表情豊かな人は好感度が高く成功し易い
1,500件を超える自然な会話を分析した結果、人間は互いに絆を深めるために、より複雑な顔の筋肉の動きを進化させた可能性があることが示唆された、という研究報告。
研究の最初の部分では、研究者らは52人との半構造化ビデオ通話の参加者になりすまし、さまざまな日常のシナリオでの自然な反応と表情を記録した。
会話は、聞くこと、ユーモア、恥ずかしさ、葛藤など、さまざまな行動が含まれるように設計された。表情を抑制する能力をテストするために、参加者は、相手が動かそうとしている間、顔を動かさないように求められた。
その後、同じ被験者が、友好的に見える、威圧的に見える、嫌われずに反対意見を言うなどの社会的目標を達成しようとしているときの自分の顔を撮影した短いビデオクリップを録画した。
そして、170人以上の参加者にビデオ通話や録画の抜粋クリップを見せ、参加者がどれだけ「読みやすい」か、またどれだけ好感が持てるかを見るために、伝えられる感情や表情を評価するよう依頼した。
各参加者の顔の表情は、顔の筋肉の活動を測定する方法である FACS (Facial Action Coding System) を使用して計算された。
研究者らは、この発見をより大規模に検証するため、既存のデータセットから1,456人の見知らぬ人同士の台本のないビデオ会話の追跡分析を実施し、会話の相手がお互いをどれだけ好きかを評価した。
好感度評価は、FACS の結果やその他の認知された尺度と関連して分析され、研究者らは、表現力豊かな参加者は独立した評価者からも会話相手からもより好かれていることを発見した。
また、彼らは表情を読み取りやすく、社会的目標を達成するために顔の表情をうまく適応させることができることもわかった。
研究の報酬の支払いに関して参加者に不利な条件が提示された対立シナリオでは、交渉において同意し、表現力豊かな参加者がより良い結果を達成したことが判明した。
主任研究者のエイスネ・カヴァナ博士は次のように述べている。
「これは現実世界のやり取りにおける表情を調査する初の大規模研究です。私たちの研究結果は、顔の表情が社会的な成果に良い影響を与えることを示しています。表情豊かな人ほど、社交的なパートナーを引き付けたり、人間関係を築いたりすることに成功していることを示しています。また、対立の解決にも重要な役割を果たす可能性があります。」
出典は『Scientific Reports』
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