ひなた美由紀
創作大賞出品中の作品の全話収録しています。
HSPさんに読んでほしい記事をまとめました。
こんにちは。「人を癒す文章を紡ぐ随筆家」ひなた美由紀です。 私は、約30年間精神病の薬(向精神薬)を飲んできた元精神病患者です。しかし、4年前に薬を卒業しました。その後、薬の依存症によって「眠れない」という状態から仮説検証した結果、毎日眠れるようになりました!! また、昨年は一度も病院に行かず、薬も飲まない生活を送れました。 もし、あなたが ・薬に頼らずに健康に過ごしたい ・心の病かな?と思ったときに、病院に行く以外の選択肢が知りたい ・大事な人が心の病に苦しんで
これまでのお話はこちらに全話収録してあります。 第10話「ねぇ、やっぱり薬止めるのは良くないのかしら? お医者さんも『まだ続けたほうがいいですよ。様子みましょう』っておっしゃっていたし……」 母正子が真也に言った。正子は自分で決められずオロオロしているようだった。 「あのね、母さん。薬止めたほうがいいと思って、中川先生のカウンセリング受け始めたんでしょ?保険きく訳じゃないから、安くないじゃん。それにせっかく始めたんだから、とりあえず続けてみようよ」 「でも、今まで
これまでのお話(全話収録してあります)はこちらです 第9話 ちひろは煮詰まっていた。 みずほの父親に対する感情は変化があるものの、何か決定打が足りない。 また、真也も母親に対して随分心を開いているものの、どうも進捗具合がイマイチだ。何かうまくいっていない。 思い切って事務所「断薬サポート 勇氣」を一日臨時の休みにした。 そして、前から行きたいと思っていた日帰り温泉へと出掛けた。調べてみたら車で片道2時間弱。景色を見ながら心の浄化をするのもいいだろう。できればゆ
これまでのお話はこちら 第8話「こんにちは。お世話になります。よろしくお願いいたします」 そう言いながらオフィスのドアを鈴木正子が入ってきた。真也も一緒だ。 「中川先生、よろしくお願いいたします」 礼儀正しく深々と頭を下げた。 「お二人ともよくいらっしゃいました。ありがとうございます。さぁ、お掛けになってください。お茶を淹れましょう」 二人並んでソファに座る。 「外は暑かったでしょ?今日は水出しの緑茶です。氷は入っていませんが、美味しいですよ」 真也はグラ
これまでのお話 第7話 ちひろのオフィスから帰ってきたみずほは、早速自分の机に向かった。 元来、真面目だし何しろやりたくてウズウズしていたのだ、ちひろに言われた宿題を。 「えっとぉ、過去の自分を癒やすのかぁ。一つ一つやっていこう!その時のシミュレーションを思い出して過去の自分になって感情を感じるワークは、あとでお風呂タイムに回して、と。昔の自分にお手紙を書こう!さて、いつの間にみずほちゃんに書こうかなぁ?」 そのようの頭の中で考えていたみずほは、鼻の下にシャー
第6話岸本徹から依頼を受けた件について、すぐにみずほに連絡をした。 「うわー!ちひろさんからお電話いただけて、嬉しいです。どうされたのですか?」 弾むような声のみずほに伝えづらい内容だ。 「実はみずほちゃんのお父様が事務所にいらっしゃって……」 「あ〜、そんな氣がしていたんです。父が相談に行くだろうなって」 「それで、料金も頂くということで、あなたのカウンセリングをお願いされたの」 「分かりました。ちひろさんと会う機会が増えるのは嬉しいから。行きます。いつがいいで
嬉しいと思う でも次の瞬間には違うことを考えている 楽しいと思う でも次の瞬間には他のことに囚われている インターネットが普及し 地球上全てが一瞬で繋がる世界 なんでも急いでやらなければと いつも慌てふためく ずっとハイスピードの世界を走らされている そこにゆったりと落ち着く暇もない でもそれでいいのか? 悔いは残らないのか? 嬉しいことはじっくり味わい尽くせ 愉しいことはとことんまで愉しめ 一瞬で終わらせたらもったいない 嬉しく思うこと 愉しく思うこと それが
どうしてできないと思うのだろう 自分には無限の可能性があるのに なぜ不可能だと決めつけるのだろう 自分には決まっていない未来があるのに 見えない鎖を自ら生み出し 悲劇のヒロインを演じ 悲しみに打ちひしがれても 喜ぶのは見えない世界の悪魔のみ 悲観的になればなるほど 悪い想念を生み出し 明るい未来への道筋は 更に遠のく 人生の最期に思うことは 後悔という思い出だけ 今なら違う道を選べる 今なら違う未来を描ける 可能性という扉を 勇気を持って飛び出そう あなたを励ま
