)

Rainer Maria Rilke, Vergers XL (1924)

消しゴム山さんが翻訳・紹介されていたリルケのフランス語の詩を、ぼくも訳してみました。

白鳥が 自分自身に取り囲まれて
水の上を進んでいく、
まるで滑らかに移動する絵画のように。
このように 私たちの愛する存在は
時として 移動する空間そのもの
となる ことがある。

愛する存在は 水の上を進む白鳥のように
私たちの乱れ

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ひよこのるる訳詩目録 作曲家・ミュージシャン別索引

noteで70編以上の詩を翻訳する中で、それらに関係のある音楽もたくさん紹介してきました。クラシックの歌曲や合唱曲が多いですが、シャンソンやロックもあります。いろいろな詩を楽しんでいただく一つのきっかけとして、それらを作曲家・ミュージシャン別に並べてみました。

おなじみの人や作品の中に、聞いたこともないような人や作品が交ざっていることでしょう。またすべてが傑作というわけではないでしょう。しかしそ

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