#196 うつ病発症7~8日目・発症後341日目 ~楽観的に療養していた~

つい先ほどから『安楽死を遂げた日本人』(宮下洋一,2019年)を読み始めました(リンクはこちら)。全349ページのうちまだ50ページしか読んでいませんが,めちゃくちゃおもしろい。全然分野は違いますが,『日本国の研究』(猪瀬直樹,1997年)が思い出されます。徹底的な取材に基づいて,事実を述べ,その事実から見えてきた世界を,著者なりの視点から記述する。そういった本がどうやら僕は好きみたいです。

『安楽死を遂げた日本人』は『安楽死を遂げるまで』の著者が,その続編という位置づけで書いたものですが,この2つの著作と,『日本国の研究』などの猪瀬直樹作品は,全然毛色が違います。そもそもテーマが違う。

でも,なんというか,宮下洋一作品であれば,安楽死の現場に立ち会って,安楽死前の本人,そして安楽死後の遺族への対面での取材を行っていて,その取材結果が刻銘に書かれています。『日本国の研究』も,道路公団のファミリー企業の弊害を明らかにするプロセスが,山の上に走る「立派で」「ムダな」道路を実際に訪れたところから始まります。くねくねした山道を自動車で走っていると,突然,だだった広い道路が現れるという異様な景色が,実際に訪れたからこそ詳細に描かれています。

やっぱり,こうやって,現場をきちんと取材した作品が,胸に刺さります。現場を見た著者が抱いた意見について,全て賛成できるわけではありませんが(例えば,宮下洋一氏は日本に安楽死は不要と考えていますが,僕は必要と考えています),現場を見ているからこその記述は,本のテーマとなっている事柄について考えるための適切な資料を提供してくれるます。じゃあ,資料としての記述だけあればいいのかというと,そうじゃないと僕は思っています。事実を淡々と書くだけの本ほどつまらないものはありません。事実を的確に捉えながらも,その事実から考えた著者の見解を交えるからこそ,その本は魅力的になるのです。

たまに,「1年で本を200冊読む!」と意気込んでいる人がいます。そういう意気込みは,本を早くたくさん読んだほうが良いという価値観が前提となっていますが,僕としては,その価値観は賛同できません。おもしろい本こそ,早く読みたくない。読み飛ばしを極力避けながら,じっくり読んでいきたいんです。だから,冊数なんかどうでもいいんです。おもしろい本を,そのおもしろさを損なうことなくじっくり読むことにこそ,読書の楽しみが詰まっています。

『安楽死を遂げた日本人』も,ゆっくり時間をかけながら,じっくり読んでいきます。

とはいえ,最後に,今年だけで既に約40冊の本を読み終えていることを,「本を早くたくさん読んだほうが良い」という価値観に基づいて自慢した上で(思ったほどたくさん読んでない汗),今日もうつ病の経過を書いていこうと思います。(第1回目はこちら。第2回目も大事なのでこちらからどうぞ)

【過去のこと・思い出したこと(発症7~8日目)】

7月16日㈫:さて,前日から実家での療養が始まったわけですが,この日もゆっくり休養できているようです。前日の10時30分から朝6時10分までの睡眠が記録されています。8時間を超えるような長い睡眠時間ではありませんが,彼女とのLINEを見る限り,睡眠に問題はありません。この日は,午後から近くのショッピングモールへ映画を見に行っています。午後3時27分には帰宅しています。

それと,睡眠に問題はなかったのですが,食欲は少し減退していたような気がします。僕は結構たくさん食べる方なんですが,この頃は,3食きちんと摂取していたけれども(実家で食事を用意してくれるため),食べる量が,普段の僕と比べたら格段に少なかったと思います。多分,3食合わせても,ご飯は1合も食べていません。おかずも,普段の半分くらいしか食べていなかったと思います。でも,その量でお腹いっぱいになるので,特に気になってはいませんでした。むしろ,普段が食べ過ぎで,今食べている量が適量なんだくらいに思っていました。

でも,結論からいえば,この食事量低下も,うつ病による食欲減退の症状だったんですね。今は,食べる量は元に戻っていますから。

・7月17日㈬:この日は午前0時40分から午前6時40分までの睡眠が記録されています。睡眠時間は短めですが,あまり動揺していないようです。というか,この頃は,睡眠時間に対する,強迫観念とも思えるようなこだわりはなかったようです。調子が悪いと,僕は睡眠時間の多い少ないに対して非常にこだわってしまうのですが,この日は,うつ病発症直後にもかかわらず,睡眠時間が少なくても,それほど動揺したり,調子を崩したりすることもなかったようです。この頃は「まあ,少し休めば治るでしょ」くらいに思っていましたからね。まだまだ,自分の病気を甘く見ていた頃です。この日も6時間は眠っていて,問題を感じてはいませんでした。6時間しか眠らずに出勤するなんてザラでしたからね。

