見出し画像

未知の鼓動 -日々是アート- 2015

(2021年11月より着手。それ故、記憶や記録が定かでなく不充分な時期や記述があります)

それは視えてくるのです。
己が求めに導かれて顔を上げると、未知の鼓動は聞こえます。
あの時この時、あの場所この場所、鼓動の響きが聞こえてくる処へ、どうしても逢いに行きたくなったのです。

THE 琳派@畠山記念館 on Feb. 14th,2015

静かな絢爛豪華を味わいました。古美術が充実の同館なので、茶道具はじめ多彩な琳派の展示が素晴らしかったです。派手ではない展示室のそこかしこで、それぞれがしっかり「我こそは琳派」と主張していたかのようでした。
実はこの時に既に乾山作品に出遭えているのですが、当時はしっかりとは認識できていなかったことを後日知ることに。

燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密@根津美術館 on May 2nd,2015

日本の宝をダブルで鑑賞。根津美術館の静寂の佇まいで観ることで光琳の良さ、凄さを実感。初見の両屏風からは、純粋に素晴らしさを感じるとともに、燕子花から紅白梅に到るまでの光琳の熟成も垣間見えたような。
それらもさることながら、金モチーフの絵画や箱類が次々と眼前に現れ、贅沢なひとときでした。
やはりここでも乾山作品に出遭えていました。

若冲と蕪村@サントリー美術館 on May 2nd,2015

光琳@根津との和ダブルヘッダー。
両絵師は同い年だそうで、同時代の作風が違う両絵師が、人物、山水、花鳥という共通したモチーフで対比されており、興味深く観ることが出来ました。
蕪村は静けさも荒々しさも、またユーモラスもと多彩な味がありなかなかです。
若冲 気に入りました! 細密な技巧、挑むような魅入られるような、壮大さや存在感が自身の趣味嗜好にドンピシャ! 運命の出逢いのようにそれからずっと観ています。

山口晃展 前に下がる下を仰ぐ@水戸芸術館現代美術ギャラリー on May 16th,2015

いやあ緻密にして精緻、労力のかけ方が半端ない。かなり強い拘りを感じますねえ。作品から少し離れて全体を視野に入れてみるとその微細さが迫ってくるような錯覚?さえ覚えるかのような力強さを蓄える、というより力強さが埋め込まれているんですね。いったいどんな風に描くんだろうか?
(後に製作過程のドキュメンタリーを観ることが出来、その仕事師ぶりを知りました)

高橋コレクション展 Mirror Neuron@東京オペラシティアートギャラリー on Jun. 12th,2015

様々な絵画、造形物により日本の現代アートの世界にどっぷりと浸りきったひと時でしたが、会場を巡りながらずっと驚かされっぱなしだったように思います。
「そんなのをいったい何処から思いつくんですか?」
本展のテーマ”ミラーニューロン”が示唆する、日本の現代アートに広く見られる「なぞらえ」の作法が「見立て」や「やつし」といった伝統的な日本の美意識とも通底していることが、その一つの答えなのでしょうか⁇?

マグリット展@国立新美術館 on Jun. 20th,2015

パートナー所有の画集が気になり手にとったのが初見。「何か不思議な作品やなあ」と、その後もメディアを通して感じていた実物に逢うことが出来ました。シュルレアリスムで極たまにある” ちよっとイヤな感じ”が皆無で、「やっぱり何か不思議で凄く魅かれる。何なんやこの感覚は?」。
“時間や重力といった私達を規定する枠を飛び越えてみせる”と評されますが、「白紙委任状」「空の鳥」「王様の美術館」等々 100点超!の展示をじっくり巡ることでまさにそれを体感出来ました。
後ろ髪を引かれるではないですが、通り過ぎたすぐ後からもう振り返って見たくなる(実際振り返ってましたが)、そんな磁力が発せられていたような…

着想のマエストロ 乾山 見参!@サントリー美術館 on Jul. 11th,2015

光琳に陶工の弟が。まだまだ知らないことが多くアートはほんまに楽しい。焼き物もええなあ とその日は素朴に思いました。
「白泥染付金彩芒」「銹絵染付金銀白彩松波」文蓋物や角皿、懐石具といった様々なうつわに描かれた美には、華やかさと渋さが同居しておりぐっと惹きつけられるものがあります。
唐様?な雰囲気も在りつつしっかり大和絵的でもちろん琳派も感じられる。魅力的です。

古今東西100人展@ワタリウム美術館 on Aug. 12th,2015

ワタリウム、かなり久し振りに訪れました。全館、これでもかというような作家のパワーが感じられたことをよく覚えています。あまりにも多くの現代アートを十分受け止め切れなかったのが少々悔しい、油断していました。現代アートを迎え撃つには気力体力が要ります。

蔡國強展:帰去來@横浜美術館 on Sep. 19th,2015

久方ぶりの横浜美術館。東洋的世界観からこんなものが生み出されるとは!
火薬を爆発させての絵画や陶磁器デザインって… 緻密とダイナミックが合わさった作品群からのインパクト大!
99匹の狼が群れをなして空中を疾走する「壁撞き」には驚愕を通り越してただ眼を見張るのみ。表現することの奥深さ… 新たにそれを知る嬉しさ… ずっと驚きつつも現代美術のスゴさを実感。

第62回 日本伝統工芸展@日本橋三越本店 on Sep. 22nd,2015

もの作り好きのパートナーの影響で初鑑賞。陶芸 染織 漆芸 金工 木竹工 人形 他の入選作を観覧。自身は、作るのはからっきしでもっぱら鑑賞ですが、いわゆる超絶技巧の世界が眼前に一堂に会し「凄いわ」の一言。
恐らく絶え間ない研鑽の積み重ねの結果なんでしょうが、それらを観ることができ感謝。
所謂一子相伝含めた継承にも暫し想いを馳せることに。また、民藝の発想との関連は…

琳派 京を彩る@京都国立博物館 on Nov. 3rd,2015

会期末一週間前に「やっぱりこれ観に行かな」で、来てしまいました。琳派作品に会う機会はこれまでも幾度かありましたが、同じものでも京都で観ることが自身に何かアクセントを与えてくれたようです。手前勝手に雅な気分に浸り、ゆったりと時間を懸けてそれぞれの作品を味わいました。
「唐獅子図杉戸絵」「八橋蒔絵螺鈿硯箱」や乾山作品など素敵なものを挙げるときりがありません。中でも様々な屏風に魅了されましたが、やはり、ここでも3作揃い踏みの風神雷神は別格か。

アーブル美術館 大々贋作展@PARCO MUSEUM on Nov. 7th,2015

子供の自由な気持ちや発想とそれを表現した作品の数々。楽しかったです。敢えて贋作と銘うっており、事実そうなのでしょうが、この楽しさは”ホンモノじゃない”からこそなのでは。
これもアートですね。面白かった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?