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桜井酒店巡礼の旅 in 京都(1/2)

※本記事は「桜井酒店巡礼の旅-導入」を前提としています。まだ見てない人はこの先を読んでも意味不明だと思うので、まずは↓の導入から見ることをおすすめします。


はじまり

旅の計画

2023年のGW直前、Linは実家の神戸に帰るついでに関西圏の桜井酒店巡礼の旅を進めておこうと考えていました。
関西圏の桜井酒店は大阪と京都の2か所、ともに2店舗存在していると情報があるのですが、GWで他の予定も入っていたので2か所を回る余裕もなく、どちらか1か所に絞って1日で回るようにする必要がありました。

そんな中で、Linは以前にTwitterで知り合ったギター製作仲間(京都在住)から「うちに遊びにこいよ!」と誘われたのをふと思い出す。

「せっかくだし、行くか京都…」

実はLinが大学生の頃、佛教大学という京都の大学に在籍し、そこへ通うために京都市の中区にアパートを借りて約3年ほど一人暮らし(4年目からは実家から通い)をしていた程度には京都に縁があったりします。
コロナが流行りだしてから卒業式も開催されることもなかったし、それから一度も足を運んでいなかったので、この機会に京都で中途半端に終わった学生生活を一度清算する目的でもこの旅をすることになりました。

※突拍子もなく決めたように見えるし、早めに旅を終わらせたかったというのも間違いないですが、このタイミングにしたのは実はちゃんとした理由があり、お盆休暇も年末年始休暇も実家に帰る予定でその時にも京都に訪れることはできたのですが、京都の夏は灼熱で冬は極寒なのをLinは知っているのでそれを避けるという目的もあってGWの時期を選んでいます。

北側の桜井酒店

いざ京都

そして出発当日の2023/5/3。
桜井酒店2店舗+αのそこそこの距離を1日で回り切るには早朝に出発するほかなく、8時前には実家から出ました。

自転車で実家から三宮まで漕いでいき、その後阪急電車に乗って神戸三宮〜十三〜西院のルートで京都へ。

9:15分頃、西院着。

到着後、飲み物を買いつつ今回の旅の足となるシェアサイクルの自転車を取りに行き、ここからやっと本当の意味での本編スタートです。

思い出の味と桜井公園と

西院駅から緩やかな坂を上りながら北上し、北野白梅町の交差点を東の方へ進んでとりあえず元北小路町へ行くことに。

西院駅~桜井公園

というのも、この元北小路町一帯がかつてLinが一人暮らしをしていたアパートのある場所で、その向かいにはほぼ毎週末パンを買っていた常連のベーカリー「Le petit mec」があるのです。
今回せっかく京都に訪れたのだから久々に思い出の味ともいえるそこのパンを食べたいなと思って足を伸ばしました。

そしてパンと(近くのスーパーで)コーヒーを買い、付近の公園で一休み。

※お店についての記述はこちらへ分割→「Le petit mec

一息ついたところでそろそろ行こうかなと出発の準備をし、自転車を公園の出入り口まで押して乗ろうとした瞬間…

「そういえばこんなところに公園があったなー」と思い出しながらなんの情報も持たずに中へ入っていったので、思いがけず「桜井公園」の看板を偶然見つけてしまって記念撮影をしました。

あとで知ったのですが、この公園のある場所が「桜井町」という地域で、そのままそれに関連して「桜井公園」という名前になったかと。
歩いて数分のところに住んでいたのにも関わらず、いつも近くを通りかかるだけで恥ずかしながらずっと公園の名前も知らなかったのですが、3月下旬になるといつもきれいな桜が咲いているのがとても印象的で、あまり人も多くないのでお花見スポットとしてけっこう穴場のような気がします。
(写真がなくて申し訳ない…)

と、気を取り直して今度こそ出発。
桜井公園を北上して行き、先に桜井酒店へ行こうかなと考えたのですが、とりあえずもう目的地の再北端にある母校(佛教大学)へ訪問しておこうということになりました。

