EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by …

EBIS世界の最新健康・栄養ニュース

栄養・運動・休養という健康のための3つの柱に関する海外の研究情報をお届けします by ながさご

最近の記事

生涯にわたるエネルギーと主要栄養素に関するガイダンス

「医食同源」を普及させようという拡大するキャンペーンの中で、ペニントン生物医学研究所のヘイムスフィールド博士はラトガース大学のスー・シャプセス博士と協力して、栄養豊富な食事を作る際に考慮すべき変数のマトリックスを発表した。 栄養摂取に関する推奨事項の長い歴史の中で、現在の研究は「医食同源」の概念、つまり健康とウェルネスをサポートする介入の中に食品と栄養を位置づける哲学に向かう傾向にある。ヘイムスフィールド博士とシャプセス博士による論文『生涯にわたるエネルギーと主要栄養素のガ

    • カロリー制限が加齢に及ぼす影響は複雑

      ヒトを対象としたカロリー制限に関する2年間の研究データを分析したところ、カロリーを制限した人々は対照群とは異なる速度でテロメアを失うことを発見した、という研究報告。ただし、研究終了時のテロメア長は両グループでほぼ同じであった。 研究者らは、全米レベルで実施された「CALERIE研究 (ヒトにおけるカロリー制限に関する初のランダム化臨床試験)」からの遺伝子サンプルを分析し、カロリー制限が人々のテロメア長に及ぼす影響を理解しようとした。テロメアの長さはヒトの細胞の加齢の速さを反

      • 日本人の乳製品摂取が食生活に与える影響

        日本人における乳製品摂取量と奇数炭素鎖脂肪酸(奇数FA)との関連性が明らかになった、という研究報告。この相関性は欧州やオセアニアでは以前に確認されていたものの、アジア諸国では研究が不足していた。 奇数FAは、偶数の炭素原子を持つ脂肪酸と比較して数が少ない。ヒトの奇数 FA の主な供給源は乳製品であり、主に反芻動物の胃内の微生物によって合成される。 「食習慣と脂質の相関関係を調査したデータベースを徹底的に調べた結果、乳製品の摂取量と奇数FAの関連性に辿り着きました」と研究者

        • 未来の食料生産戦略としての微生物食品

          KAIST(韓国科学技術院)の研究チームは、急激な人口増加と気候変動による世界的な食料危機に対処するために「微生物食品」研究の方向性を示唆する論文を発表した。 微生物食品とは、微生物を利用して生産されるさまざまな食品や食材のことを指す。微生物バイオマスは、乾燥重量当たりのタンパク質含有量が肉に匹敵し、二酸化炭素の排出量が最小だが、生産のための水もスペースも少なくて済むため、環境に優しく持続可能で栄養価の高い食料資源となることが期待されている。 発酵食品は、我々周りで最も簡

        生涯にわたるエネルギーと主要栄養素に関するガイダンス

          食生活の乱れとがんリスクをつなぐミッシングリンク

          不健康な食生活や管理されていない糖尿病において、ある化学物質の存在ががんのリスクを長期にわたって高めているかもしれない、という研究報告。 研究チームはまず、両親からがん遺伝子BRCA2の欠陥コピーを受け継いでおり、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高い患者を対象に研究を行った。 そして、そのような患者の細胞は、細胞がエネルギーを作り出すためにグルコースを分解するときに生成される化学物質であるメチルグリオキサールの影響に特に敏感であることを実証した。 研究では、この化学物

          食生活の乱れとがんリスクをつなぐミッシングリンク

          塩味スナックの大きさが消費量を変える

          個々のスナックの大きさは、ヒトがそれを食べる速さだけでなく、食べる量にも影響を与えるようだ、という研究報告。米国では 1 日のカロリー摂取量のほぼ 4 分の 1 が スナックによるものであるため、この発見は、食行動がカロリーとナトリウムの摂取にどのような影響を与えるかを、より深く理解するのに役立つ可能性がある。 研究チームは、プレッツェルのサイズが食事行動(全体的な摂取量、食べる量、一口サイズ、間食時間)にどのような影響を与えるかを調査した。75人の成人がこの研究に参加し、

          塩味スナックの大きさが消費量を変える

          世界中の水源で飲料水ガイドラインを超えるPFASを発見

          環境内のPFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の将来的な影響を我々は過小評価している可能性があるようだ、という研究報告。 PFASは、耐熱性、耐水性、耐油性、耐汚染性を持つ14,000以上の合成化合物のグループであり、1950年代から様々な製品に使用されてきた。しかし、PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、環境やヒトの体内に入ると分解されない特性を持つ。PFASは環境および健康問題、特にがんを含むいくつかの病気と関連があるが、その実際の規模

          世界中の水源で飲料水ガイドラインを超えるPFASを発見

          乳児の腸内微生物に独自の概日リズム:食事はほとんど影響なし

          赤ちゃんの腸内細菌叢には体外で培養された場合でも概日リズムがあり、生後2週間からこのリズムが現れ、年齢とともにより顕著になることがわかった、という研究報告。食事が腸内細菌叢の発達に与える影響は、これまで考えられていたほど大きくないことも分かったという。 「腸内細菌は非常に初期の段階から概日リズムを獲得することがわかりました。大人ではこのリズムが見られますが、いつから現れるのかは分かっていませんでした」と研究者は述べている。 また「食事は重要ではありますが、年齢の方がより大

