浸る

こんばんは！
本日はこちらの後編を書きたいなというわけで。

#わたしの本棚
前回は比較的がっつりと文学作品を載せていたので、今回は趣旨を変えてマンガとラノベ中心にしていこうかなと考えております。
活字も好きですがマンガも好きだし、もちろんそのハイブリッドのラノベも好きなので何をピックアップしようか悩みどころですね！

カードキャプターさくら(1) (KCデラックス)

カードキャプターさくら
著：CLAMP/講談社
言わずもがななわたしの原点。3歳の頃に出会って、もうすぐ四半世紀を共に生きていることとなるこの世でいちばん影響を受けたマンガです。
当時のわたしがどこにドンハマりしたのかというところはうまく説明ができないのですが、とにかく魔法少女ものを好きになるきっかけにもなったド派手な演出と、もこな先生によるデザインの色とりどりで凝りに凝った衣装が可愛くて目を奪われました。同年代の作品と比較して色が全体的に柔らかいところが良かったのかもしれないですね。あとシンプルに90年代後半のCLAMP作品の絵が好みだったことも大きいし、何度読み込んでも飽きの来ない、それどころか深いストーリー性から今も愛してやまない作品になりました。
あらすじなどについてはご存知の方も多数いらっしゃると思うので割愛いたします。現在「なかよし」にて連載中のクリアカード編はいろんな意味で斜め上の展開が多く、スケールが大きくなったなという部分でもそういう観点があったのかという部分でも常に驚かされる、常にあたらしい作品です。
さくらちゃんが可愛いのは言うまでもないですし、幼少期にさくらカード編の衣装を真似して左右で長さの違うレースの靴下を履いていたこともあります。しかしわたしの推しはさくらちゃんではありません。他でもない大道寺知世ちゃんです。知世ちゃんマイラブ。部屋のそこそこ目立つところにフィギュアを飾っている程度には好きです。CLAMP作品は粗方手を出しているのですが、その数多いるキャラクターの中でもやっぱり知世ちゃんは別格です。まず可愛いとか女子力が高いとかそういった第一印象が抜群によく、まさに女の子の憧れる女の子であることは言うまでもありません。
性癖が歪む人物設定が多いなかよし連載作品登場キャラの筆頭格ですが、わたしは彼女のおかげで大切な人を思う気持ちを育むことができたのではないかなと思っています。

「わたしには、大好きな人が幸せでいてくださることが
　いちばんの幸せなんです」

マンガ版第7巻
およびアニメ第50話「さくらと小狼と見えない糸」より

こんなこと言える小学5年生おる？？？？？
そうです。一途すぎて尊いんです。この達観していながらも常に大好きな人の気持ちを最優先にしていくスタイル、本当に人間としてすごいと思います。お母さんの園美さんが知世ちゃんの髪を伸ばさせている理由がよくわかるエピソードから、この優しくも健気で愛情深いマインドは園美さん譲りなんだなと感じますね。岩男潤子さんの優しい声でこれを話す知世ちゃんがまた最高。
余談ですがアニメ版は藤田まり子さんが作画監督をされている回の知世ちゃんが死ぬほど可愛いです。

CLAMP PREMIUM COLLECTION 魔法騎士レイアース(1) (KCデラックス)

魔法騎士レイアース
著：CLAMP/講談社
90年代のなかよし連載作品はCCさくらでお腹いっぱいとは言わせません。そのぐらい、わたしにとっては大好きで大切な作品がこちらです。そもそもマンガの完結そこらに生まれた人間なので、リアタイできていないのが悔しいです。
元々CLAMP作品に触れた順序としてはCCさくら→ツバサ、×××HOLiC→CLOVER→ちょびっツ→レイアースという感じだったのですが、その後色々と読んでから戻ってきたレイアースに関してはもう好きになるべくしてなったような運命すら感じました。大川七瀬先生らしいどこが女児向けなんだと言いたくなるような緻密なストーリーもそうですが、絵の描きこまれ方が凄まじすぎてもはや物語のある美術館だと認識しています。少女マンガに初めて連載を持つ時に描きたい作品がロボットものだったというエピソードも含めてまるっと愛してやまない作品です。
前述の通りわたしは結構大真面目な知世ちゃん推しなのでおわかりの方もいるかもしれませんが、レイアースは圧倒的に龍咲海ちゃんが好きです。その強すぎるビジュアルやフェンシング部に所属しているために剣術もそちらを使うという何とも女児向けでない斬新な設定もさることながら、割と王道のツンデレ美少女なのがたまらない。展開がちょっと変わってくるアニメ版は置いておいて、原作でのアスコットとのやりとりを見るに恋愛感情が今ひとつわかっていない純粋なところもすごく魅力的です。プラモデル作りというものに縁がないのにもかかわらず彼女がきっかけでセレスのプラモデルを組もうか、発売決定のタイミングから現在に至るまで未だに大真面目に悩んでいます。早く組めよというツッコミを自分でもしそうになっています。もっと言うとプリメーラちゃんも好き。
少女マンガなんだよなあ、と手に取るのを躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。しかしアクション要素があったり悲恋が絡んでいたりとかなり奥が深く、それでいて実は骨太な感じがあるストーリーなので実は性別を問わずに楽しめる作品だと思います。最近のスパロボにも参戦しているので、ガンダムを始めとしたロボットアニメが好きな方はそちらから触れてみてもまた違った観点から楽しめそうだなという印象です。

