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【255文字書評】ローマ法王に米を食べさせた男 - 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?/高野誠鮮 著 (2015/06)
農村の市役所で働く「スゴ腕公務員さん」の町おこし奮闘記。
もう何というか「痛快」の一言。
発想法が飛び抜けています。それでいて結果がついてくるから、すごい。
反対意見だらけだった農村の人達を、不思議なパワーで巻き込んでいきます。
とにかくエネルギッシュ。破天荒だけど理路整然。
つらい時期もあったはずだけど、暗い表現は全くと言っていいほど出てきません。
「外国人の洋介」と「返品になった駅貼りポスター」のエピソードが秀逸。
「役人は人の役に立ってこそ役人なんです」という覚悟にグッと来ました。
2012年単行本。2015年6月新書化。
農林漁業の一次産業の最大の欠点は何かというと、自分で作ったものに自分で値段をつけられないこと。1本100円もかけて作った大根を、市場に出しても「今日は全国で大根がたくさん出来たから30円だ」と言われてしまう時がある。その瞬間に、70円の赤字になるんです。生産、管理、販売というサイクルを、一次産業者が持てないがゆえの最大の欠点なんですね。(中略)ならばどうするか。一次産業者である農家が希望小売価格を最初からつけて売ればいい。自分たちで作った商品を加工して付加価値を高めて売るという1.5次産業化を進めればいい。
で、そのうちに村の人たちからはゲーリーという外国名が言いにくいから、「おまえ、明日から洋介になれ!」って、洋介と呼ばれるようになった。
それで、「洋介!」って声をかけると、「えっ?」て振り向くようになったんですよ。
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