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日系アメリカ人画家、寺岡政美の浮世絵×ポップアートのユニークな絵

イギリスの美術館TateのInstagram投稿で、寺岡政美(てらおか まさみ、Masami Teraoka、1936年~)という画家の絵を見た。広島県尾道市出身で、1980年からアメリカ合衆国ハワイ州に住む日系アメリカ人らしい。

浮世絵とポップアートを掛け合わせた絵で、見たときのインパクトがすごい。

海で江戸時代の風貌の日本人男性がシュノーケルを着け、水着を着たブロンドの女性のお尻を見ている。

Tateは"The Art of Comedy"というPodcast番組(英語)を公開している。「アート・美術をユーモアをもって捉えてみよう」というコンセプトのようだが、ちょっと聞いてみたら、真面目にためになる話をしていた。

このPodcast番組では、寺岡の絵"View From Here to Eternity"(1993年)について、次のようなことが述べられていた。

・波が女性の体を愛撫しているような、性的な表現。
・男性がしかめ面、驚いている。
・女性はシュノーケルを取ったところで、男性と互いに初めてしっかり見つめ合っている。
・文化的な違い、出会い。
・絵の右上に楕円があり、ナマズと女性が描かれている。漢字のせりふでナマズが女性に「頭が大きいね」などと言っている。
・ユーモアな表現で社会的問題などを扱う画家。
・寺岡の絵には、マクドナルドのハンバーガーを描いた、商業的側面からアメリカと日本の関係を探る作品もある。

"The Art of Comedy"は、英語のリスニングができるので、美術が好きで英語学習をする方にもすすめのPodcastだ。

作風は違うが、浮世絵×現代からの連想で、2003年に横浜美術館で展覧会(企画展、個展)「ポール・ジャクレー展 虹色の夢をつむいだフランス人浮世絵師」が開催された、フランス出身の版画家・浮世絵師、ポール・ジャクレー(1896~1960年)を思った。


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