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PV至上主義に陥らないマネタイズを。LINE NEWSが目指す、理想のエコシステム。

こんにちは。LINE NEWS/LINE Search採用PRチームです。LINE NEWS編集部、LINE校閲チームに続いて、採用チームも、LINE NEWS/LINE Searchのプロダクト企画に携わるメンバーやプロダクトにかける思いについて、発信しています。

今回ピックアップするのは、LINE NEWSの広告・マネタイズ領域について。サービスを続けていく上で必須となるマネタイズの仕組みを、LINE NEWSはどう捉えているのか。ユーザー、コンテンツプロバイダー、プラットフォーマーがいい形で関係性を持続していくために大切なことは何か。アライアンス領域(コンテンツプロバイダー、コンテンツを提供する媒体社と向き合うチーム)、編集領域、広告・マネタイズ領域を率いる藤沼正明さんに聞きました。

藤沼 正明(ふじぬま・まさあき)
スポーツ専門の出版社で経験を積んだのち、フリーランスの編集者、記者に。2005年ライブドアに入社。ライブドアがNHN Japan傘下に、NHN JapanがLINEとなり、自身もLINE所属へ。ライブドアニュースの事業責任者を担いながら、LINE NEWSに参加。現職は、ポータル&サーチカンパニー/カンパニーエグゼクティブとして、アライアンス領域、編集領域、広告・マネタイズ領域を管掌している。

― 本題に入る前に、藤沼さんの経歴について掘り下げてもいいですか。新卒で出版社に入られて、つまりは、コンテンツを提供するメディア側からキャリアをスタートされています。そこから、プラットフォーマー側に移るきっかけは何だったんでしょうか。

そうですね。私が雑誌の編集者、記者としてやっていた当時、インターネットが日本でも浸透し始めて数年経った頃だったと思いますけど、即時性の高いコンテンツはもう雑誌よりもインターネットの方が圧倒的に強いということは明白でした。さらに、紙ではなく通信で、ある程度は無料でコンテンツが消費されていく流れが定着しつつあるのを目の当たりにし、雑誌作りをしていた立場としては情報を消費する習慣が変わってきたんだなという危機感がありました。特に私は(速報性が求められる)スポーツ専門の雑誌を作っていたので、他ジャンルの媒体に比べると、変化や危機感をより早く、強く感じた部分はあるかもしれないですね。

その危機感に加えて、雑誌では読者の反応が直接的に分からない。個別に担当ページを作る仕事をしていると、その雑誌が「売れたか売れなかったか」だけで判断されるというのも、すごくストレスに感じていましたね。読者が求めているものを作れているのか、自分が作ったものに対して読者は満足したのか。インターネットが浸透しきった今後、どんなコンテンツが残り、ビジネスとして成り立つのか ― メディア側にいた自分が感じていた課題に対する解決策がインターネットにあるのではないかという期待を持って、プラットフォーマー側に移った覚えがあります。

情報の価値はPVだけでは決まらない。

とはいえ、インターネットのニュースサービスに15年以上携わってきて、紙媒体とは比較にならないまでも、いまだ完ぺきではないとも感じます。読者とのズレはネットでも少なからずある。PV(閲覧数)やユーザー行動をトラッキングなどをして分析はしていますが、ユーザーの受け止め方は推測の域を出ない。アンケートやSNSでの声も参考にはなりますが、バイアスもあり、正確には可視化しづらいです。とりわけ、広告を主な収入源としている現在のインターネットメディアでは、PVボリュームの大小がそのまま売上に直結するので、PVを大きくすることに重きを置きがちになる。コンテンツの価値が、PVという指標に単純化されて、多くのユーザーが興味を示しやすいコンテンツばかりが評価されるといった弊害は、以前から根強く続いていると思っています。

私がLINE NEWSに参加して以降、サービスの立ち上げから約2年後の2015年に 「アカウントメディア プラットフォーム」と呼ばれるプロジェクトをスタートしました。たとえば、この仕組みなどは、そんな課題へのひとつの処方箋にならないかと期待しながら運営しています。