黒魔女さんが通る!! チョコ、デビューするの巻 (講談社青い鳥文庫)

黒魔女さんが通る!!
著：石崎洋司/講談社
講談社続き、魔法少女もの続きですが賄賂とか一切もらっていません。こちらは小学4年生だったわたしが唯一内容にハマった児童文学で、恥ずかしながら高校2年生になるまで結構真面目に新刊を楽しみにしていました。最近はめっきり追えていなかったのですが、今回これを書くにあたって調べたら現在38巻まで出ているんですね。巻数だけで言ったらもはやハンターハンターです。
石崎洋司さんの作品のすごいところは、とにかくファッション知識の豊富さだと思います。これは同時期にシリーズが始まった「マジカル少女レイナ」の解説にも記載されている通りファッションについて猛勉強した模様でこちらを読んでもそうなのですが、結構バンバンとファッション専門用語を取り入れるのに説明が児童向けでわかりやすくて身だしなみに気をつけ始めるであろうターゲット層の子どもたちの需要を120%満たしているような気がします。さらに随所にギャグ要素を織り交ぜながらストーリーを成立させていくことで、子どもたちの心をしっかり掴む楽しい作品になっていてとにかく飽きない印象です。
主人公を取り巻くクラスメイトたちがかなり強烈なこの作品ですが、読者投稿によるキャラクターが多く登場しているところも特徴ではないでしょうか。小学生の投稿も含まれているとは思えないほど設定が細かく、著者はもちろん読者にもすごく愛されているのが伝わってきます。そういったキャラクターにもきちんと焦点を合わせて1話完結のストーリーがあるのも面白いですよね。個人的にはぶっ飛んだクラスメイトの中でも特に東海寺阿修羅くんが絡むのが好きです。

ななついろ★ドロップスPure!!〈1〉 (電撃文庫)

ななついろ★ドロップスPure!!
著：赤坂香夜/メディアワークス
またしても魔法少女ものかよ！というクレームは受け付けないスタイルで行きます。18禁アドベンチャーゲーム「ななついろ★ドロップス」を基にしたアニメのノベライズですね。知名度を上げるためでもそうでなくとも最初に18禁で発売しなくても良かったんじゃないかなというぐらいのしっかりとした感動できる純愛物語で、エロとかグロとか関係なく少女マンガのような優しい気持ちになれる珍しい作品です。アニメ化の際にWikipediaを編集した形跡が残っているのが厚生労働省のパソコンだったという逸話でも有名です
冒頭から人付き合いが苦手な主人公の男の子がいきなりユキちゃんというヒツジのぬいぐるみになってしまうという超トリッキーな展開もさることながら、そのぬいぐるみの要望を聞いて星のしずくを一緒に集めることになるヒロインのすももちゃん。このすももちゃんがピュアで健気で真面目な可愛い女の子です。ちょっとシャイで臆病だけど、それも含めて王道のヒロインだと思います。ただ目の前のことにまっすぐに向き合って、ユキちゃんのためにひたむきに頑張れる子、他にはいないと思います。本当にこんなピュアなラブストーリーをどうしてエロゲとして発売させてしまったんだ、と常に思います。ナコちゃんとのやりとりも非常に尊いので女の子の友情の魅力を感じたい時にはぜひ手に取っていただきたいです。
ただ、コミカライズおよびノベライズ作品はいずれも絶版となってしまっており、現在でも書籍として購入が可能なのはいとうのいぢ先生によるイラスト集だけかなという部分が懸念されます。気になる方はアニメをアマプラかなんかで観ていただいた方が話が早いかなと見越しております。原作がエロゲだなんて思えないほどそういった要素がなくて、邪な気持ちを捨てて楽しめる。深夜アニメとは信じがたいほどハートフルで1クールでは物足りなさすらある名作です。正直かの有名なSchoolDaysと同時期の放送だったために印象が薄れてしまったのが本当に残念なほど素晴らしい。

