見出し画像

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

ストレスは敵ではなく、成長のチャンス!

最新の科学と実体験で明かす、困難を乗り越える力。

不安、プレッシャー、過去のつらい経験…私たちは「ストレスは悪いもの」と思い込み、避けてしまいがちです。

しかし、その思い込みこそが、私たちを弱らせてしまうのです。

本書では、最新の科学的実験と実際のストーリーをもとに、「困難を乗り越えて強くなる方法」を解き明かしていきます。

今すぐ本書を読んで、ストレスを克服し、真の強さを手に入れましょう!





考え方が変われば、人生が変わる

ストレスについてどう思うかを簡潔に表すとしたら、あなたにはどちらの表現がしっくりきますか?

A.ストレスは健康に悪いから、なるべく避けたり減らしたりして管理する必要がある。

B. ストレスは役に立つから、なるべく受け入れて利用し、うまく付き合っていく必要がある。
5年前だったら、私は一瞬も迷うことなくAを選んだでしょう。

それではまず、私がストレスについて考え直すきっかけとなった驚くべき研究結果をご紹介しましょう。
アメリカで3万人の成人を対象に行われた調査で、二つの質問が行われました。
「この1年間でどれくらいのストレスを感じましたか?」
「ストレスは健康に悪いと思いますか?」
8年後の追跡調査では、3万人の参加者のうち誰が亡くなったかを調査しました。
調査の結果、強度のストレスがある場合には、死亡のリスクが43%も高まっていたことがわかりました。
ただし、死亡リスクが高まったのは、強度のストレスを受けていた参加者の中でも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだったのです。
強度のストレスを受けていた参加者の中でも、「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人たちには、死亡リスクの上昇は見られず、それどころか参加者中で最も死亡リスクが低かったのです。
研究者たちの結論は、「人はストレスだけでは死なない」ということでした。
ストレスを受け、さらに「ストレスは健康に悪い」と考えていると、死亡のリスクが高まるのです。

このようにして数多くの研究や、調査や、科学者たちとの会話によって、ストレスについて私の考え方はガラッと変わりました。
最新の研究によって明らかになったとおり、ストレスは人を賢く、強くし、成功へと導きます。
人はストレスの経験から学び、成長することができます。
そして、勇気や思いやりを持つこともできます。
最新の研究によってもう一つわかったのは、ストレスについての考え方を変えれば、もっと健康で幸せになれるということです。
ストレスに対処するための最善の方法は、ストレスを減らそう、避けようとするよりも、ストレスについての考え方を改めて、ストレスを受け入れることです。


すべては思い込み

私はストレスに関するクラムの研究について話を聞きました。
クラムの研究は、物質的な現実は私たちが思っている以上に、主観によって左右されることを示していました。
クラムの仮説は実に興味深いものでした。
「二つの効果が想定される場合(今回のケースでは、運動によって健康効果が表れるか、作業によって体に負担が生じるか)、その人がどう思っているかによって、どちらの効果が表れるかが決まる」という考えです。
実験結果としては、客室係たちが自分たちの仕事を健康的な運動として認識したことによって、体にはよい変化が表れました。
言い換えれば、「思った通りになる」ということです。
これはストレスについても同じことが言えます。
ストレスを感じたときにどんな気分になるかも、ストレスの多い状況に対してどう対処するかも、あなたのストレスについての考え方(ストレスマインドセット)次第で決まります。

「ストレスは害になる」と考える人は、たとえば次のような行動をとります。
ストレスに向き合おうとせず、ストレスの原因についてなるべく考えないようにする。
それとは反対に、「ストレスは役に立つ点もある」と考えている人の多くは、たとえば次のような行動をとります。
困難な状況をなるべくポジティブに考え、成長する機会としてとらえることで、その状況において最善を尽くす。
このように、多くのマインドセットと同様に、「ストレスは役に立つ」と思っていると、現実にその通りになっていくのです。