4話まで読み逃しのかたは、こちらからどうぞ 第5話 正子と真也のカウセリング計画に目処がついたところだった。 お氣に入りの緑茶を淹れて、一口飲む。僅かな苦味と深い緑の香りが口の中に流れ込んでくる。 ちひろはお茶の時間をゆっくりと味わっていた。 一段落したときのこのティータイムは、自分の心と身体を労ってくれる。 ちひろのお氣に入りのひと時だ。 そこに電話のベルが鳴り響く。 「もしもし、初めてお電話差し上げます。岸本徹と申します。娘のことでご相談したいのですが、よろし
全話収録しています。3話までお読みでない方はこちらからどうぞ。 第4話 ちひろは軽いため息をついた。 新しいクライアントさんと話した後は、身体のどこかに凝りを感じる。今日は肩甲骨が固まった氣がする。 肩をぐるぐる回しながら、先程まで書いていたメモを眺める。 クライアントさんと話しているときは、パソコンを開かない。 時折メモする程度だ。 精神的に落ち着いていない人でも、なるべくリラックスできるように、電磁波の少ない環境を作るようにしている。 パソコンをつかないときは、Wi
第3話「るるるん。今日は何を書こうかなぁ?」 みずほは鼻歌交じりに一人ごちた。 手にはスマートフォンが握られ、Twitterのページが開かれている。 ちょっと首をかしげたみずほは、すぐに書き込み始める。 「『靈はいない』『おばけは存在しない』はウソ! 見えないだけでたくさんいるんだよ。靈やおばけが見えてる人もいるけどね(笑)」 「わたしたちは肉体があるから生きている。死んだ人は肉体が無い。でも共通点はある。死んでも生きていても意識はあるってこと」 「生きている人=肉体
第1話はこちら 第2話 「ちひろさんは、見える、聞こえるっておかしいことだと思いますか?」 話はそこから始まった。 わたしは、みずほに協力すると決めた。 でも、認識が違っていたら、どこかで協力体制は崩れるし、不和が生じる。それを避けたかった。 ……というのは表面上の話しで、みずほの考え方、底辺にある思想について知りたかったというのが本音だ。 「宇宙では知らないことがた〜くさんあるんですよ。 今、解明できていることって、わずか5%でしたっけ? そのくらいわたしたちは
【あらすじ】 断薬カウンセラーのちひろが旅の途中で出会った少女みずほ。ある日みずほが断薬相談室を訪れる。そのみずほの口から発せられた言葉は今までの常識では考えられない夢だった。世間の当たり前をフレッシュなパワーで切り崩していこうとするみずほと、なんとか自分を納得させながら慎重に前に進もうとするちひろ。そして、2人にとって最初の試練となる真也という少年。3人を中心として紡ぎ出される新しい価値観への挑戦とは? 第1話その頃も旅をしていた。 今と違い、金があり時間がなかった。 だ
こんこんと湧き立つ水辺に立つと 人はふと不思議に思う なぜ生きるのに必要な水に 金を払わねばならぬのか? 惜しむことなく溢るるその水は 毒とは無縁の豊かさがある 山の神に抱かれた光の粒が 人の喉を潤す 身体に沁み渡る善き氣に 自然と笑みが溢れる 天より降りし雨が木々に歓びを齎し 山が潤いを蓄える そこから流れ出づる川の清らかなことよ やがて海原へとたどり着き また天へと戻っていく その循環が水の神だと腑に落ちれば 水を口にする度に人は自然とこうべを垂れる そのありが
今、七夜物語という童話を読んでいます。 その下巻の第六章にこのような文章があるのです。ちょっと長いのですが、お付き合いください。 世の中が悪いのは誰のせい? 今、世の中が混沌としていて、だれもその世の中に責任を取っていないように見えます。 首相が悪い、毒物の入った注射を導入した政府が悪い、いや、開発した製薬会社だ、それよりも影でそれらを操っている者たちだ。 一つ一つ挙げていけばキリがありません。 もちろん、まったく分かっていない方々に伝えるために、声を大にするのはい
たゆまぬ努力を教え込まれた我らは 苦しみ悲しみを常とする道を歩く 要となる教えを抜き取られた我らは 歓び得難い日々を常とする道を歩く 幸せを追い求めながら 幸せを阻む戒律に目に見えぬ戒律に縛られ 身動きとれぬ輩の多きことよ すべてが間違っていた すべてが狂っていた 我らの身に沁みついた教え一つ一つを脱ぎ去り 真という新たな衣を纏う その覚悟を我らの授けてくだされ 幼き事に氣づかぬ我らに 自らを成長させる力を与えてくだされ 歓びと感謝をより内側から得られる我らとなれ