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おやさまたより

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私の信仰する天理教の二度にわたる修養科の体験をエッセイにしました。
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2023年3月の記事一覧

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私の天理教修養科ものがたり パート1

 私は熱心な天理教信者だと思うのですが、その始まりは全く関心もなく逆に否定的なものでした。
 

 母方の在所に曽祖父母の代から伝わる信仰ですが、実際には私の記憶は祖父母の暮らしぶりに根付いていたものからでした。祖父は片方の目を失明していたのですが、全盲にならずに済み普通の暮らしができることをいつも感謝していました。
 母の話によれば、祖父は山仕事をしながら

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私の天理教修養科ものがたり パート2

 私は生まれつき目に見えない存在に根拠なく親しみを感じ、深い崇敬の念も持っていたことは確かなようです。
 正月には初詣に行き、涅槃会にお寺から配られる花草餅を喜んだり、葬式で坊さんの読経に腹を抱えて笑ったこともありました。直前に絵本で読んだ「なむからかんのんトラヤーヤー」って言うお経が聞こえてきたのを妹と顔を見合わせたら思わず吹き出してしまったのでしたが。

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私の天理教修養科ものがたり   パート3

 天理教本部は奈良の北部、山の辺の道に沿う所にあり古くから豊かな営みを重ねてきた土地柄にあります。立教当時は庄屋敷と言われ「おやさま」中山みきさんは富農の家の一主婦でした。

 「足達金持ち 善兵衛さん地持ち」とも言われ雇人もいるような家に14歳で嫁がれましたが、幼いころから信心深く結婚するより浄土に憧れ念仏三昧の女性だったようです。それでも一家の大黒柱

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私の天理教修養科ものがたり パート4

 現在天理教団の組織は、真柱と言われる中山みきさんの血筋の人がその任に当たり信者を束ねています。その下に表統領・内統領といってそれぞれに下部組織が配置されて全国にネットワークされてもいます。
 
 また、その信仰の広がりは「おやさま」が現身を隠されて以後、先人である高弟の人々が夫々に我が身・一家の都合を捨ててその教えをそれこそ田地田畑を売り払うような猛烈な信

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私の天理教修養科ものがたり パート5

 元一日というのがあります。
 

 卵が先か、鶏が先か、それは知りませんが・・とにかくこの世は始まり、人類が誕生し歴史が流れています。
 天理教・お道では、最初は泥海だったのを味気なく思われた親神が人間を作って陽気暮らしする様を見て共に楽しもうと思いつかれたのがその始まりとされています。

 そしてまた、その人間を宿しこまれたのが「ぢば」と言われる地点

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