トラッキーのきまぐれ

元小学校及び中学校校長 今は自由人。学校の先生がほんのちょっと元気になる言葉を探してい…

トラッキーのきまぐれ

元小学校及び中学校校長 今は自由人。学校の先生がほんのちょっと元気になる言葉を探しています。老害にならない程度に、発信しようと思っています。阪神タイガース大好き。ときどきタイガースネタあり。書くこと大好き老人。

マガジン

  • リンゴがリンゴであるために 子どもの今に寄り添う

    年々厳しくなる学校現場の先生方に贈る、ほっこりしたメッセージが中心です。ちょっと視点を変えてみたい人にぜひ読んでもらいたいと思っています。

  • 評論風フィクション「学校教育史-近未来編-」

    現代の学校教育にはさまざまな課題が、長い間解決されないままになっています。今すぐにでも本気で改革を進めなければ、この作品にあるような学校が現実に現れるかもしれません。最悪のシナリオを避けるために、敢えて最悪のシナリオを書いてみました。

最近の記事

放課後児童クラブ(旧学童保育)を何とかしないと日本の将来は危ない

今、放課後児童クラブ(以下児童クラブ)の支援員が次々やめていく事態が各地で起こっている。私は、以下の3点が主な原因であると考えている。 1 待遇の悪さ    とにかく時給が低い。最低賃金そのままの自治体もめずらしくないと     言われている。つまり、時給1000円程度である。これでは夏休みなど      の長期休業中以外は、月に7~8万円くらいにしかならない。 2 子どもの荒れ    具体的には後述するが、児童クラブに集まる子どもの心がすさんでい     ることである。 3

    • 誰も悪くないんだ、不登校は。

      不登校の児童生徒に対する対応は、学校として非常に神経を使うところだろう。 それは、本人、保護者、教師がそれぞれに「自分に原因があるんじゃないか」という思いがあるからだ。 本人は、学校に行かなければいけないと強く思っている。それでも行けない自分を激しく責めている。 保護者は、自分の育て方が悪かったのではないか、学校を休み始めたときに、もっと強く登校刺激をすればよかったのではないかと、自分を責める。 教師は、自分のかかわり方が間違っていたのではないかと悩む。自分がもっとその

      • 学生を小バカにする講師さん

        私の知っている人の中に、県の教育委員会から公立高校の校長になって、退職後、地元の私立大学の誘いを受けて講師として働いている人がいる。 先日、久しぶりにその人に会って一緒に食事をした。 酒も飲んだ。 その人は、終始自分の勤務する大学やそこに通う学生をバカにする発言を繰り返していた。 「あんなにレベルの低い学生しか来ないんだから、あんなのは大学とは言えない」と言うのである。 また、自分の思うような授業ができないため愚痴ばかりこぼしていた。 「小学校の算数から始めないとわから

        • 引っ張るな、近本

          今年の阪神はとにかく打てない。 大山が2軍落ちし、佐藤は相変わらずの状態。 やむなく近本が4番を打つという緊急体制に入った。 それにしても、今年の近本はファーストへの打球がやたら多い。 なぜなのか? 本人に聞いてみないとわからないが、ひょっとしたら次のような理由なのかもしれない。 1 昨年よりも一つ上のステージに自分を向上させたいという思いから、長打がもっと打てる打者になろうとしている。 2 4番だから、長打を求められていると過剰に考えている。 私は、どちらかとい

        放課後児童クラブ(旧学童保育)を何とかしないと日本の将来は危ない

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        • リンゴがリンゴであるために 子どもの今に寄り添う
          50本
          ¥500
        • 評論風フィクション「学校教育史-近未来編-」
          9本
          ¥500

        記事

          過去と未来は現在に現れる

          『人間ひとりひとり』という本を読んだ。 現象学的精神医学の立場から書かれた貴重な本である。 「火事が起きた時、人は家の外に逃げる。それは、それは外の方が安全だからだ」というようなことが書いてあった。 当たり前と言えば、あまりに当たり前の話である。 しかし、ここに深い意味がある。 火事に気づいた時、なぜ外の方が安全だと判断するかと言えば、これまでの経験(見聞きしたことを含めて)、つまり過去の経験から、今の状況の危険性を判断し、未来に向けて逃げるのである。 つまり、火事の

          過去と未来は現在に現れる

          サトテルよ、見逃しの三振をせよ

          阪神ファンなら誰しも、サトテルの一発に期待をかけているだろう。 私もその一人だ。 しかし、一向に快音は聞かれない。 一番気になるのは、ツーストライクと追い込まれた後低めに落ちる球を空振りして三振というパターンがあまりにも多いことだ。 ほとんどの場合、その落ちる球はボール球である。 ならば、追い込まれたときに一度見逃し三振覚悟で見送ったらどうだろう。 そうすれば相手投手は 「えっ! この球を見切れるようになったのか」 と思うかもしれない。 少なくとも、落ちる球に必ず手

          サトテルよ、見逃しの三振をせよ

          当事者にしかわからないことがある

          昨日、NHKで死産や流産に苦しむ女性を取り上げた番組を見た。 何年もかけて不妊治療を行ってきて、ようやく授かった子が死産となった悲しみは計り知れない。 けれども、その当事者の苦しみはそれだけではない。 周囲の声が、苦しみややるせなさを増長するというのである。 職場に復帰したとき 「あら、意外と元気そうでよかった」 と、声をかけられてかなりショックだったという人がいた。 声をかけた方は善意で言っているのだろう。 けれども、「あなたの気持ちはわかってますよ」という善意の押

