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【小説】娘と母親と地球の物語①

(全4回か5回の予定です。今回はその初回!)

プロローグ


死にたい。

どうにもならないから、死にたい。

自分で死ねればいいけど、そんな気力も無い。


誰か殺してくれ!

お願いだから、殺してくれ!

誰もわたしのことなんか必要ないんだ。

わたしは世界で役立たずな人間だ。


だったら、生きてる必要ないでしょ?

生きる価値なんてないんだから。


誰か殺してくれ!

狂いそうなほど、世を憎んだ。

でも、死ねない。

暗闇の中、ノートを出す。

見えないけど、書いた。

ペンを持ち、書いた。

自分の中のドロドロした思いをノートに見えない文字で書き殴った。

ただ、ひたすら書いた。


書き終わったノートを閉じた後、
彼女は眠りに落ちたのだった。



第1話 母との関係


今のお母さんとの関係を分析してみた。

前ほどは恨んでいない。

そうそう。昔は憎かった。

平気で毒親という言葉も使った。


流石にそういうマイナスの言葉は使いたくないから、言わなくなったけど。

だからといって 

心から感謝している、
とか
大好きで仕方ない!

という感情とはほど遠い。


お世話になっているし。

強いて言えば
可も無く不可もなく
といったところか。

それでも、
母との関係はかなり良くなってきたんだ。

自分なりに過去の出来事を見つめて、
改善してきたつもり。


第2話 どん底からの軌道修正


あれは、2017年の夏の終わりだった。

離婚して、実家暮らしも上手くいかず。

死にたくて死にたくて、でもなんとか復活して。


今度は実家を出て、愛犬と二人暮らし。

両親の会社で働いた。

でもそれも全く駄目だった。

中年まで専業主婦だった娘がいきなり会社勤めしようとしても、碌な仕事を与えてもらえない。

つまらなくて、どうせ役に立たないし、誰でも出来る仕事を与えられて。


わたしは価値ない人間なんだ。


どんどんネガティブな思いで充満していく。

結局、雑用だけの会社へも行けなくなってしまった。



朝、犬が散歩に行きたいという。

仕方なく、犬に引っ張ってもらいながら、外を歩く。

食べ物が無い時は買いに行くが、それ以外はベッドの中で過ごした。


どうせ生きていてもだめなんだ。

自分が生きていて何になる?


そんな思いばかりで心よりが埋まっていく。


1週間、2週間と過ぎていく。

親からも連絡が来なくなった。


あぁ、誰からも見向きもされないんだな。


眼の前の犬以外はわたしを必要としない。

ベッドの中で寄り添う犬。





突然、わたしは何しているんだろう?という思いが、湧いてくる。


あれ?これでいいのか?


だって、わたしは人生を変えたいって思ったはずじゃん。

なんで、毎日ベッドの中にいるんだ?

寝込むために離婚したんじゃないよね?

この戦略は間違えているのかも?


自分の心を癒やしていきたい。

とりあえず、YouTubeでヒーリング音楽でも聴いてみよう。

妙案が浮かんでくるのしれない。


まだ夏の暑さが残る9月に初めに
彼女の思いのベクトルは変わったのだった。


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【小説】娘と母親と地球の物語②|ひなた美由紀 #note https://note.com/love_infinity/n/n08fcecead412











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