特性や障害、その子自身をみる 両方が大事であることを実感した話
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福祉の世界でよく言われる「特性や障害だけをみるのではなく、その人自身を見ることが大切」という話
実際どういうことなのか
私の経験したエピソードも交えて記述していきたいと思います
特性、障害へのアプローチからその子自身が見える
私が現場でクラス担当を持っていた時のお話です
クラスの人数としては5人~7人ほどで活動していました
自閉特性が強く、過敏さも多く、発語もほぼないお子さんがいました。以降Aさんと呼ばせてください
クラスができて1か月くらいした頃、
A君が朝の集まり、お歌や絵本、等をする場面で立ち上がる場面が多くなってきました
でも、絵本や歌などは好きで、動きつつも見てたり、その場にはいるのです
スケジュール確認のための視覚化したスケジュールなどもよく見て行動に移してくれます
その集まりの時だけ、やたら動くのです。椅子の方に誘導してもまた立ち上がります
どうしてだろうね?とスタッフで振り返りの際にスタッフ同士でA君の情報を共有、原因は何かを話し合ってみて
・声が大きくそれが気になっているのではないか
・隣の席の子が気になっているのではないか
・ルーティンになっていないか
・彼はお友達の傍によくいる
・周囲の掲示物などが刺激になっているのではないか
・ちょっかいをかけられても攻撃性などは見えられず、スタッフを頼ってくれる
・他児と遊ぶ時に少し遠慮がちである。謙虚である
・泣いている子がいると心配そうに見ている
等の話が出ました
そしてまた、Aさんの様子を観察し続けると
立ち上がる時、動きが多くなるときには「誰かが休んだ時に多い」ということにみんな気づいたのです
そこから仮説として
・他児が休んだことが分かって落ち着かなくなるのが集まりの場面で、A君は不安になっているのではないか
ということが挙げられました
登園した後、すぐに自由遊びの場になり、子ども達もわちゃわちゃして気づかなかったことが、集まりという整然とした場面になり
「あれ?」と気づいて不安になる
そういった状況になっていると考えられたのです
そこで、集まりの最初に、用意したお子さんの写真、お家のイラストを用意し、壁に貼り付け、今日の出席確認を行うようにしました
休んだ子はお家にいるよ お子さんの写真を移動してみせるようにしたのです
そうするとAさんはそれをまじまじと聞き、納得したように席に座るようになりました
その子自身の性格や気質が支援の念頭に置かれることも大切
このエピソードは私の中で、特性や障害からくる行動もみるけど「その子自身の性格、気質」といった「個人」をしっかり見ることの大切さも実感するものでした
Aさんの持つ特性や障害だけを見ていたら、大きく遠回り、支援が大幅にズレていたし可能性が高いのです
それはAさんの「分かってもらえない」という不信感にもつながります
しかし、支援としては視覚支援、口頭での理解の難しさといった特性や障害の考えをベースにしたものです
どちらも必要な考えなのです
日々のアセスメントからそれを見極めること
それを一人で考えず、様々な関わっているスタッフの視点から見ること
日常的な関わりから「個人の理解」に努めること
これらの重要性を改めて考えさせられたA君のエピソードでした
今回は個人の気質や性格が支援の中心に置かれましたが、その逆に、性格上あり得ないと思ったことでも、特性や障害で起こっている行動もあるのです
そちらも気を付けてみていく視点も忘れないようにしたいものです
以上になります
これからも少しづつ投稿していけたらと思っています
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