桜井公園~佛教大学

久々の母校

桜井酒店を横目に通り過ぎ、舟岡山に沿うように西へ。
そして千本北大路の交差点から北への道に。バスに乗ろうが自転車を漕ごうが登下校するときは毎回通っていた道です。

「あー、懐かしいなー」と思いつつ傾斜がどんどんきつくなってくる坂に苦戦しながら自転車を漕いで母校に到着。

そんなイケてた大学生活でもないし、バイトばっかしていて他の人と関わりも薄く、何のために大学へ行ったんだというぐらい大したことはしなかったのでそんなに思い出もなかったですが、改めて母校に訪れるといろいろと思うことがありますよね。
そんな感じで色々と思い出しながら久々に大学構内を散策してどこかで知ってる人にばったり会わないかと期待して軽く休憩。

そしてプロ野球選手の大野雄大が佛大卒ということにびっくりする。

最初の桜井酒店へ

正午も近くなり、そろそろ行こうかと自転車を回収して桜井酒店へ。
さっきまでとは一転して下り坂続きなので足取りも軽く、気持ちのいい風が体に当たる。

さっき通ったところではあるのですぐ到着、なのですが…

こういうことはまぁ、ある程度想定はしていました。
酒店なんていうと、いつ潰れてもおかしくない(失礼)こじんまりとした個人商店(失礼)だと考えていたので、むしろイメージ通りです。

ただ、店の外に物が置かれていて、中のカーテンの隙間から微かに光が漏れているので少なくともこの桜井酒店は潰れていないとは確信していました。
とはいえ店が開かないにはどうしようもないし先を急ぐので次に京都に来たタイミングでまたここに訪れるとして、この場はとりあえず記念撮影ぐらいしておこうとギターを取り出し何枚か写真を取ったそのとき、ご近所のおば様が家から出てきてこちらに気がつき近づいてきました。

ギターのことを説明するとおば様はかなり興味を示してくれて、店主に会わせたいなんて思ったのでしょうか、ドアをこじ開けようとまでしてくれました。
ただ、鍵がかかっていたので当然開くこともなく、店主の名前を呼んでも反応はありません。

「~さん首を痛めたみたいでねぇ、最近よう閉めとるんよ~。せっかく来てもらったのに残念やねぇ。」

とのことなので惜しみながらも感謝の意を伝え、おば様とは別れて南側の桜井酒店へ向かうことにしました。

南側の桜井酒店

有名ラーメン店で腹ごしらえ

気づけば時間はもう正午過ぎ。
桜井公園でパンを食べたとはいえ、坂を上り続けているとさすがにお腹が減ります。
どこで昼ご飯を食べようかなとちょっと考えてみると、大学時代に何回か行ったお気に入りのラーメン屋「麺匠 たか松」が思い浮かんだのでそちらへ向かいました。

北側の桜井酒店~麺匠 たか松 本店

最初は本店の方へ行きましたが、行列ができてて時間的に待てないので近くの四条店へ向かいました。
そっちも行列はできてはいたのですが、数人程度のぜんぜん待てる人数だったのでここで食べることに。

※お店についての記述はこちらへ分割→麺匠 たか松

伏見への道のり

久々のつけ麺を堪能したあとはすぐ店を出て先を急ぎました。
南側の桜井酒店へのルートはたか松からそのまま南下する方が近いのですが、朝に西院駅に着いた時点でコインロッカーに荷物を預けており、それを回収する必要があったので一度西院駅にまわって荷物を取り、そこから南東に向かって進むという遠回りルートになりました。

麺匠 たか松 四条店~西院駅~kotobike伏見寺田屋西ポート

電車で行けばよかったんじゃないのかともう一人の自分の声が聞こえましたが無視して自転車を漕ぎ続けました。
電車は確かに早いのですが、それだと出発地と到着地以外周りの風景を直接楽しめないという点があるあたり、京都に住んでいたのに京都駅から南側に行ったことのない人間にとって自転車移動はよかったなとは思います。

