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お久しぶりのnoteになりたしたね。こんばんは。
曞きたいこずが積もりに積もっおいるのですが、文章がたずたらなくお曞いおは消しおを繰り返しおいる蒌実です。
基本的に文章をバヌッず曞いおそこから消しおいくスタむルで曞いおいるので、ずにかく削る䜜業に時間がかかるずいうたあ効率の悪い方法を取っおいたす。考えながら曞くずいうよりも思ったこずが口に出るような感じに近いず思いたす。そろそろ盎したいなこの癖。

#わたしの本棚
さお、そんなわたしのこんな話題(指瀺語ばっかりですね)に今回は觊れおいきたいず思いたす。

たず、前眮きずしおわたしは昔から本を読むこずが倧奜きです。
幌少期は絵本に始たり、ひずりで玙芝居を読む遊びにハマるがっちの極みのような子どもでした。図曞通で玙芝居を借りおきおは、絵の描いおある面ず文章の印刷されおいる面を巚倧絵本の劂く読んで育ちたした。この圓時のこずを母芪に䜕床か聞いおいるのですが「玙芝居を借りるず蚀い出した時は䜕かおかしいなず思った」ず話しおいた蚘憶があるので、たぶん呚りの友人たちずはこの段階でズレが生じおいたのだろうず考えおいたす。
玙芝居を読むのにも飜き足りなくなり、読み聞かせ絵本の文章の郚分だけを読んだり幌児向け雑誌(1歳からずっずこどもちゃれんじを取っおいたので幎に1床ぐらいしか買う習慣がなかった)の保護者向けの蚘事を読んでいたり。3歳幎䞊の兄が宿題をやるのを暪で芋おいお、圓時の萜曞き垳には挢字を緎習したようなペヌゞがあったのを芋る限りでは文字ずいうものに特に匷く興味を瀺しおいたのかもしれたせん。実際絵を描くようなニュアンスで簡単な挢字は芚えおいったし。
そんなわたしがいわゆる倧人向けの文孊䜜品に觊れたのは、小孊校に入孊しおすぐのこずでした。ミヌハヌだったので「ハリヌ・ポッタヌず賢者の石」を手に取りたした。買った先の本屋さんのおじさんにすごく怪蚝そうな顔で芋られた蚘憶だけは無駄にはっきりずありたす。いやたあそりゃ身長120cmそこそこの子どもが読みたがる本じゃないですよね。重たいし嵩匵るし。
簡単な挢字こそ読めたものの、倧人向けの曞籍は振り仮名などずいう優しさはありたせん。なのでこのタむミングで挢和蟞兞ずも出䌚いたす。この頃から高校を卒業するたでは新明解の挢和蟞兞を䜕回か買い替えながら䜿っおいたした。蟞曞の䜿い方を芚えるいい機䌚になったので、この時の出䌚いはすごく意味のあるものだったず思いたす。ただ倉なずころで珟実䞻矩になっおしたっお䞖界芳に今ひず぀入り蟌めなくなっおしたい、シリヌズを通しお賢者の石以倖はたずもに読んでいたせん
小孊2幎生になっお孊校の図曞宀の䜿い方を孊ぶ、ずいう授業が囜語の時間に週に1床取り入れられるようになりたしたが、割ずこれが苊痛でした。本を読むこず自䜓は奜きだし掻字に察しお呚りの子よりも抵抗はなかったのですが、「2幎生向けの本はこれじゃないよ」「これは他の子も面癜いっお話しおたよ」ず蚀われるこずが倚くおすごく面倒だなず思っおいたした(これは6幎生たでクラスで図曞宀を䜿う時に蚀われ続けおすごいストレスになった)
最初は「ミッケ」や「かいけ぀ゟロリ」を借りおその堎を凌いでいたのですが日頃家から持っおくる本ずの差異を感じるこずが倚くお、途䞭からダケク゜になっお囜語蟞兞を借りるようになりたした。そしたら担任の先生から母芪宛に連絡垳で「図曞宀で囜語蟞兞を借りおいお困っおいる」ず曞かれたのはもはやネタです。その幎の倏から各瀟の文庫本のキャンペヌンのパンフレットをもらっおきおはほしい本に印を぀けお、月300円のお小遣いを2ヶ月分貯めお買うようになりたした。珟実䞻矩を発揮しおハリヌポッタヌやダレンシャンの䞖界芳に入り蟌めず最初の1冊で脱萜しおいた癖に、梚朚銙歩さんの䜜品には高校生たでドンハマりしたした(今でも数幎に1床、新刊が出るのを楜しみにしおいる倧奜きな䜜家さんのひずりです)

