ファンタジーな世界で婚活!?『クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所』感想
婚活。
なかなか罪深い言葉だと思います。
昭和と比べて、異性との恋愛すらままならない現代。
お見合いや、社内恋愛といったものが盛んであった昔と比べて。
今は、婚活パーティや出会い系アプリなどがあるものの。
どうにも「条件」で相手を見てしまうため、なかなかお目当ての異性とは出会えない。
そんな、ジレンマが蔓延る、この世の中。
そして、それを一言でまとめた「婚活」という言葉。
中々に、罪深いものであるなと思ってしまいます。
さて。
今回ご紹介するライトノベルは、五月雨きょうすけ先生の『クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所』(2023年2月刊行)です。
「結婚しなくても幸せになれる時代に、私はあなたと結婚したいのです」
そんな某結婚情報雑誌のキャッチコピーより、本日はお送りいたします。
あらすじです
本日も、「BOOK☆WALKER」さんから、あらすじを引用させていただきます。
はい、そうです。
今回は、異種間同士での「結婚」。
平たく言うと、「婚活」がテーマとなっております!
簡単に言ってみると
今回のライトノベルの舞台は、17の異種族が存在するファンタジーな世界です。
(ちなみに書いておくと、エルフやドワーフといった、人っぽい種族が、17種いるということです)
そのような状況ですから、戦争が起きてしまいます。
血が血で争うような状況の中でしたが、やがて戦争は終結します。
その時、とある種族の言葉がきっかけで、「17種族すべてが平等に暮らせる都市」として、実験都市ミイスが誕生します。
そして、それから数年が経過して……。
といった所からが、本作となっています。
話としては
話としては、コメディとなっております。
ひょんなことから、実験都市ミイスにやってきた、「猫人族(レオーネ)」のアーニャを中心に、様々な異種族の婚活模様を見ていくことになっていきます。
一例としては。
理想だけが妙に高い、「長耳族(エルフ)」の女性に。
女性の体しか見ていない、「鬼人族(オーガス)」の男といった具合に。
婚活現場でありそうな欲求を持つ種族たちが、コメディタッチで描写されています。
そこが魅力であり。
また、「現実でもいたら、こんな感じなのだろうな」と思えるキャラクターの作りとなっています。
そこが良い!
実は、社会派なテーマ
コメディよりになっている、本作ですが。
ちゃんと、異種族との結婚についても、描写がされています。
とりわけ、気になるのが。
「異種族(例えば、エルフとドワーフ)との間に出来た子どもは、どっちの種族になるのか」といった所です。
ですが、この作品。
ちゃんと、どうなるかが出ています。
そして、あるキャラクターが。
それについての、答えをちゃんと出しています。
ちょっと理想論的なところもあるのですが。
私的には読んでいて、「おおっ!」と思いましたね。
こういった所は、物語として良いものだなと考える次第であります。
結論として
最終的には、そういった自由な恋愛に反旗を翻す種族との戦いになっていくのですが。
本作は、主人公である、アーニャの成長物語として描かれています。
それにちゃんと出てくる大人が、「大人の役割」を果たしている所も、高ポイントです。
そのような状況の中で、「異種族との結婚」という、社会的なテーマに触れている、この作品。
結婚に興味があってもなくても。
「ああ。いいものだな……」と、思える作品となっております。
ご興味がありましたら、是非読んでみてください。
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