ハヤテのごとく! 1 (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく！
著：畑健二郎/小学館
昨年で画業20周年を迎え、さらに現在連載中の「トニカクカワイイ」もアニメ新シリーズが開始したことでも知られる畑健二郎さんの代表作ですね。畑先生という愛称の方が個人的にしっくり来てしまう方なので、今回はそちらで一貫してお呼びしたいと思います。
畑先生といえばトニカワ以外にもそれが声優！、アドアストラペルアスペラあたりが代表作だと思うのですが、畑作品に関してはやっぱりこれを外さずには語れないでしょう。
個性の強すぎるキャラクターに翻弄されまくる何かと不運続きの執事が主人公のブラックコメディ作品です。わたしは決してこれをラブコメだなんて言わせません。
ハヤテくんの生い立ちに関してはWikipediaをご覧頂いた方が早いと思うのですが、シンプルにアレな家庭で育ったために16歳にして156804000円の借金を背負う強烈すぎる設定が最初からついています。
ちなみにこちらにもわたしの推しキャラがいます。生徒会三人娘、風紀委員ブラックこと朝風理沙ちゃんです。生徒会なんてやってるんだしましてや風紀委員、そして由緒ある神社の娘さん。真面目な要素しかないはずなんですよ本来なら。でも彼女は違います。学力が大変アレな設定だし、わりかし過激派だし、すぐ下ネタに走るあたりを見ても、何なら真逆を行くような濃いキャラクターです。どう考えても「ハヤ太君(※理沙ちゃんはハヤテくんのことをハヤ太君と呼んでいます)は私に惚れている」という謎理論にたどり着くあたりからもおそらく彼女は頭の中の大事な箇所のネジが抜け落ちていると思われますが、そんなところすら愛おしくなってきてしまうのが理沙ちゃんなのです。ノベライズの著者である築地俊彦先生もお気に入りと言うのも納得。
少し話が逸れますが、理沙ちゃんを演じているのは畑先生の「それが声優！」の原作者としても知られている浅野真澄さん。わたしも小学6年生の頃から声と繊細な演技からは一切想像もつかないカオスなフリートークと(自称)牧歌的な性格が大好きな声優さんのひとりなのですが、理沙ちゃんほど浅野さんのキャラ作りによって個性が確立した女の子はいないと思っているほど好きなキャラクターです。畑先生と浅野さんが結婚した時はチェーン店のカフェでケーキを食べたり、お互いのお話をされているのを耳にしてはニヤニヤしたりとこちらにおいても限界ヲタクを拗らせている始末です。

「ミナミハルオでございます」

第4巻第10話、アニメ版第4話より
※これが初登場のセリフです。嘘だと言ってくれ。

空の境界　全３冊合本版 (講談社文庫)

空の境界
著：奈須きのこ/講談社
わたしとTYPE-MOONとの出会いは小学6年生の夏でした。電撃大王で連載されていた「真月譚月姫」が最大のきっかけとなったのですが、その前年に「Fate/stay night」がアニメ化されて遠坂凛ちゃんが可愛いなとなっていたので、その影響もあったのかなと思います。
それはそうと話を戻しましょうか。奈須きのこ先生は「To Heart」や「WHUTE ALBUM」といった名作ゲームのシナリオを手がける原田宇陀児先生に並ぶ、新伝綺というカテゴライズをされている作家さんです。
この作品の大きな特徴といえば、文章なのに建造物の構造がしっかりと書き込まれていることから、戦っているその場その場の雰囲気まで全てを汲み取っていることだと思っています。そして和風の洒落を利かせてくるあたりは、もはや面白いという域を越えて粋と表現するのが限界かなというほど。言葉で遊ぶことに長けている方の書く綺麗な文章だなと、最初に読んで感動したのを今でも覚えています。
基本的にグロテスクな表現をせざるをえないような凄惨な場がその各物語の中心になるので、そういったものが苦手な方にはおすすめしません。
そういう表現に苦手意識がない方に特におすすめしたいエピソードは中巻に収録されている「矛盾螺旋」。グロテスクさはもちろんあるけれど奇妙で、でもなんだか切なくて、読んだあとには登場人物たちのそれぞれの感情を妄想してしまいます。他エピソードももちろん好きですが、これが良すぎて映画もここだけ無駄に観たほど。梶浦由記さんによる映画版エンディング曲「sprinter」もこのお話のメインキャラクターの臙条巴くんをモデルに描かれているのですが、巴くんがお気に入りだと公言している梶浦さんによる解釈が良すぎるので作品と併せてぜひ聴いていただきたい1曲です。

今回はエンタメ系に全振りしたような感じがあるので、気が向いたら新書やら学術書やら何やらで書いてみようかなという気持ちすら出てきました。伝統芸能の解説本とか奥が深くて楽しいんですよね。
本の紹介って永遠にできますね。