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経年烈火

信じられないような
恋をした
熱く
深く
身体も心も性欲も
燃える

あれから数年が経ち
彼と毎日共に過ごし
焔は
激しさよりも暖かさとなり
緩やかな愛へと変わっていった
他動な恋は
落ち着きとともに
日常に少しの平淡さをもたらした

けれど
仕事の都合で彼と
離れなければならなくなったとき
信じられないような
悲しみに襲われた
ほんの
ほんの1週間
神が世界を造るまで
たったその時間離れるだけで
寂しさが私を囲う
孤独でないから寂しいのだ
ひとりでないから寂しいのだ

彼を見送る
いってらっしゃいのとき
じわりと涙が浮かぶ

向こうに着いた彼が
今朝のあなたの涙をみて
愛おしさがたまらなくなった
と言うのを聞いて
また
淋しさに囚われる

その日は
三回電話をして
眠りについた
はやく
彼の熱いからだが欲しい
ただそれだけを
望みながら


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