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リア充による、救済のお話。『千歳くんはラムネ瓶のなか』感想

リア充。

うらやましい言葉です。

だって、リアル(現実)が充実しているんですよ?

友達もいて。

恋人もいて。

それでいて、何をやるにも順風満帆で。

やること全部、上手くいく。

ああっ、うらやましい!

こっちの悩みを、少し分けてあげたい!

そう、思ってしまいます。

ですが。

そんな考えも、次のライトノベルを見れば、変わっていることでしょう。


そういった訳で。

本日、ご紹介するライトノベルは、裕夢先生の『千歳くんはラムネ瓶の中』(2019年6月刊行)となっています。

これは、リア充による、救済のお話です。



あらすじをどうぞ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

主人公は、超絶リア充。

『五組の千歳朔はヤリチン糞野郎』
学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。
彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。

圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖。
努力型の後天的リア充・内田優空。
バスケ部エースの元気娘・青海陽……。

仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。

これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも――? 

第13回ライトノベル大賞、優秀賞受賞。
新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!

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今回のお話は、「リア充」が主人公です。

「オタク」や「普通の人」では、ありませんよ?

もう一度、書きます。

「リア充」が主人公です!


リア充目線から見た、学園生活

この作品の最大の魅力は、「リア充」が主人公であることです。

つまるところ、スクールカーストのトップに位置する人物だということ。

仲間は多いし。

かわいい女の子は口説くし。

学校の裏サイトには悪口を書かれるほど。

ある意味、人気者の彼です。

そのため。

序盤は、「何コイツ?」という印象だった記憶が、私にはあります。

しかし、逆に。

「リア充」な彼とその仲間達から見た。

学園生活を垣間見れられる、面白さがあります。

彼らには、彼らなりの視点があって。

悩みもある。

今の学校ならではの、悩み(スクールカーストや、コミュニケーション)なんかも出てきます。

そこも面白いポイントではないかと思いました。


不器用でイケメンな主人公

話の流れとして。

主人公は、不登校生徒の更生を頼まれます。

そこで、彼と仲間達は、生徒とコミュニケーションをとっていくわけですが。

最初の段階において。

やり方が、結構強引です。

おかげで不登校生徒も、反発します。

ところが、です。

無理矢理だった彼らのやり方なのですが。

中盤では。

結構、理路整然としていて。

終盤では、納得のいく更生方法だと思いました。

そりゃあ、これくらいのことをしないと、更生なんて出来ないよな。

そう感じましたし。


その上。

ラストの方では。

主人公が、滅茶苦茶かっこよくなります。

それも、不器用でかつ、かっこいいという。

男から見ても、非常に魅力のあるヒーローにへとなっていきます。

というよりも。

主人公は、初めからこういった人物であることを、ちゃんと描写されているため。

彼の根っこの部分は、「ヒーロー」なのだなと言うことを気づかせてくれます。

そんな「リア充」な主人公です。

本作では「リア充」という言葉は、オタクが毛嫌いする意味では書かれていません。

彼は、元から「ヒーローなリア充」だったのです。

この作品の最大の面白いポイントであることを、ここでは書いておきます。


最後に

この作品を見て、私が感じたことは。

「リア充」と言う言葉に、惑わされていたということです。

リア充は、リア充ならではの悩みがあって。

それでいて、行動をし続けている。

それをとやかく言う筋合いはない。

彼らは、彼らなりの倫理観があって。

行動しているのだと。

そして、本作では。

それが、人のためになっている、と。

そのように気づかせてくれる、本作です。

ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。


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