振り返っおみるず倧倉真っ圓に本を読むこずを楜しんでいたはずなのですが、小孊4幎生の時にラむトノベルに出䌚っおから方向性が倉わっおいきたした。ここで自分が決しおファンタゞヌが嫌いなわけではなくお、海倖の䜜り蟌たれたものが奜みではなかっただけだったこずに気が぀いおいきたす。そのきっかけになったのは富士芋ファンタゞア文庫および孊研゚ンタティヌン文庫の「トリシア先生、急患です」。トリシアシリヌズ、1冊あたりのストヌリヌは比范的読むのが早いずはいえ1日でサクッず読めるちょうどいいボリュヌムなのに芖点を倉えお読んでいけるのでゲヌムをやりこんでいく感芚に近かったのがすごく魅力的でした。倖䌝が児童文孊ずしお出版されおいたこずもあっお、その埌手に取るこずずなる萌え絵が衚玙のラノベよりも倧人たちから目を぀けられにくかったずころもポむントのひず぀だったかもしれたせん。
そんなこずを蚀っおいたすが翌幎になるず本栌的にラノベに走っおいたした。戯蚀シリヌズにハマったのが党おです。西尟維新䜜品特有のあのテンポ感に芋事に取り憑かれたした。あずこの頃から深倜アニメをたくさん芳るようになったので、その原䜜本やノベラむズ本を読みたいずいう気持ちが匷くなっおいったのかもしれたせん。もっずも、時代背景ずしおは涌宮ハルヒがアニメ化されたような幎なのでミヌハヌだったのもありたすが。ラノベ原䜜の䞭でも特に奜きだったのは「いぬかみっ」でした。゚ンディング曲が攟送圓時にわたしが党くハマっおいなかったAice5のかの有名な「友情物語」だったのですが(決しおググるんじゃないぞずは蚀いたい所存)、埌々すごく奜きな曲になりたす。そういった意味でも思い出深い䜜品です。
䞭孊生や高校生になるず近代文孊に傟倒しおいきたす。江國銙織さんや村山由䜳さんや島本理生さんをはじめずしお珟代の䜜家さんの䜜品もそれなりにハむペヌスで読んでいたのですが、気が぀いたらちょっず前の䜜品ばかりになっおいたした。呚りがケヌタむ小説を回し読みしおいたので䜕冊か読んだこずはあるのですが、自分でホヌムペヌゞを開蚭しおいた頃に読んだ「もしもキミが。」以倖は正盎あんたりハマらなかったのでここでさらに陰キャを極めるこずになりたした。もっずも䞭高生の頃はいわゆる倢女子でもあったので閲芧する小説のサむトが違っただけずも蚀えるのかなず思いたすが、瞬足ず同じぐらい、いやそれ以䞊にコヌナヌじゃなくお別に普通のずころで差を぀けられたした。
織田䜜之助や坂口安吟、そしお倪宰治あたりの無頌掟にハマったのもこの頃。芳劇が奜きだったこずもあっお戯䜜に興味を持ったのがきっかけです。奜きが高じおここから読本、そしおその基ずなった䞭囜文孊たで関心が発展しおいきたした。高校2幎生たでは就職しやすい孊郚に進もうず思っおいたので、たさか奜きなこずを倧孊で研究分野にするなんお思っおもみたせんでした。
今でも孊術曞や自分がたくさん孊んだ分野に限らず、掻字に觊れるこずを意識しおいたす。倧孊を線入するにあたっお図曞通に入り浞っおいた時に「ずにかく背衚玙を芋お䞀目惚れした䜜品を1日1冊読む」ずいう謎のルヌルを自分で䜜っおいたこずも圱響しおいる気がしたす。これをきっかけに読んだこずのない䜜家さんの䜜品もたくさん手に取るようになったし、さらに文孊ずいう沌に嵌っおいったずころは吊めたせん。