まぁ、本音を言うとたったの数百円の交通費をケチっただけなのですが。

時間がなさすぎてあまり写真をお撮れなかったのは残念ですがこんな感じで京都の風景も楽しみながら進んでいきました。

たまたま任天堂の本社なんかにも通りかかったり。

任天堂本社

道中下り坂は多少あったとはいえ、かなりの荷物で長距離を走ったので鴨川を越えているあたりで足、特に太ももに疲労がどんどんたまっていってるのがわかりました。ただそれでもこんなところでギブアップしたところで救いの手は来ないし、借りてる自転車はどうするんだと考えてると、こんなところで弱音を吐いている場合ではないとペダルをこぎ続けました。

ついに到着、しかし…

そしてなんやかんやで今回利用したkotobikeのポートに到着。
桜井酒店のすぐ近くにポートがあったのもこのサービスを利用した理由だったりします。

kotobike伏見寺田屋西ポート~南側の桜井酒店

自転車を返却後、足の痛みに耐えながらも桜井酒店を目指して疾走しました。このときは先を急いでてあまり周囲を細かく見れていなかったのですが、どうやらこの一帯(というか伏見区全体)は酒処として有名な場所のようで、紙コップを手にした観光客がチラホラいました。
なかなか風情のある町並みであの月桂冠や黄桜といった有名な酒蔵もこの付近にあったりします。
日本酒好きな人は京都に訪れた際に伏見稲荷大社の観光ついでに行ってみてもいいかもしてませんね。
(参考情報:伏見酒造組合HP

そんなこんなで桜井酒店に到着、なのですが…

看板もなく、あまりにも閑散としていたのでお店(の跡地)に気づかずに見過ごしてしまいましたが、マップのピンの位置と照らし合わせてここだと確信。
廃業に関する張り紙等もなかったので少しは動揺しましたが、シャッターと門が閉まっているし何よりも看板が取り外されているのですぐ状況を飲み込めました。

Google mapのレビューからの情報ですが、かなり古くからある店舗らしいです。

先述のように酒処として有名な伏見の中に店舗があるので、少なからずそことも関わりはあったはずだとは思いますが、それでも閉業という結末に至ってしまったようです。
経営難以外にも跡継ぎがいないことなども考えられるのでこれ以上は何とも言えません。

兎にも角にも店が廃業してしまっていては何の情報も得られないのでギターを取り出し、記念撮影ぐらいしといてお店をあとにしました。

もう初回の旅から2店舗ともこんな調子だとこれから先が思いやられます…。

現代において(個人経営の)酒店、酒屋という業種に後継者がいないということも含めてそれほど需要がないのかという風にも思いましたが、ここらへんの深い話に触れられるのはまた先のことになります。


次回→桜井酒店巡礼の旅 in 京都(2/2)

余談:今回利用した飲食店

Le petit mec 今出川店

京都発でかなりフランスに近いスタイルのパンを出しているベーカリーで、この今出川店が本店だそうです。

Linがよく通っているこの店舗は今まで土日祝しか空いておらず、本店ということもあり営業日になると店の外まで行列ができていることもよくありました。
(向かいのアパートに住んでいたのでベランダから込み具合をチェックしていたりも…)
ただ、この記事を書く際に店舗について調べたらどうやら2022年5月から全日営業になったとのこと。
となるとGW中の営業にも関わらずそれなりに空いていたのもなんとなく納得できますね…

フランス系のベーカリーということもあり、クロワッサンはもちろんのこと、定番のハード系やあまりなじみのないものもあったりします。

Le petit mecのパン①
Le petit mecのパン②
Le petit mecのパン③
Le petit mecのパン④

どのパンもおいしいですが、その中でもクロワッサンとパン・オ・ショコラ、ブリオッシュがお気に入りでよく買っていました。

バターが薫る外パリ中もちのクロワッサン。
そこに甘くもほろ苦いチョコが挟まれたパン・オ・ショコラ。
卵のコクを感じるふんわりとしたブリオッシュ。
もはや思い出の味です。


