ホルモンと化した私と祖母のコント
唐突な入りで申し訳ありませんが、私は生理痛というものに
比較的苦しまずに過ごしてきました。
そう20代までは...…
30代に入り、だんだんと「重い」方向へ進んできているのを自覚している。
特に生理の前後は「女性ホルモン」に占領されている。
私の姿をした「ホルモン」が爆誕する。
そんな私は91歳の祖母と同居している。
祖母は女性の大先輩だ。
きっと、あのしんどさも不快さも経験している。
しかし、祖母からすると私は当然孫であり。
そんな孫がいくら年を重ねたところで「孫」でしかない。
何を言いたいかというと、祖母は私を未だに「小学生の私」と同じ様に接してくる。
「ホルモン」と化してイライラしていても。
吹き出物が顎に集中していても。
食欲のリミッターがバカになっても。
ほんの些細なことでメンタルがグラついても。
祖母からすると「?」の数日間でしかない。
これはそんな私と祖母の月1で数日間だけ開催される「戦争」
いや、「コント」である。
レディースデー初日前から私は、「ホルモン」と化す。
所謂、PMSである。
腰がバキバキに痛い。
身体重たい。
何もないのにイライラしたり。
何もないからイライラしたり。
1人になることが最善策だとしても、家族と同居しているとそうもいかない。
居間から大音量で聞こえてくるテレビの音。
「えーい 静まれ!!!」
「この紋所が目に入らんか~」
耳に入って来る、助さん格さんの声が私を苛立たせる。
静まってくれよ私のホルモン。
私にもくれよ。
見ただけでみんながひれ伏すような印籠を。
レディースデー初日
腰の痛みが限界。
毎度毎度、ご丁寧に出てくる顎ニキビ。
肌荒れ荒れ、じわじわとくるだるさ。
「今日、買い物に連れて行って」
容赦ない祖母のお買い物ツアー開催。
そんな時に限って重たい消耗品類が無くなる。
台所洗剤、お風呂洗剤、トイレ洗剤、洗濯洗剤。
普段は絶対思わないことが浮かぶ。
「石鹸でよくね?」
(良い訳ないから買いに行くのです)
レディースデー2日目
全てが終わる日。
動きたくない。起き上がりたくない。
腰はどこまで捻れば痛みがなくなるのか。。。
そんなバカみたいなことしか考えられない。
家事したくない。でも、やらなきゃ。
「今日は健康教室だから出かけてくるね」
ルンルンで出掛ける祖母が羨ましい。
私はその間に色々やることがあるんですよ。
なんて、普段からやっていることでさえイラつく。
これも全てホルモンのせい。
そこに私は居ません。眠りたいけど眠ってられません。
レディースデー3日目
ここまでくると、後はもはや惰性で過ごしてる。
有難いことに私は2日目を乗り越えると痛みが軽減する。
とはいえ、だるいし。眠い。
そろそろきちんと病院へ行って色々検査してもらわないとなー
なんて毎度のことのように思いながら行かない。
そんなことを考えられるほど、家が静かだ。
静かな時ほど怖いものはない。
案の定、部屋で横になっている祖母。
『体調悪い?』
「ううん、少し血圧高いだけ」
....…
それを体調が悪いって言うんだよ。。。
お願い、素直に言葉を聞き入れて。。
レディースデー4日目
この頃には「ホルモン」から私に戻ってきてる。
イライラも収まっているし。
顏の吹き出物が大爆発してるだけ。
「顔ブチブチあるね、皮膚科行かないの?」
前言撤回
イライラ収まってない。
昨日、あなたが血圧あげてる時からありましたよ!この吹き出物!
ずっとここにありました!皮膚科行ったところでこれはすぐ治りません!
なんて言えるはずもなく。
『今度、ゆっくり行くね』
偉いぞ、私。
そんなこんなでレディースデーが終わり、ホルモンから私に戻る頃。
安定の病院送迎が待ち構えている。
いや、動けるだけいい。
元気ならいい。
そんな繰り返しが毎月ある。
祖母とコントのような日々をより一層濃く過ごすことになる数日間。
疲れるけど、私は元気に過ごしています。
りた