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馬に乗って勝ってみせる!『ブービージョッキー!!』感想

昔、友人に連れられて乗馬クラブに行ったことがあります。

そこで目にしたのは、沢山の馬たち。

そして、あの独特の匂い。

そうです。

動物特有の、あの匂いでした。

友人は何のことなく、乗馬を楽しんでいましたが。

私は、完全に出遅れていました。

何故って?

匂いです。あの獣くさい匂い。

あれで、ダウンしていました。

まったく、良い思い出です。(遠い目)


ということで。

今回ご紹介するライトノベルは、友丈ほえる先生の『ブービージョッキー!!』(2022年1月刊行)です。

動物の匂いって、独特ですよね。



今回のあらすじ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんから、あらすじを引用させていただきます。

「わたしの馬に乗ってくれますか?」
若き騎手の前に現れたのは――超絶美女の馬主だった!?
萌えて燃える、熱狂必至の競馬青春コメディ!

19歳の若さで日本最高峰の重賞競走・日本ダービーを制した風早颯太。
しかしそんな栄光も今は昔。勝てなくなり、ブービージョッキーと揶揄される颯太の前に現れたのは――
「この子に乗ってくれませんか?」
可憐なサラブレッドを連れた、超セレブなお姉さんだった!?
「わたしが下半身を管理します!」
「トレーニングの話ですよね!?」
美女馬主・美作聖来&外見はお姫様なのに中身は怪獣の超優良血馬・セイライッシキ。
ふたりのセイラに翻弄されながらも、若き騎手は見失っていた情熱を取り戻していく。
「あなたのために勝ってみせます」
萌えて燃える、熱狂必至の競馬青春コメディ。各馬一斉にスタート!

「ブービージョッキー!!」シリーズ(GA文庫) - ライトノベル(ラノベ)│電子書籍無料試し読み・まとめ買いならBOOK☆WALKER (bookwalker.jp)


今回のライトノベルも、また珍しいテーマで。

「競馬」となっています。

アプリゲーム「ウマ娘」の関係で、競馬のことについて興味を持っている人は多いかもしれませんね。

今回は、そんな「競馬」についての話となっています。


全体的な感想として

本編を読んだ感想としては。

入念な取材の元に、これを書いたのだなという思いでした。

厩舎(きゅうしゃ)での日常的なシーンや。

レースでの白熱した描写。

そして、JRAでの細かな説明など。

どれもこれもレベルが高く、のめり込むようにして読んでしまいました。

後書きを読む限り、作者様は「競馬の知識」が全くない状態でのスタートであったらしく。

かなり苦労されたとのことでした。

ただ、それだけ丁寧な取材を経て、これを完成させているのだから。

非常に質の高い作品を作る、作家様であることが理解出来ます。


ライバルについて

今回の主人公である、風早颯太には、ライバルが出てきます。

しかも、二人も。

おかげで、ライバルについての描写が少し物足りなくなっています。

個人的には、一人で十分だと思ったのですが。

しかし、これで良かったのだと後で気がつきました。

おそらくそれだと。

どっちが勝つのかが分かってしまうため。
(大体、こういう話だと、ライバルは主人公のかませ役となってしまう)

あえて二人、ライバルキャラを出してきたのだと思います。

まあ、作者様の本心は分からず、完全な想像ですが。

私的には、そう解釈いたします。


で、この作品。面白いの?

面白いです。

先ほど書きましたが。

レースの描写が卓越しています。

そして、お話の流れも緩急がきちんとなされており。

勢い突くところ、緩やかなところと。

ちゃんとメリハリが付いた物語構成となっております。

その上で、競馬についての細かな知識も得ることが出来る。

文句なく、人に勧められる作品となっております。


最後に

この作品。

ヒロインが、二人も出てきます。

一人は外国人で、カタコトで喋るキャラクター。

もう一人は、主人公を甘やかしたいお姉さんキャラクターとなっています。

そのため。

どちらかといえば、男性向けなライトノベルとなっているなと、個人的には思いました。

とはいえ。

馬と人間との、思いも描かれている、本作。

男性でも女性でも。

オススメしたいなと。

私的には、考えてしまう訳なのです。


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