【店舗情報】
・Le petit mec 今出川店
住所  :〒602-8448 京都府京都市上京区元北小路町159
営業時間:8:00~18:00
定休日 :なし

公式サイトより

麺匠 たか松

こちらはLinが大学4回生になり、実家から大学へ通うようになってから数回行っていたお店です。
大学帰りの夕飯につけ麺が食べたいなとネットでラーメン屋を探したときに見つけたお店で当時は蛸薬師通にある本店によく行っていました。

結構な人気店で、今回訪れた際も本店はそれなりに行列ができていました。

じゃあもう1店舗、四条店の方はどうかと思いそちらへ向かうと同じく行列ができているものの数人程度だったのでこの店舗に決めました。

つけ麺とラーメンの2つがメインですが、Linのイチオシはつけ麺。
キンキンに冷えた香ばしい全粒粉の麺はコシと甘みがあり、歯ざわりもよくてそのままでも十分おいしいです。その麺が鶏と魚介という珍しい組み合わせの濃厚なつけ汁によく合うし、一緒についてくるすだちや玉ねぎ、卓上調味料でどんどん味変していけるのも大きな魅力です。麺特盛でも余裕で食べきれちゃいます。
最後は残ったつけ汁に割り出汁とあおさを加えれば最高の〆になります。

ちなみに卓上調味料に原了郭の黒七味なんか置いていたりも。

公式オンラインショップより)

(この黒七味を置いている店はいい店だと個人的には思っています。今のところたか松と神戸のとあるラーメン屋さんしか見かけたことないです。)

【店舗情報】
・麺匠 たか松 本店
住所  :〒604-8146 京都府京都市中京区一蓮社町312
営業時間:11:00~23:00(22:30 L.O.)
定休日 :年末年始

・麺匠 たか松 四条店
住所  :〒600-8091 京都府京都市下京区東洞院四条下ル元悪王子町39-2
営業時間:11:00~23:00(22:30 L.O.)
定休日 :年末年始

公式サイトより

余談2:今回利用した交通手段

阪急電車

Linが地元(神戸)から京都へ向うのによく使っている交通機関です。
直通で行けるJRと比べて神戸線から京都線への乗り換えと所要時間が余計にかかるというデメリットがあるにせよ、阪急電車の区間内で使える株主優待切符が金券ショップで420〜450円で買えるという大きなメリットが存在しています。
※阪急電車通常料金→神戸三宮〜河原町:640円
※JR料金→三ノ宮〜京都:1110円

通常料金でいったとしてもJRよりも圧倒的に安く往復できるので京都へ行く際はよく利用しています。

kotobike(シェアサイクル)

今回、京都市内の移動にメインで利用したのは「kotobike」という自転車のシェアサイクルサービスでした。
京都市内であれば各地に駐輪場が存在しており、料金体系としては短時間利用向けで時間加算方式の一時利用と一定時間利用向けの時間制パスが存在しているので、場合によってはバスや地下鉄よりも安くなります。

料金体系(公式サイトより)

GW真っ只中な上にギターを背負っての旅だったので交通機関の人混みや待ち時間を避けるため、また交通機関を利用した場合の概算と料金比較した上で当サービスを利用しようと決めました。
かなり重めギターを背負いつつの自転車移動28kmは肉体的にかなり無理をして(3日間筋肉痛を引きずるぐらい)しまいましたが、なんとか時間までに予定を済ませられたのと、何よりも京都市の町並みや景色を見ながら上京区から下京区を縦断できたのはとてもいい経験だったなと今は思います。

通行や駐停車にさえ気をつければ京都観光での交通手段としてシェアサイクルを選択肢に入れるのも十分ありです。

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