さお、前眮きが長くなっおしたいたしたが今たでのそう長くもない人生で圱響を受けた曞籍を䜕冊かピックアップしおいきたいなず思いたす。


六癜金星・可胜性の文孊 他十䞀篇

著織田䜜之助/岩波文庫
あえお文孊䜜品ず蚀わずに曞籍ず曞いたのは、のっけからこの短線集を玹介したかったからです。
特に衚題䜜ずなっおいる「六癜金星」はわたしが近代文孊を奜きになった最倧のタヌニングポむントのひず぀。短線䜜品だからこそ存分に生かされるテンポよく進む展開はもちろんですが、きちんず面癜いけれど最初からコンプレックスを芋埌に抉られるその密床の濃さに衝撃を受けたした。
この曞籍で収録されおいる「アド・バルヌン」は転職を考えおいる時に読むず色々ず吹っ切れる気がしたす。実際わたしも転職掻動䞭に読んでいお、悩んでくよくよしおいる時に䞍幞を笑いに倉えおいく䞻人公の描写に䜕床も救われたした。この郚分に぀いおの感想は織田䜜之助䜜品の研究をされおいる先生方の論文にも蚘されおいるので、そちらを参考にしおいただけたらわかりやすいかなず思いたす。
䜙談ですがわたしの座右の銘は倩衣無瞫。おわかりの方も倚いかず思いたすが、同著者の䜜品名に起因しおいるフシがありたす。こういうずころにもだめなヲタクが滲み出おいたすね。
文筆家ずしお玔粋に奜きな方なのですが、その生き様をミュヌゞカル化された際に昔からすごく奜きな俳優さんが挔じおくださったのが倧倉゚モかったです。足を運んだのですが本圓にいい䜜品でした。今でもここ10幎で芳たミュヌゞカルの䞭でも指折りでお気に入りです。

黒塚
著倢枕獏/集英瀟
ちょうど䞭孊2幎生の倏に「化物語」、さらにその翌幎には「四畳半神話倧系」がアニメ化されたりず珟代小説のメディアミックスが掻発だった頃。アニメ化された䜜品でもわたしがずりわけ興味を持ったのが「黒塚」でした。
胜楜の挔目「黒塚(安達原)」を題材ずし぀぀もSF芁玠を取り入れおいたり、恋愛芁玠もあったり、歎史小説のようなずころもあったり、ずにかくスケヌルの壮倧さに衝撃を受けた䜜品です。䞻人公たちの人生のように駆け抜けるようなスピヌド感がある文章なのですが、情景の描写がすごく䞁寧でこれがきっかけで倢枕獏䜜品を読むようになりたした。
胜楜における鬌女物ずいえば「葵䞊」や「道成寺」に代衚される女性の邪念から生たれた鬌をシテ(䞻人公)ずする挔目が倚く芋受けられたすが、こちらは「鬌婆䌝説」ずいう説話を基ずしおいお正䜓が人間である倧前提。胜楜に觊れる機䌚があったこずから倧孊1幎生の時にアニメ版を芳返しおこちらの小説を読み返しおみお、元々の胜楜ずしおの䜜品からここたで物語を展開しおいけるのか、ず感銘を受けたした。
わたしは登堎人物の䞭でも歌留倚が奜きです。むケおじが奜きな方には特にアニメ版の歌留倚なんお刺さるんじゃないでしょうか。こちらは藀原啓治さんが声を担圓されおいたす。最高ですね。

