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日常のなかに非日常がある日々。

残り1週間になった。
このまま時間が止まればいいのになんて、めちゃくちゃ乙女チックな事を思っている。

「いってらっしゃい」「おかえり」こんなありふれた言葉が、私にとっては
非日常の素敵な言葉なの。相手がいなければ言えない。
傍にいる。これが一番の特別感のあることかもしれない。
朝起きて寝顔が見れる。
ご飯を食べる姿さえ可愛く思える。
何をしても許せるし、何を言っても笑っている。

それが毎日になったら何も感じない当たり前になるのかも、鬱陶しいと思うことになるのかもしれないけど、私たちは半年に1度だから。

いつも新鮮。とっても嬉しい。ドキドキしている。
恋をしている。
私は幸せで、この瞬間のために、半年待っているのだと心から思う。

よくハグをするんだけど、彼が「顔が見えないからさみしいな」って言ったの。なんか恥ずかしかったけど嬉しかった。
確かに顔は見えないけど体温を感じるし、傍にいる事をすごく感じるから、私はそれでもいいけどなぁって言ったの。

そしたら、時々、何か考え事してるよね?それで不安になると。
察しのいい人だなぁと思う。

私は、どこかでこの夢のような時間が突然終わることを恐れている。
病気がもっともっと進行したら、何もできなくなったら。
冷静さを取り戻して彼が将来を考えたとき、私を手放す日が来る。
彼には親も兄弟もいる。私と一緒にいても幸せにはなれないと考え始める。
私と一緒にいたら、生活に制限ができてしまう。将来の選択も変ってしまうから。
そんなことをどうしても考えてしまう。

とても愛しいものを見るように笑いかけ、情熱的に愛を囁いてくれるのは
奇跡なんだと思う。
誰にとっても自分の大切な人のただ1人の唯一の人になり、その感情をずっと持っているのも持っていてもらうのも大変な事。

超遠距離恋愛、進行性の病気持ち、年の差あり。
条件だけ見たら私、今、愛されていることだって奇跡的だから。
不安になって当然なんだと思う。

だからその事を思い切って伝えたら、俺だってそうだよ。
年下だし、アメリカ人だし、傍にはいられないし、事故に遭うかもしれない。不安だよと彼が言った。

ねぇ、今は俺が傍にいるんだから、俺のことだけ考えて俺のことだけ見てよ。不安なら、ずっとくっついててよと笑った。

やっぱり、私はあなたには敵わない。
あと一週間、非日常を楽しもう。

正直言って、彼が帰った後、私はやっていけるだろうかと思うほど、今あなただけを見つめている。

太陽の日差しの中でいっそ溶けてしまえればいいのになんてね。
~おしまい~

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