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「なにもしない」をしていよう

あけましておめでとうございます。まだ2020年くらいの気分でいるけど、もう2024年。

なるべく元気でいよう。元気じゃなくても布団に突っ伏していよう。いつまでも動けないなら、「なにもしない」をしていよう。

その中で、時間を無駄にしていると自分を責めてもいいけど、でもせっかくなら生産性で量る世界に命の価値の代替案を突きつけてやれ。お前らが否定したがる命もここに歴として存在してるぜって。

少なくとも、俺はあなたを見ていたいと思う。決して、踏み込みたくはない。干渉したくない。他人の人生に責任を負いたくない。

でも、あなたのことを見ている。あなたの変化を見ている。あなたの停滞を見ている。そしてあなたが俺の変化を見ている、停滞を見ている。

他者の存在を信じるとは、ただ見ていること、ただ見られていることを信じる、くらいでいいのだと思う。救おうとしなくていいし、救われようとしなくていい。今年もよろしく。

ちゃんと見ているよ、なにもできないけど、しっかりと彼女が喪主の役割を果たす姿を目撃し、いまこの時が存在したことの証人となるよ。そしてこれからも彼女が彼女らしく生きていくのを、見つめているよ。喪失は簡単には埋まらないだろうけれど、それでもいいよ。急がないで。ずっと見ているから。見ているしかできないけど。……そう思った。

『傷を愛せるか』宮地尚子 p.15-16

心の変化は劇的な一瞬ではなく、見守られながら流れる地味な時間の蓄積で起こるものだからです。魔法のアドバイスや運命の出会いよりも、地道な関係性の積み重なりのほうが役に立つ。

『聞く技術 聞いてもらう技術』東畑開人 p.106


今年の目標は、「自分に期待すること」です。自分に何が欠けているかを認識して、その欠損をどう補うかを考えることに疲れました。純粋に、自分に期待して、心が動くことをしていたいな、と思います。

自分を安定させるために、他人の心に杭を打ち込んで、そこから伸びる綱を自分に括り付ける。そんなふうに文章を書く。自立できないなら、他力を当てにする。そんなもんでしょ。

「共感」が溢れていて、しかももっと求められてる世界のなかで、他者との違いを感じることばかり。多くの人にとっての普通が普通だと思えないし、多くの人にとっての特殊が自分にとっての普通だったりする。

違う自分が間違っていると断定して、正しい何かに則ろうとしてみたけどもうやめようと思う。

自分の違和感は自分にとっては正解なのだろう。逡巡を突き詰めることには自信があって、その途方もない弁証法的な思考の末の違和感なら、信じてみてもいいと諦めよう。

二十代半ばにもなって、ナイーブな天邪鬼を捨てきれないならもうそれでいい。いつまでだって厨二病上等だよ。

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最後までありがとうございました。ゆるく生きていきましょう。