いやあ,「少し休めば治るでしょ」なんていう楽観主義には,今考えると呆れますが,まあ,だんだんと改善してきてるからよしとしましょう。

この日は,午後2時39分から外出しています。熊本の実家で何日もゆっくり過ごすなんて,実家を出てから一切ありませんでしたから,この機に色々観光しておこうと,熊本の裁判所や,熊本地震後の復旧作業が進められている熊本城を訪れたり,熊本城の近くにある「城彩苑」という,お土産屋さんや飲食店が集まった場所に行ったりしました。調子を崩したりすることもなく(というか,この頃はまだ「調子を崩す」という感覚すらよくわかっていませんでした。最初の不眠症状が現れて以降,睡眠に問題が起きることはなかったので,「疲れすぎていたんだな。少し休んだら疲れがとれるから大丈夫でしょ」くらいの,本当に軽い気持ちだったのです),午後7時14分には帰宅しています。

→今日はここまで

【今日経験したこと・経験して考えたこと(発症341日目)】

・今日できた仕事・勉強

今日は休みでしたが,昨日に引き続き『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』(リンクはこちら)を読み,さきほど読み終えました。「年功序列・終身雇用」という日本型雇用が,グローバルスタンダードからかけ離れていて,非正規・正規という身分社会を作り出す元凶になっていて,なおかつ,企業の生産性も下げているという指摘はもっともだと思いました。だからこそ,この日本型雇用から脱却しなきゃいけないという主張もそのとおりです。ただ,「脱却しなきゃいけない!」というのは,誰でもわかっているわけで,それでも進まないのがこの日本という国(ムラ)なわけです。というか,法律を作っている官僚たちが,この日本で最も「日本型雇用」に浸っているわけですから,そんな官僚組織が,自分たちのことを棚に上げて改革を進めることはないでしょう。もちろん,自己犠牲を払おうとする官僚もいるでしょうが,組織にいとも簡単に握りつぶされてしまうでしょう。日本の官僚組織はめちゃくちゃに隠蔽工作に慣れていますから。

この本の大事なところは(というか,橘玲氏の著作に共通しているのは),日本の社会が不合理なまま変わらないことを前提に,「じゃあ,どうするか」を提案していることです。知識社会が進めば進むほど,理論的に格差はどんどん広がってしまうのですが,それを正当化するためには「誰でもやればできる」というスローガンが正しくなきゃいけないんですが,実際は,遺伝の影響によって「やってもできない」ことだらけなんです。「やってもできない」ことを前提に,どうやって生きるか,それを考えなくちゃいけない。

そして,その文脈で僕が「お!」と思ったのは,「幸せに生きましょう」という風に,著者が人々の幸せを願っているのと明言していることです。著者の作品は『言ってはいけない』など,不都合な真実を告げることが多く,「結局頑張っても仕方ないでしょ」的な本に思われがちですが,実はそうじゃなくて,きちんと「幸せに生きるにはどうしたらいいか」を考えているんですね。そこが,橘玲氏の著作も魅力だと思うんですが,科学的な知見に基づいて,冷酷な事実を書くんだけれども,そこは,覆せない結論なので受け入れるしかなくって,受け入れた上でどうするかを考えるという,徹底的なリアリストなんですね。それが,橘玲氏の魅力です。

・仕事・勉強以外に今日やったこと

今日はYou Tubeでバナナムーンゴールドを聞いていました。乃木中からバナナマンを好きになったんですが,バナナマン単体でも,おもしろいですね(当たり前ですが)。でも,乃木中でのバナナマンと乃木坂メンバーのシナジー効果は計り知れないと思う!

【今日のうつ病】

昨晩は11時頃に布団に入りました。寝付きは良かったです。朝も8時30分頃に目が覚めて,熟睡感もありました。9時間半も眠ったのは久しぶりな気がします。昨日とは打って変わって,朝から調子良いです。昨日から,朝にほんの少しバーピージャンプをやるようになったんですが(昨日は1回,今日は3回),これも大きな成長です!

今日もブログ書けてよかった!

それではまた明日!

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