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『お花とエッセイ』作品集 その8

1か月間の募集期間が、昨日で終わりました。

わーなんか、ちょっと、寂しい!!

いやまだやることはたくさんあるんですけどね。選考だってこれからですし。でもこの1か月間、毎日のように記事の応募があって、毎日のように通知が届いていたんです。それがなくなると思うと、やっぱり少し寂しいです。

そして今数えたんですが、この作品紹介、「その14」まで続きます(やっぱりまだまだやることあった……!)。今週2で書いていまして、そうするとですね、すべて紹介し終わるのが11月初旬です。

つまり、当初のスケジュールより結果発表が遅れる見込みです。うれしい誤算!でもごめんなさい!!週3で書けよってはなしかもなんですが、ひとつひとつ丁寧に読んでいますので時間がかかるのです(ご容赦を……!)

ということで今日も作品紹介いってみよーう!
また企画全体のお礼は別記事にしますね。

36.ブーケサプライズ大作戦

中高と部活でダンスをしていたしゃけとろさん。最後の公演で、後輩から一輪の花をもらって6年間を思い出しながら泣いた……はずが、このときのことはあまり覚えていないんだとか。

その理由は、そのあともっと嬉しいことがあったから。公演終わりに不意に名前を呼ばれたしゃけとろさん。

「これ先輩に」

4つ年下の中学2年生の後輩がくれたのは、淡い色のミニブーケでした。意外な人からのサプライズがほんとにうれしくって、このときのブーケの写真を今でも大切に保存していらっしゃるそうです。

あれから4年、彼女は大学一年生になります。それに合わせてしゃけとろさんは、あることを計画しています。名付けて「ブーケサプライズ大作戦」。作戦の結果も気になる、しあわせなサプライズのおはなしでした。


37.「余裕」

大人になることは、「余裕」を持つことかもしれない。そんなふうに考えたジユンペイさん。

あるとき、「彼岸花が見たい」と直感で感じ、趣味のドライブも兼ねて彼岸花で有名な公園へ向かうことにしたんだそう。行き先は、埼玉県日高市の「巾着田曼珠沙華公園きんちゃくだまんじゅしゃげこうえん」。そこの花の美しさは「赤い絨毯を敷き詰めたよう」と評されているそうです。

それがいざ行ってみると、赤い絨毯なんてどこにも見当たりません。散策がてら園内を歩くジユンペイさん。

「彼岸花、もう終わっちゃったんですか?早いすね。オレ、ここ初めて来たんスよ。」
「感染拡大防止の観点で、今年は花が咲く前にあらかた刈り取っちゃったんだよ」

刈り取られずに残っていた数本の彼岸花、それを刈り取って持って帰る観光客。見られなかった赤い絨毯に想いを馳せつつ、ウイスキー片手に「余裕」について思考を巡らせる。ムードな雰囲気が漂う、大人なエッセイでした。


38.【企画参加】お花とエッセイ

90歳になるおばあさまと暮らす、のばらさん。おしゃべり好きで明るく、そしてのばらさんと同じくお花が好きなんだそう。かつては一緒にフラワーアレンジメント教室にも通っていたんだとか。

そのおばあさまは最近足が弱ってきて、入退院を繰り返していらっしゃいます。自宅でお花を飾ると誰よりも先に気付いて「綺麗ねー!」と褒めてくれていたのに、今はその声が聞けず、少し寂しく感じます。

たった一言だけど、「綺麗だね」と言われるだけでうれしいんだと、改めて気付いたのばらさん。誰かのお部屋にお花が飾ってあったらそう言うようにしようと、おばあさまから教わったことを大切に胸に刻みます。

きっと花を飾ることは、心にほんの少し余裕を持つことなのかな。

顔を上げて歩いていけるような、明るい気持ちになれるエッセイでした。


39.スイートピー

お花が大好きなおばあちゃん。ある日、育てていたスイートピーに豆がなっているのを見て、娘さんたちがこんなふうに言います。

「このえんどう豆みたいなの、食べれるの??」
「食べられないよ」
「食べれないもの育ててバカじゃないの!?」

時は流れて数十年後。おばあちゃんは、スナップエンドウを育てるときに「えんどう豆なら食べれるもんね〜………」とぼやいたそうです。お花好きなおばあちゃんにとって、当時のことはまだ少し気になっていたのかもしれません。

そんなお花好きなおばあちゃんから、昔、プレゼントをもらった一休さん。微動だにせずに椅子に座っていたおばあちゃんがくれたのは、押し花のしおりでした。

「できたわよ!!お尻で圧かけて作った押し花のしおり🔖!!あげる!!」

微笑ましいワンシーンをのぞかせていただいたような、あたたかいエピソードでした。


40.エゴノキ

体調を崩されていた旦那さん。その手を握ったときにふと、「この手が好きだったな」と忘れていた気持ちを思い出したhakoさん。いつの間にか一番近い人に優しさを封印していたことに気が付きました。

確かに優しくなかった。
半年ほど前、夫に「もう少し優しくしてよ」と言われ、
「私はいつも優しいよ」と反論したけれど。

ひれくれもの同士だから、うまく伝えられないことの方が多い。それでもゆっくりと、キツく縛った紐をほどきながら一緒に過ごしていこう。

遅れて咲いたエゴノキの花がそんなふたりの関係を象徴しているような、しっとりとしたエッセイでした。



これまでの作品集はこちら↓
『お花とエッセイ』作品集 その1
『お花とエッセイ』作品集 その2
『お花とエッセイ』作品集 その3
『お花とエッセイ』作品集 その4
『お花とエッセイ』作品集 その5
『お花とエッセイ』作品集 その6
『お花とエッセイ』作品集 その7


yuca.さんの作品集はこちら↓
お花とエッセイ応募作品集その1
お花とエッセイ応募作品集その2
お花とエッセイ応募作品集その3
お花とエッセイ応募作品集その4
お花とエッセイ応募作品集その5
お花とエッセイ応募作品集その6
お花とエッセイ応募作品集その7

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