          乳児の腸内微生物に独自の概日リズム:食事はほとんど影響なし

          ケトジェニック食は重症精神疾患を改善する

          ケトジェニックダイエットは、服薬を続ける精神疾患患者の代謝の健康を回復するだけでなく、精神状態もさらに改善するようだ、という予備的研究。この結果は、食事介入が精神疾患の治療に強力な助けとなる可能性があることを示唆している。 「通常の標準的な治療とは別に、何らかの方法で病気のコントロールを取り戻すことができるというのは、非常に有望であり、非常に心強いことです」と研究者は述べている。 研究チームは、4か月にわたるパイロット試験で、統合失調症または双極性障害と診断され、抗精神病

          ケトジェニック食は重症精神疾患を改善する

          社会的孤立は生物学的年齢差と高い死亡率に関連している

          社会的孤立を感じている人は、自分の実年齢よりも生物学的に高齢である傾向があり、様々な原因で死亡する可能性が高いようだ、という米国メイヨークリニックからの研究報告。この研究は、社会的なつながりが全体的な身体の健康と長寿に重要な役割を果たしており、健康の社会的決定要因の必要な部分として扱うべきだと提案している。 研究者らは、2019年6月から2022年3月の間に外来治療を受けた28万人以上の成人を対象に、社会的ネットワーク指数とAIによる心電図(AI-ECG)で推定された年齢差

          社会的孤立は生物学的年齢差と高い死亡率に関連している

          甘味料は食欲を増さないというランダム化比較試験の新たな証拠

          食品中の砂糖を人工甘味料や天然甘味料に置き換えても、空腹感は増さず、血糖値の低下に役立つことが、新しい研究で明らかになった。 二重盲検ランダム化対照試験によって、甘味料を含む食品を摂取した場合、砂糖を含む食品と同様に食欲やその関連ホルモン反応が低下し、血糖値の低下などのメリットが得られることが判明した。これは2型糖尿病の発症リスクが高い人々にとって特に重要である可能性がある。 砂糖の代わりに甘味料を食品に使用することに関しては、食欲を増進する可能性について矛盾する報告があ

          甘味料は食欲を増さないというランダム化比較試験の新たな証拠

          骨を強化する身体活動は、最も体力のない若者で最も低下している 

          骨を強化する身体活動のレベルは思春期に減少し、それは体力レベルが低い青少年の間で最も急激であるようだ、というフィンランド・ユヴァスキュラ大学からの研究報告。小児期から思春期の身体活動は、強く健康な骨を発達させ、維持するために重要である。 研究チームは、研究開始時に11歳だった思春期児童を対象に、3年間にわたる骨を強化する身体活動の変化を調査した。全ての思春期児童の間で骨を強化する身体活動レベルは減少したが、体力レベルの高い青少年の間ではより高いレベルが維持されていた。また、

          骨を強化する身体活動は、最も体力のない若者で最も低下している 

          孤独な脳に栄養を

          自分が孤独であると認識している女性は、特に甘い食べ物など高カロリーの食べ物の写真を見せられたときに、食欲や食べることへの動機に関連する脳の領域の活動が見られるようだ、という研究報告。不健康な食生活と精神衛生状態の悪さも抱えていたという。 研究者らは93人の女性を対象に、サポート体制と孤独感や疎外感について調査した。社会的孤立感の尺度で高得点をとった女性と低得点の女性の2つのグループに分けた結果、より高いレベルの社会的孤立を経験した女性は、体脂肪量が多く、食事の質が低く、渇望

          世界で10億人以上が肥満に直面している

          肥満は現在、ほとんどの国で最も一般的な栄養不良であり、1990年以降、男性、女性、子供、青少年のすべてのカテゴリーで肥満率が上昇しているようだ、という研究報告。成人男性の肥満率は1990年以来3倍近くに増加し、女性の肥満率も倍増した。小児の肥満率は4倍になった。 2022年の時点で、世界で約 8 億 8,000 万人の成人と約 1 億 6,000 万人の小児が肥満である。 研究チームは、一般集団の代表的なサンプルの身長と体重を測定した、2 億 2,200 万人の参加者を含む

          世界で10億人以上が肥満に直面している

          貧血ガイドラインのためのヘモグロビン閾値

          WHO(世界保健機関)の要請を受けて、1968年以来更新されていなかった貧血ガイドラインを改定するために、世界中のデータを分析し、年代別の新たなヘモグロビン閾値を設定した、という研究報告。 現在の WHOの貧血の定義は、50 年以上前に設定されたヘモグロビンの統計的閾値 (5 パーセンタイル) に基づいている。 研究者らは、新たなヘモグロビン閾値を定義するために、米国、オランダ、バングラデシュ、英国、オーストラリアなどの国々からの数十万人の健康な個人のデータを分析した。

          貧血ガイドラインのためのヘモグロビン閾値

          高齢者の座位時間を減らす介入は血圧を改善する

          高齢者の座って過ごす時間を1日30分以上減らす健康コーチング介入によって、血圧の有意な改善が見られるようだ、という米国カイザー・パーマネンテからのランダム化対照試験の結果報告。 この研究は、60歳から89歳のカイザー・パーマネンテ・ワシントンの会員283人を対象にランダムに2群に振り分けて行われ、結果は2024年3月27日に『JAMAネットワーク・オープン』誌に公開された。 高齢者は、起きている時間の65%から80%を座って過ごすことが多いが、座って過ごす時間が多いと心疾

          高齢者の座位時間を減らす介入は血圧を改善する