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異常気象で心血管系の健康が悪化する

極端な気温上昇やハリケーンなどの異常気象は、心血管疾患による死亡率と疾患発生率の増加に強く関連しているようだ、という研究報告。

研究チームは、気候変動に関連する環境ストレスと心血管疾患の間に関連があるかどうかを判断するために、492 件の観察研究の体系的なレビューを実施した。492件の世界規模の観察研究のうち、182件は極端な気温、210件は地上オゾンの影響、45件は山火事の煙、63件はハリケーン、砂嵐、干ばつなどの異常気象であった。研究は、高所得国30カ国、中所得国17カ国、低所得国1カ国からの結果だった。

解析の結果、極端な気温とハリケーンなどの異常気象が、心血管疾患による死亡率と疾患発生率の増加に強く関連していること、高齢者、人種・民族的マイノリティ集団に属する人々、および低所得地域の人々が不釣り合いに影響を受けていることが明らかになった。

こうしたリスクはしばしば数か月間続く。研究者らは、2012年にニューヨーク市だけで200億ドル近くの被害をもたらしたハリケーン・サンディに関する研究では、心血管疾患による死亡リスクは嵐の後12か月まで高いままだったと指摘している。

「気候変動はすでに私たちの心臓血管の健康に影響を及ぼしています。極度の暑さにさらされると心拍数や血圧に悪影響が及ぶ可能性があります。そして長期的には、気候変動によって農業生産性や食料供給の栄養価が低下すると予測されており、これも心臓血管の健康を損なう可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『JAMA Cardiology


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