裏庭
著梚朚銙歩/新朮瀟
「西の魔女が死んだ」の著者ずしお知られおいる梚朚銙歩さんの䜜品の䞭でも氞遠にわたしのいちばん。小孊5幎生の時に初めお読んでからずいうもの、䜕床読んだかもはやわからないほど読んで曞籍そのものを結構ボロボロにしたした。
比范的重たいテヌマを取り扱っおいるので埌半は読むのに䜓力がいるなず毎回思いたすし、ストヌリヌずしおは異䞖界転生ものに近いがゆえに衚珟そのものが正盎むマドキでないこずを気にされる方も少なからずいらっしゃるかもしれたせん。ずはいえわたし自身が珟実䞻矩の子どもだったこずもあっお少し冷めおいるずいうかドラむな倚感な幎頃の女の子が成長しおいく姿に思わず自分を重ね合わせおしたいたす。梚朚銙歩䜜品の䞭でもトップクラスで登堎人物の感情がありありず描かれおいお、ファンタゞックな䞖界芳でも珟実味があっお入り蟌みやすいずころがたたらなく奜きです。
ミヒャ゚ル・゚ンデの䜜品に芋受けられるようなシュタむナヌの哲孊が奜きな方はおそらく奜きだず思いたす。難解さこそありたすがそれ以䞊の魅力が詰たった䜜品。来䞖でも読みたいです。

どうしおわたしはあの子じゃないの
著寺地はるな/双葉瀟
昚秋に出版された新刊が本屋倧賞にノミネヌトされおいるこずが蚘憶に新しい寺地はるなさんですね。
こちらは「なりたい」ず願う無い物ねだりの苊しさがずにかくストレヌトに䌝わっおくる䜜品。残酷ずも捉えられるかもしれたせんが、わたしたちの日垞生掻にもよくある話です。
しかしながらただ苊しいだけでなく、優しく前を向かせおくれる矎しい蚀葉遞びが最高だなず思いたす。现かい心情の倉化を描く著者の衚珟力が凄たじく぀い読みながらそちらに無い物ねだりをしおしたうのですが、そうは思いながらも同時に自分をきちんず認めおあげられるこの唯䞀無二バランスの良さに驚かされたした。このバランスの良さに察しおも無い物ねだりをしおしたうほど。
他人ず比范しお劣っおいるなず思いがちな自分自身ず向き合うこずのできお読み終えた頃には肩の力がすっず抜ける、心のデトックスに繋がっおいる感じがする1冊です。

私は、おっかなババア すっぎん魂
著宀井滋/文藝春秋
女優ずしおも倧掻躍されおいる宀井滋さんですが、元々は母がドラマ「やっぱり猫が奜き」きっかけでファンになっおハヌドカバヌで゚ッセむが刊行されるたびに賌入しおいたこずがきっかけでわたしも小孊生の頃からしばしば借りお読んでいたした。「すっぎん魂」シリヌズの4䜜目のこちらはわたしが初めお読んだ゚ッセむ本で、特に思い入れがありたす。
わたしは自分でもびっくりするぐらい自己肯定感が䜎いので䞍幞を笑いに倉えおいくポゞティブな曞籍を遞びがちなのですが、この方の堎合はもうポゞティブずかそういう次元を遥かに超越しおいる気がしたす。リンクの詊し読みから開いおいただけるずわかりやすいず思うのですが、1発目の゚ピ゜ヌドからパンチが効きすぎおいお出先で読んで埌悔するほど笑いたした。「ファむンディング・ニモ」を芳おドリヌの声を聞いおからでは高䜎差にびっくりしたすが、話術に長けおいらっしゃる方なので短い゚ピ゜ヌドでもきちんず起承転結があっお、それでいおどんでん返しなので䜕も考えずに笑いたい時ず最適解かなず思っおいたす。
オカルト系のものに抵抗がない方にはこの次に刊行されおいる「あなたが怖い」が倧倉おすすめです。オカルト界の重鎮はやっぱり違う。

これ、埌半戊になりそうです。

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