見出し画像

雷鳴豪雨安全運転第一

瞬間、景色は白塗り

音は遅れて後から演出

雷鳴高らかに鳴り響き

ポツッポツッと

最初は申し訳なさそうに

それも次の瞬間には

あっという間にバケツを

ひっくり返したかの様な

ザザ降り土砂降り

視界ゼロ

路面は大洪水

車が走る両脇には

水の柱が作り出されて

バシャバシャと対向車を

飲み込む勢いで弾けて跳ねて

飛び散っていく

必死にワイパーを動かした

ところで岩のような大粒の

雨粒を前にしたら意味は無く

ならばせめて事故らない様に

運転をこなすしかなく

なんだったらコンビニか

どっかの駐車場で雨が

止むまで待機しているほうが

賢いかもしれないが

あいにくあたりにそんなに

都合良く駐車場も見当たらない

じっと適当な場所にいたら

雨で洗い流されてしまい

そうだからおちおち

休んでもいられない

さっさと逃げたい心持ち

こわいこわい

雨足が少しでも早く

弱ってくれないかなと願いながら

時速30キロ

前方を走る車との車間距離に

意識を傾けながら

ハンドルを握る

BGMはごんごんと車体に

打ち付けられる雨粒

その弾ける生音

渦中の胸の高鳴り

脳みそも身体も

雨足に急かされて

ドキドキさせながら

運転に集中

土砂降り雷鳴

豪雨の腹の中

必死の心持ち

生きて抜け出す

僕はまだ死にたくはない

無事に嵐の中から

抜け出して

暖かいベッドの中で

夢が見たい

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?