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「論理的思考法」クイズ!【第14問】「今すぐ菅首相を代える意義は見つからない。むしろ『続投してほしい』という声の方が国民の間にも党内にも強いのではないか」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「今すぐ菅首相を代える意義は見つからない。むしろ『続投してほしい』という声の方が国民の間にも党内にも強いのではないか」

2021年8月3日、自民党の二階俊博幹事長は、9月末の任期満了に伴う自民党総裁選について、「今すぐ菅首相を代える意義は見つからない。むしろ『続投してほしい』という声の方が国民の間にも党内にも強いのではないか」と記者会見で述べた。

その前提として、次のような状況があった。2020年9月16日、菅義偉内閣が成立し、2021年4月25日、菅政権下で初の国政選挙が実施された。衆議院北海道第2区の補欠選挙では不戦敗、激戦の広島県と長野県の参議院補欠選挙では、連立与党の公明党の推薦を受けた自民党議員が共に破れ、結果的に菅政権下の自民党は「国政選挙全敗」となった。

7月4日の東京都議会選挙でも、自民党は過去2番目に少ない33議席に留まり、自民・公明の与党56議席は、過半数64議席を大きく割り込んだ。

つまり、菅政権下の自民党は、国政選挙でも東京都議会選挙でも「全敗」している状況である。その明白な事実を、自民党幹事長の二階氏が認識していないはずがない(もし82歳の二階氏が本当に外界の事実を認知できないのであれば、側近や家族は、彼を病院に連れて行くべきだろう)。

いずれにしても、菅氏の「続投」を望む声が「国民」に多いという二階氏の妄想は、どこから出てくるのだろうか(笑)?!

次の記事には、「ネット上では『ボケているのか!?』『その国民の中に私は入ってない!』『国民の声なんて聞いちゃいない証』とあきれる声がズラリ」とあるが、多くの国民が「あきれる」のは当然のことだろう。

菅内閣支持率=発足後最低、不支持率=発足後最高

さらに、最近のメディア各社の世論調査によれば、菅内閣の支持率は、発足後最低記録を更新し続けている。

たとえば、時事通信社が7月9日~12日に実施した世論調査によれば、菅内閣の「支持率」は29.3%で「発足後最低」、逆に「不支持率」49.8%は「発足後最高」となっている。

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7月19日にANNが実施した世論調査でも、菅内閣支持率は29.6%と時事通信社の調査と大差がない。23日の東京オリンピック開幕直前であるにもかかわらず、菅氏サイドが期待していた支持率の上昇は、見られなかった。

そのうえ、東京オリンピック開幕直後の7月23日~25日に日本経済新聞・テレビ東京が合同実施した世論調査によれば、菅内閣の支持率は34%であり、これも過去の日経世論調査と照らし合わせると、民主党政権時代の2012年11月以降、最低の記録となった。

要するに、「選挙結果」から見ても、「世論調査」から見ても、菅内閣に対する国民の支持率は、発足以来最低なのである。したがって、「菅内閣に『続投してほしい』という声の方が国民の間にも党内にも強い」という主張は、事実とは合致せず、論理的には明確な「虚偽」といえる。

さて、いわゆる「やくざ」の世界では、いったん親分・子分の盃を交わせば、子分は親分に命を預け、絶対的に服従しなければならない。その盃を交わす際、子分は、「実の親があるのに、今日ここに親子の縁を結ぶからには、親が白といえば黒いものでも白といい……」という口上を述べる。

二階氏の発言から浮かび上がるのは、まさしく、この「やくざ」の論法が、自民党を支配しているらしいことである。二階氏が首相には菅氏がふさわしいと言えば、他の自民党議員も頭を下げてそれに追従する。二階氏が「カラスは白い」と言えば、他の自民党議員も「カラスは白い」と復唱するのだろうか(笑)?

ヒント:「やくざ論法」・「黒いものでも白」・「長いものには巻かれろ」

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