ストレスの欠如は人を不幸にする

研究者たちは、各国のストレス度指数は、幸福度や平均寿命など、国の繁栄を示すその他の指数とも比例しているのか調査しました。
すると、研究者たちも驚いたことに、ストレス度指数の高い国ほど、繁栄度も高いことがわかりました。
また、ストレス度指数の高い国ほど、国民の幸福度や人生に対する満足度も高いことがわかりました。
つまり、世論調査でもっとも幸福な人たちは、ストレスのない人たちではありませんでした。
もっとも幸福な人たちは、大きなストレスを感じながらも、精神的に落ち込んでいない人たちだったのです。
私はこれを「ストレス・パラドックス(ストレスをめぐる矛盾)」と呼んでいます。

このストレスをめぐる矛盾を理解するには、ストレスと生きがいとの関連性について考えるのが最もよい方法です。
人びとの最大のストレス源として挙げられるのものはいろいろありますが、なかでも仕事、育児、人間関係、健康問題などはトップに挙がります。
このような、ストレスも大きいけれどやりがいのある役割についてたずねると、「ストレス・パラドックス」が浮かび上がってきます。
たとえば、18歳未満の子供を養育している人たちは、毎日の多くのストレスを感じていると同時に、微笑んだり、笑ったりすることが多いことがわかりました。
また、起業家の場合、前日に大きなストレスを感じたと答えた人たちは、同じ日に興味深いことを学んだと答えていることがわかりました。
ストレスを感じるのは、「人生が上手くいっていないしるし」ではなくて、自分にとって大事な活動や人間関係にどれだけ熱心に取り組んでいるかを示すバロメーターと言えるでしょう。

ストレスを受け入れる利点の一つは、目標に向かって頑張る力を見出し、困難であっても意味ある経験を乗り越えることです。
ストレスを避けるのはいっけん合理的な方法に思えても、必ずと言っていいほど、次のようなしっぺ返しを食らいます。

①機会を逃す
イベント活動に参加する機会や、役割を引き受ける機会があっても、ストレスが多すぎると思って辞退したり、途中でやめたりしたことがありますか?
その結果、あなたの生活は向上しましたか?それとも活動範囲が狭まってしまったでしょうか?せっかくの機会を逃したことで、どのような代償を払いましたか?

②自分の将来に限界を設ける
もし生活にストレスが生じるのを恐れさえしなければ、やってみたいことや、受け入れたいことや、変えたいことがありますか?
もしそれに挑戦したら、あなたの生活はどのように向上するでしょうか?もし挑戦せずに諦めたら、あなたはどんな代償を払うでしょうか?


成長する

これまで人生で、あなたが大きく成長したのはどんなときでしたか?
前向きな変化が起きたり、新たな目標が見つかったりした、人生のターニングポイントはいつだったでしょうか?
これだという時期が思い浮かんだら、今度は次の質問について考えて下さい。
「その時期は、ストレスも大きかったと思いますか?」
私がワークショップなどでこの質問をすると、ほとんど全員が手を上げます。
それこそまさにストレスをめぐる矛盾と言えるでしょう。
ストレスをなるべく経験せずに生きていきたいと思っても、困難な時期こそ私たちに成長をもたらすのです。


『まとめ』

ストレスは害になるが、ならないばあいもある。
つまり、ストレスを悪いものと捉えると悪いものになるのだ。
大切なのは「ストレスによって成長する勇気」である。
生活のストレスを必ずしも自分でコントロールできなくても、ストレスにどう向き合うかは自分で選ぶことができる。
また、ストレスを受け入れるのは勇気ある行為であり、辛いことから逃げずに、苦しみの中にも意義を見いだそうとする努力が必要である。
ストレスに強くなるということは、ストレスを感じたときに、「勇気」や「人とのつながり」や「成長」という人間ならではの底力を、自分なのかに呼び覚ますことです。

また、研究によって分かっているとおり、ストレスが最も害になるのは、次の3つが当てはまる場合です。
①自分はストレスに対して無力だと感じる。
②ストレスのせいで、自分は孤立している。
③このストレスは無意味で、自分の意思に反している。


この記事が参加している募集

最後までお読みいただきありがとうございました。 サポートも嬉しいですが「スキ」ボタンもとても励みになります!