AI時代にコンサルタントは必要なのだろうか?
2000年頃は、どうやってコンサルティングの案件を増やそうかと考えていましたが、2024年の今、真逆になりました。どうやってコンサルティングを減らそうかということを考えています。
誤解のないように説明すると、人間が行うコンサルティングを減らすという意味です。これには理由があります。
弊社が営業コンサルティングを提供している目的は、クライアントの営業チームが継続的に営業目標を達成することを実現するためです。そのための手段としてコンサルティングを行っているというだけです。ですから、コンサルティングよりも成果が確実に出る手段があればそれでもOKです。私は常にそのスタンスで事業に取り組んできました。
ですから、「あれもこれも手を出す軽い人間」「一貫したポリシーのない人間」「新しいものにすぐ手を出す人間」だと思われていた節があります。
このような評価は若い頃から変わりないと思います。
創業して23年が経ちましたが、数多くのクライアントと接するなかでわかったことは、営業コンサルティングを行う前に「営業ティーチング」を行う必要があるということです。しっかりと体系的な営業ロジックと営業の全体図を提示して、営業マインドと営業スキルを理解してもらうことが先決です。
また、ここ10年でオンライン講座をはじめとした、独学の教材が激増しました。たとえば、「ストアカ」「udemy」などオンライン講座のプラットフォームが多数登場したことにより、学びが大変手軽になりました。
そして、オンラインセミナーやオンライン講演も当たり前の世の中になりました。つまり、その気になれば、いつでも、どこでも学ぶことができるといいうことです。
さらに、生成AIが普及してきたので、いかにしてAIに営業ティーチングを任せられるかということが大きな課題です。弊社では、営業コンサルティングの補足として営業ティーチングの動画を100本以上提供しています。
また、ChatGPTの「GPTs」とGoogleの「notebookLM」を使い、これも営業コンサルティングの補足として、営業マンの困りごとや課題に対するChatbotができるようにしています。
このように、いかにしてティーチングやコンサルティングに人手を使わずに自動化できるかに取り組んでいます。弊社の考えは、クライアントがしっかりと成果を出してくれればいいのです。そこが目的ですから。
そこで重要になってきたのが、私たち人間の役割です。
弊社では、ティーチングやコンサルティングの比重を減らす一方で、ロープレと同行営業を増やしています。ロープレに関しては、生成AIを相手にしてもできますが、口頭だけのやり取りになります。実際の商談は視覚情報が加わりますから、やはり生成AIが相手では限界があります。ですから、私たちコンサルタントが相手をして、しっかりとフィードバックを行うことが重要です。
また、営業ロジックの理解は、実際の商談で実践されなければ意味がありません。ですから、商談に同行して確認・フィードバックをする必要があります。ロープレとはまったく違う展開になることの方が多いので、同行営業は大きな意味を持ちますが、ほとんどの上司は同行営業などしません。
つまり、現場のことを知らずに部下にアドバイスをしているのです。多くの営業リーダーや営業マネージャーがプレイングマネージャーなので、上司も自分の営業目標で手一杯です。これが、中小企業の現実です。
そこで、私たちコンサルタントの登場です。
しっかりと同行営業を行って、フィードバックをします。また、私たちがリードして商談を進めることも度々あります。実は、これが一番勉強になるといっても過言ではありません。やはり、お手本や見本を実践で体験することに勝る教材はないのです。まずは、マネから入ればいいのです。
しかし、社内には部下を教育できる営業マネージャーがいない、というケースが非常に多くあります。つまり、お手本や見本となる上司がいないのです。これでは、部下は育ちません。そこを私たちがサポートします。
こうなるとトレーナーに近い存在です。
残念ながら、中小企業ではまだまだ営業に対する教育が不足しています。
経営者が営業という職種に対する価値が低いと、今だに昭和時代の営業をやり続けています。
また、老舗であればあるほど、昔ながらの営業文化を引きずっているのが現実です。ですから、ベンチャー企業の若手営業マンの方が2倍も3倍も営業ロジックを知っていますし、属人化を回避する仕組み化ができています。これは、コロナ禍真っ只中のオンライン商談で明らかになりました。同じ年齢の営業マンを比較すると、ベンチャーと老舗では、マインドもスキルも段違いというケースもあります。
おそらく人類史上最大の発明であろうAIというツールを手に入れた私たちは、それを使わない手はありません。AIを使うことによって効率化はもちろんですが、仕事の質も高くなります。そして、人間が関わる部分は、体力や労力を使い汗をかく仕事、感情や感性が重視される仕事になるでしょう。
弊社では以下のような取り組みをしています。
冒頭の話に戻りますが、AIに任せられる仕事は任せることによって、ティーチングやコンサルティングなど人間が関わることが激減します。その代わり、人間がタッチしなければいけない、ロープレや同行営業を増やすことで、継続的に営業目標を達成できるスピードを早める=営業マンの短期育成に取り組んでいます。