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アンパンマン号でストレッチしていると思いがけない再会をした

お嫁ちゃんがひどい悪阻(つわり)で、助っ人として息子宅にお泊まり中の私。

5日目の昨日は月曜日。

私は2階の部屋にひとり寝かせてもらっているのだが、朝下に降りるとママとパパから嬉しい報告が。

1歳の孫ユーヤが起きるなり『ばーば?』と私のことを探してくれたらしい。

めちゃくちゃ嬉しいぞ♪

朝ご飯を済ませて息子はお仕事へ。

お嫁ちゃんは前よりほんの少し、食べ物を口にすることが出来てきた。

しかし、喜ぶのも束の間。

昨日はかなり吐いたみたいだ。

起きてられないくらい調子が悪く、昨日はほとんど横になっている状態だった。

2日続けて吐かなかった日が続いていて喜んでいただけに、少しショックだったようだ。

私は朝から夜息子が帰ってくるまでのほとんどの時間をユーヤとふたりで過ごした。

午前中に公園へ行き、暑さで早めに切り上げた後、また家電量販店のおもちゃ売り場に。

入口のところにアンパンマンの乗り物があるのを見つけてしまい、乗ると言ってきかないので乗せてみた。

本来は100円を投入すると動くのだが、ユーヤはハンドルを触るだけで納得しているので、申し訳ないと思いつつ、お金をかけずに遊ばせる。

音楽がずっとかかっており、画面にはアンパンマンが現れこちらに向かって笑いながら何やら話しかけてくれるので、ユーヤは充分楽しそうにしていた。

エンドレスで曲が流れ、エンドレスでアンパンマンが現れるので、ユーヤは全く降りようとしない。

15〜20分居ただろうか。

どうにかこうにか家電量販店のおもちゃ売り場に誘導し、おもちゃを楽しそうに見て回る。

トミカを一台買ってあげ、スーパーへ行くためにエレベーターへ乗ろうとしたが、賢いユーヤはそこにアンパンマンが居たことを忘れていない。

結局また無賃乗車させて頂くことに。

エンドレスアンパンマンに付き合っている間、突然左足の股関節が攣るというハプニング(もちろん私の話!)。

ーーこんなところに疲れが出てくるとは…。

さすがに焦った。

これはひょっとしてベビーカーを押して歩けないのではと。

ユーヤがご機嫌に遊んでいる横でアンパンマン号に手をかけながら、周りの人に気付かれないよう何気なくストレッチを。

なんとか痛みも治り、やれやれと思っていたところで、何か視線を感じ、その先を見るとそこにひとりのおばーさん。

ユーヤに声をかけてくるおばーさんは多かった。

それはそうだ。うちの孫は何と言っても可愛いから。

その時も、またそんなおばーさんが話しかけてくるのかと思ったが、視線の先はユーヤではなく、この私だった。

初めは誰だか分からなかった。

ニコニコしながらこちらを見ている。

2秒後、やっとその人が誰だか理解した。

元旦那のお母さんだった。

数年ぶりに会った義母はすっかりおばーさんになっていた。

どおりで分からないはずだ。

そりゃそーだ。数えたらもう78歳。

れっきとした〝おばーさん〟である。

私の義母のイメージは、いつもチャキチャキしていて、フットワークが軽く、言いたいことは全てすぐ口にするような〝元気なおばちゃん〟であった。

「あれー?!よく似ているなーと思ったら、やっぱりそうだー!」

と、ニコニコしながら私に話しかけてきた。

その瞬間〝ギョッとする〟→こんな言葉がしっくりくる感じだった。

元旦那も元旦那の両親も、息子家族と同じ市内に住んでいるため会ってもおかしくないのだが、まさかこんな所で会うとは思ってもなく、もしかしたら何気にストレッチをしていた様子も見られていたかもと、〝不意をつかれる〟とはまさにこの事であると思った。

私は平静を装い、

「お久しぶりです、お元気ですか?」

と大人の対応。

元義母は『うんうん』と満面の笑みで頷く。

ちなみに私は元旦那と離婚する際、元旦那とはもちろん、息子大好きな元義父母ともかなりの修羅場を経験した過去がある。

話題をユーヤに向けようと思い、

「こんにちは、は?」

と1歳の子に挨拶を促す。

ユーヤは小さいが、ちゃんと『こんにちは』が言える子である。

しかしユーヤは運転に夢中。

大人顔負けのハンドルさばきを繰り返していて、元義母の顔をチラッと見ただけで何も言わない。

うぅ…ユーヤくーん。

「つわりはどう?」

お嫁ちゃんの妊娠、つわりのことは知っていて、冷凍庫の整理をした時に出てきた赤飯は、元義母が作って持ってきてくれたものと息子に聞いていた。

「まだちょっとつらいみたいです。なので今手伝いに来ています」

「あーそうなの?でもあんた仕事は?」

「あ、今ちょっと休んでて」

咄嗟に嘘をついた。めちゃくちゃ自然に。

「そうかー、また何か作って持っていこうか?」

「あ、いや、大丈夫ですよー」

にこやかにやんわり断ったが、義母のことは良く知っている。

大量のおかずを作ってすぐにでも持って来そうな気がしてならない。

まぁ、それはそれで作る側としては助かるので、有り難く頂こうとは思うが…。

いい機会なのでこの際言わせてもらうが、私は義母の作るおかずがずっと苦手だった。

結婚してからずっとだ。

とにかく何でも大雑把なのだ。

美味しくない訳ではないのだが、義母の作る料理は〝義母そのもの〟なのだ。

なのできっと、離婚して18年経った今、元義母の料理を目の前にした時、私はきっと箸をつけるのをとまどうに違いない。

息子の家に手伝いに来てから毎日、朝・昼・晩と、ずーっと3食作り、後片付けも全てひとりでし、一日のほとんどをキッチンで過ごしているような気がしている私。

家政婦さんってこんな感じなのかなと、ふとそんなことを思ったりする。

仕事を休職してからは家にいることが多く、母と2人分の食事作りなんて大した量ではない。

ミシンを始めたりして、ほとんど座ってばかりの毎日だった。

それがここ最近、朝から歩いて公園へ行き、走る孫を追いかけ、家の中ではほぼほぼキッチンに立っている。

ーーそりゃ股関節も攣るわ。

でも孫は可愛い♪

昨日も絵本を持って私の膝にちょこんと座りにきたり、もう〝ギューーっ〟てしちゃうくらい可愛い。

この先、お嫁ちゃんが元気になるまでの間に、トミカが何台増えてしまうのだろうか。

無職の身であることに、ふと気付く。




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