          当事者にしかわからないことがある

          「ない」ことは幸せなのかもしれない

          お金がない生活をしていると、お金のありがたさが身に染みてわかるのだそうだ。 細かいことに気が付かない性格の人は、意外と他人の損得抜きの気遣いに感激することができるのかもしれない。 自分に自信がない人は、ほかの人を責める罪を犯すことが少ないのかもしれない。 自信たっぷりの人は、気の弱い人や、仕事のできない人を蔑視することが多くなるのかもしれない。 なんでもマイナス思考に走る人は、プラス思考の本当のよさを知っているのかもしれない。 そう考えると 私は案外幸せなのかもしれ

          「ない」ことは幸せなのかもしれない

          教育支援センターが周知されない理由

          各地で、「適応指導教室」が「教育支援センター」に名称変更されてきた。今では「適応」を看板に出している自治体は、ほんの一部だろう。 「適応」などという言葉を使うのは、学校の思い上がりだと常々思っているから、この傾向は歓迎すべきことである。 しかし、せっかく名称を変更しても積極的に周知されることは少ないと言う。 なぜか。 理由は二つある、と私は思っている。 一つは、あまり周知されると受け入れ態勢が追いつかない可能性があること。 普通は、1教室に数名の支援員がいればいい方な

          教育支援センターが周知されない理由

          地割れの中に落ちた人を責めますか?

          地割れとは「日照りや地震などで、地面にひび割れができること。また、その割れ目」(デジタル大辞泉)のことです 。 何らかの理由で大きな地割れが起こり、たまたまその真上にいた人がその中に挟まれたとき、その不運を嘆くことはあっても「そんなところに立っているのが悪い」とか「落ちた者が悪い」とは誰も言わないでしょう。 しかし、不登校に関しては同様のことが言われることもあるのです。 そもそも不登校の最も根源的な原因は、社会の価値観と学校の価値観の間のズレが大きくなったために、二つの

          地割れの中に落ちた人を責めますか?

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ いじめ加害者はどこにいったのか

          いじめは、多くの尊い命が失われたことを考えるといまだ解決しているとは言えません。 ただ、今、不思議な現象が起こっています。 それは、被害者は増え続けているのにそれに見合うだけの加害者がいないのです。 普通、いじめる方が多数で1人を攻撃することが多いことを考えると、加害者の方が多くなってもおかしくはないのに実際はそうなっていません。 なぜ、こういうことが起こるのか。 一つは文科省がいじめの定義を大きく広げたことの影響です。 このことで認知件数が大きく増えました。 それは意

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ いじめ加害者はどこにいったのか

          私がゴルフをやめた理由

          ゴルフは結構長いことやっていた。 足かけ20年くらいになるだろうか。 退職して2年が経ったころあっさりとやめた。 ゴルフクラブもバッグも売り払った(数百円にしかならなかったが)。 退職すると誘ってくれる人が急に減ったということもあるが、それよりも私にとって大きな理由は、残された人生の時間の中でゴルフに使う時間がもったいないと感じるようになったからだ。 「ゴルフをやる人間」と知られると、誘いの声がかかる。 それまでの付き合いを考えると無下に断ることができないことも多い。

          私がゴルフをやめた理由

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 対症療法から抜け出す不登校問題

          不登校問題に対する公的な支援は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが全国に配置されたり、市や町の教育支援センターが充実され、学びの多様化学校が各地に設置されたりするなど、広がりを見せています。 しかし、どの施策も不登校になった子そもへの対応という意味では、結局対症療法でしかありません。 本来は不登校を生み出している学校にテコ入れをしなければ、新たな不登校は次々に生まれてしまいます。 近年、不登校が急増しているのも新たに不登校になってしまう子どもが多いからで

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 対症療法から抜け出す不登校問題

          いい大人に出会うこと

          子どもにとって大切なことは、いろいろあると思いますが、先日、日本初のスクール・ソーシャルワーカーの人(80歳くらいの人)が書いた本を読んで、なるほどと思いました。 それが、タイトルにも書いた「いい大人に出会うこと」という言葉です。 いい大人とは、大人が認めるいい大人ではなく、子どもにとっていい大人です。 じゃあ、どんな人が子どもにとっていい大人かというと、「自分のことを心から一生懸命考えてくれる人」だそうです。 こういう人が1人でもいれば、その子は前向きに生きていけるとい

          いい大人に出会うこと

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 生徒指導-「問題」はそれを「問題」とする人によって「問題」になる-

          学校には「問題行動」という言葉があります。 こういうときの「問題」とは、解決あるいは解消しなければならないものという意味です。 しかし、考えてみると「問題」というのは「問題」と考える人がいて初めて成立するものです。 例えば、茶髪にすることが校則で禁止されている学校では、髪の毛を染めることが「問題」だとする学校側の判断があるからです。 髪の毛の色など、人としての価値になんら関係するものではないと考えれば、茶髪は校則で禁止する必要はないし、問題行動ともならないわけです。 こ

          1000字以内で解く学校の課題シリーズ 生徒指導-「問題」はそれを「問題」とする人によって「問題」になる-

          阪神ファンという厄介な「性(さが)」

          5月26日、日曜日。阪神は2-1で巨人に敗れた。 一昨日、ノーヒット・ノーランを戸郷にやられたが、昨日は零封で完勝。 当然、今日は勝ってくれると思いきや7回まで無安打が続き、ようやく渡邉のタイムリーで1点を先取。 ところが9回、ゲラが岡本に被弾。 その後、岩崎が延長10回に失点し7回1/3を無失点で好投した才木の力投は報われなかった。 阪神ファンというのは、負けゲームを冷静に受け止められない。 なぜ負けなければならないのかということを、簡単には認められないのである。 私

          阪神ファンという厄介な「性(さが)」