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「自分のために作る料理がしんどい」でも実は、、、

今月に入ってから、毎週末お祭りがあり、子どもは大喜び。そして、大人も夕飯を作ることから解放され、大喜び、笑。

先週は、娘がアレルギーで生ものが食べられないので「この機会にお寿司屋さんに行こう」と、夫婦で近所のお寿司屋さんへ食べに行くことに。すると、そこには同じ学校の保護者達が何組かいるではありませんか!
「考えることは同じですね」と、笑ってしまいました。

翌日は、子どもとは一緒に行くことができないエスニック系の居酒屋さんで辛いものを食べながらお酒をいただきました。

さらにその翌週は、焼き鳥屋にでも行こうかなぁと思ったのですが、子どもが夏休み中なので、翌朝と昼ごはんのことを考えると「買い物に行かないとマズイ、、、」と思い、スーパーへ買い出しに。

すると、ウニが格安で売られていたので「これは美味しい白ワインを買って、食べたいものを作って家飲みにしたほうがいいかも♪」と気分が変わり、酒屋で少し高級の白ワインを購入して帰宅しました。

一人で家飲みなので、洗い物を少なくするためにワンプレートのつまみにしました。
まずは、スルメイカとトマトとしらすのニンニク炒めを作り、あとは作り置きしていた夏野菜の揚げ浸しと冷蔵庫に残っていたクリームチーズ、そしてウニを好きなだけプレートに盛って完成!!

キンキンに冷やした辛口の白ワインと共にいただき、一人幸せタイム♪


自分が食べたいものを食べたいだけよそり、いつもより少し高級なワインを用意するだけで、なんとまぁ!贅沢な時間になりますね。

外食もいいけれど、ゆったり好きなものを聞いたり見たりしながら、好きなものを食べる時間というのは、心が満たされるものです。

いつもは家族のために作る料理ですが、自分のためだけに自分が食べたいものを作って食べるという行為は、セルフケアになると思います。「作らなきゃ」というモチベーションではなく「自分が食べたいから作る」料理は、しんどくなるどころか、その時間さえもワクワクしたものになるのです。

そこで、今回紹介したいと思った食の本はこちら。
精神科医の星野概念さんと自炊料理家の山口祐加さんの共著『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話』(晶文社)です。

 自分で作って食べる行為は、買ってきたものを食べるということとはまったく違った行為です。自炊ができるということは、自分の体調の移り変わりや生活の変化に合わせて、自分を労り養っていけるということです。この力があれば、ちょっとやそっとのことでは倒れないで生きていけます。
 自分の人生の主役は自分です。
 大切な自分を養い、励まし、喜ばせることができるのが料理なんです。
 そしてそれを提供できるのが「自分」だとしたら、人生にとって「自炊」ほど強い味方はいないと思います。

『自分のために料理を作る 自炊からはじまる「ケア」の話』(星野概念・山口祐加/晶文社)

料理初心者に料理を教えている山口さんは、生徒さんから「自分のために料理が作れない」「自分しか食べないと思うと作る気力が湧かない」といった声を耳にすることが多いそうです。

それをきっかけに「簡単料理や時短レシピを教える以上に、料理をしようかなという気持ちが湧き出てくるようなケアや料理することの意味を改めて考えて実践する時間が必要なのではないか?」と、思ったことをきっかけに本書が誕生しました。

本書には「自分のために料理ができない」という6名が登場し、山口さんに三ヶ月間、自炊コーチを行ってもらう中で変化した気持ちがインタビュー形式で綴られています。
面白いのは、そこに精神科医の星野さんも加わることで、より深く料理と自身に向き合う行為が行われ、読み応えのある内容になっているところです。

中でも私が心に残ったのは、「おいしさの九割は安心感でできている」という発見があったエピソードでした。

子持ちの30代の女性が、山口さんに教わって作った生姜焼きと、いつも自分が作っている生姜焼きを子どもに食べさてみるとー
こどもは「どっちもおいしい」と言うのです。
もちろんプロに教わって作った味も美味しいけれど、お母さんの味も美味しいと。それは、ずっと食べてきたお母さんの味への愛着や美味しさがあり、その美味しさは安心感でできているというところにグッときました。

これが家庭料理なんだよなぁと、改めて納得。
自身を振り返ってみても、実母はほぼ料理をしない人でしたが、たまに作ってくれる味の薄い味噌汁や竹の子ごはんを食べると、ものすごくホッとしたことを覚えています。

それは、外食や市販のお弁当には無いおいしさであり、お母さんが作るいつもの味のおいしさなんです。たぶん友達が食べたらおいしいとは思えない味。だけど、子どもの私にはおいしいと感じる味、、、。

だから家庭料理は映えなくていいし、プロのような美味しいものを作らなきゃいけないと思う必要はなく、自分らしくラクに自由に作ればいいのだと思うのです。

本書にも書いてありますが、これからは料理も自分でやらなくていい時代になっていく可能性があります。おいしいものはいくらでも外へ行けば食べることができるし、それで生きていくことはできるでしょう。

でも、外食や市販品の塩分量や添加物はさておき、料理は栄養を摂取するためだけのものではなく、自分をいたわり養うことができるセルフケアであり、生きる力を育むことであり、生きる根本でもあり、心も養う行為だと思うのです。

もし、自身や家族が今弱っているなら、自炊に挑戦することをおすすめしたいです。丁寧にごはんを炊くだけでもいいし、お味噌汁を作るだけでもいい。
それが自身や家族の生きるエネルギーになることを考えつつ料理をして、作って味わって食べることで、必ず元気になっていくと思います。

「自分のために料理を作るのがしんどい」人や「毎日の料理がしんどい」人も、少しでも気になったなら本書を広げてみてください。
ちょっと何か作ってみようかな、、、というエネルギーが湧いてくることでしょう。

こんなことを書いている私自身も食の本を読み続けている理由は「しんどい料理を作るエネルギーを湧かせるため」だったり「料理をする意味」を吸収したいからであったりします。決して料理が好きなわけではありません。

ただひとつ言えるのは、作って食べる行為が心と体を養うことは確かということ。それを実感しているからこそ、こんなことを日々綴っております。

それでは、また。



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