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間宮改衣『ここはすべての夜明けまえ』感想(ネタバレ感想、考察等が追記されてます)
生きづらいのになぜこれほどつらいのかが分からない、そんなどこかの「わたし」に、生きていくための呼吸の仕方を「思い出させて」くれる小説、そういうものであるかもしれない。これは。
ざっくりとあらすじ的な
裕福ではあるものの特異な家庭環境にあって生きづらさを抱え、20代前半にしていったんは安楽死を望みながらも受け入れられず、その代わり受けた「ゆう合手じゅつ」により永遠に老いない身体を手に入れた「わた
廣田龍平『〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学』読了メモ
Xに投稿したポストのまとめおよび加筆修正版、自分用読書メモです。他愛ない感想と思い付きの痕跡。
12/30
『〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学』読み始め。以後の大前提となる(だろう)定義分類のところでかなり手間取ったし、なんなら理解半分(それ以下?)のまま通り抜けたけど、それでもわりと読めそうな感触。妖怪が都会へ移籍し空き地となった田舎へ異界概念がオーバーラップしてきた、など思索。
商業の力が
朱喜哲『〈公正〉を乗りこなす』読了メモ
Xにポストした記事のまとめ、自分用メモです。そのうち加筆修正もあるかも、ないかも。
朱喜哲『〈公正〉を乗りこなす』読了、とてもよかった。最後の議論、構造悪玉論的言及や、「ミクロよりマクロを分析しコントロールしなければならない」かのように価値を階層化することは、全ての存在の背後にあり支配的価値を自己主張する「真理の追求」っぽくなりそうな。
「個人ではなく構造」と明確に他責化させず、ここはカチッと
川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』感想
全盲者である白鳥さんの鑑賞態度は、当然だが晴眼者とは異なる。白鳥さんは同行者から絵の要素や印象を聴くことで芸術を味わうのだが、理路整然とした「オフィシャルな解説」はつまならいのだという。
それは、自らが「わからないこと」から何かを発見する猶予を、あるいは明示的な答えではなく問いを誘発するやりとりをこそ欲する態度とみえ、これはアート鑑賞の現場で、そのとき他者間で何が議論されているのかを探索する別種