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#ヤンキー
久留米青春ラプソディ vol.10
<<vol.9の続き>>
タンクトップ君の右の拳が僕の顔面をとらえる。恐らく右眼あたりだろう。
その強い衝撃とともに、背後のレンガの壁で後頭部を強打。
多分一瞬なのだが、TVの砂嵐のように視界が壊れる。
でも、不思議なことに痛みは感じない。頭は驚くほど冷静だ。
倒れてはいけない、絶対に。
僕はそれだけを考えていた。
相手がこういう集団の時、倒れてしまったら「顔面キック」という恐ろしいパ
久留米青春ラプソディ vol.9
夏が終わる。
1年で1番大好きな季節。
もうそりゃ、ダントツで。
夏の何が好きって、そりゃ全部が好き。
家から出た時のモアッとした空気も、突然の雨の匂いも、セミの泣き声も、見上げるほどの入道雲も。
そんな夏の終わりに思い出す出来事がある。
それは、18歳の夏のお話。
夏のある日。
僕は高校の友達、T君とD君とお隣の県、佐賀で開催される夏祭りに出かけた。
僕には2パターンの友達がいて、