▼「アカウントメディア プラットフォーム」についてはこちら

「アカウントメディア」とは、各媒体社が持つLINEの公式アカウントを通してユーザーにニュースをプッシュで届ける――LINEならではの特徴的なモデルなのですが、ユーザーの反応を「エンゲージメント」という指標で評価して、媒体社へのレベニューシェアに還元しています。PVだけでなく、ユーザーとの関係値も定量化して評価に盛り込んでいるんですね。たとえば、大手の媒体社だと多くの記事が出せるというアセットがありますが、小さい媒体社だとそうはいきません。PVだけがレベニューを決める基準になると、大手の方が有利です。でも、地域や趣味で繋がった小さなコミュニティに支持されるメディアさんもいて、そうした媒体にこそ熱量の高いユーザーが集まっていたりもする。その熱量をレベニューの比率に還元することが、「エンゲージメントランク」の目的です。

いまも改善の途上ではありますが、読者/ユーザーと媒体側(コンテンツプロバイダー)の距離を縮め、信頼感を強める。その関係性の良し悪しで収益性も変わる。こうしたモデルを進化させていきたいと常々思ってます。「アカウントメディア」はその取り組みのひとつですが、こうした施策で、コンテンツとユーザーとのポジティブなマッチングを実現することがプラットフォーマーの役割だと思います。

理想のエコシステムを持続可能にしていくために。

同時に、その役割を担うには、優れたエコシステムである必要があるんですよね。ユーザーに満足してもらうのはもちろん、コンテンツの提供側にとっても、継続が可能で成長の余地があるモデルとして成立しているかどうか。まず、広告中心のビジネスモデルは、規模の拡大や多様化で、まだまだ進化の余地があるとは思っています。その収益をどこに再分配していくかも成長のポイントになるでしょう。ただ、今後を見据えると広告以外のビジネスモデルも視野に入れる必要があると思っていますね。

ヒントになりそうなのは、受け取るニュースの個人化かな、と考えています。繰り返しになっちゃいますが、ユーザーが求めている情報と、媒体が出したい情報と、プラットフォーム次第ではマッチングしていないことも多いと思っていて。このマッチングを、情報に出会うタイミングも含めてどれだけハイレベルで提供できるかというのが、いまLINE NEWSが取り組んでいるひとつの課題です。それを実現していく過程で、どんなビジネスモデルがありえるのか。自分に特化したニュースとの接点が増えることで、課金や商品・体験の購入、あるいはLINEらしいコミュニケーションをリンクさせた需要の創造もできるかもしれない。まさに、そんなソリューションを一緒に考えてくれる仲間がもっといてくれたらと思っています。

― いちユーザーとしての視点だけでなく、コンテンツを作る側としての視点、サービスをビジネスとして継続、成長させていく事業責任者としての視点も持つ藤沼さんが、仕事をする上で大切にしている軸、倫理観とは、何ですか。この3つの視点をバランスさせるのは、すごく難しいんじゃないかと想像しており…。

確かに難しいんですけど、ユーザー、コンテンツ提供者、プラットフォーマー、どれかひとつでも置いて行ったサービスは、結局継続しないでしょう。その三方をバランスさせるためのソリューションを考えるのが、ある種、私や同僚のミッションになっていると思いますね。そこは、ずらしたくないと思っています。

― もしそれがずれそうだなって思った時に、藤沼さんが立ち返る言葉、経験はありますか。

うーん…。なんでしょうね…。今日イチ難しい質問だ…。

…すごく個人的なことではあるんだけれど、「ドーハの悲劇」って、知ってますか。あの時(1993年)、サッカーの日本代表がワールドカップにギリギリのところで出られなかったんですよね。当時、私はサッカー三昧で、いろんな雑誌を読みあさっていたんですよね。で、雑誌もニュースも、あらゆる日本の報道が、監督だった「オフトさん、ありがとう。惜しかったね」という感じだったんです。けど、唯一、あるサッカー専門誌の記者が書いた記事だけが、「あの監督だからあそこまで行けたけど、同時にあの監督だったからあそこまでしか行けなかった」というような提言記事を書いていて。それを読んで感銘を受けて、この雑誌で仕事がしたいと思ったのが、私のキャリアの始まりなんですよね。

その記事を書いた記者さんは、のちに私の先輩になったんですけど。入社してから聞いたんです。どうしてああいう記事を書いたんですかって。すると、その先輩は「『オフトさん、ありがとう』でまとめれば及第点だろうだけど、本当にそれでいいのか。自分の仕事を批判的に見た時に、それでいいんだっけ? ここはそうじゃないだろうと思った。自分にも、自分の仕事にも、つねに批判性を軸に置いている」という話をしてくれたんですよ。その言葉と考え方は、いまもずっと大事にしています。

photo / Keiko Ichihara

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