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【徹底解説】FSA Credential とは(資格概要、試験範囲、受験費用)

1. ESG資格「FSA Credential」とは

FSA Credential (Fundamentals of Sustainability Accounting Credential)は、ESGやサステナビリティに関する全世界的な関心の高まりが見られる近年、国際的に注目されつつある資格の一つであり、サステナビリティ会計の原則および実践に関する専門知識を評価する最高レベルの資格です。

世界中の67か国以上が参加し、既に1,400名以上がFSA Credentialを保有しています(The IFRS Foundation:2022年11月時点)。

IFRS財団(国際会計基準を定める団体)の関連組織である、VRF(バリューレポーティング財団)が策定する国際的なサステナビリティ会計基準について学び、Level 1(基礎) と Level 2(応用) の二つの試験に合格することで、FSA Credential の資格を保有することができます

2. FSA Credential 資格を取得する人

会計・財務・法務・投資家・サステナビリティ専門家(コンサルタント等)などの幅広い職種の方の取得が推奨されています。

会社の業績や企業価値の向上に役立つようなサステナビリティ要因とは何か、といったことや、そうしたサステナビリティ要因が実際に会社の業績や企業価値に与える影響について理解を深めることができるため、サステナビリティに関するプロフェッショナルとして差別化を図ることができます。

また、合格者はLinkedinなどのコミュニティに参加でき、合格者同士はコミュニティ内でネットワーキングや情報交換を行うことができます。

【FSA Credential を取得することが推奨される人 / 学習の目的等】

  • 財務担当者(特に財務情報の開示に関わる者)
    SASB開示トピックが財務情報に与える影響について理解する
    SASB開示トピックが財務報告に統合され活用されるプロセスを理解する

  • 投資家・投資アナリスト
    サステナビリティ情報が投資分析にどのような影響をもたらすか理解する
    SASB基準にもとづく情報開示が将来の企業価値に与える影響を理解する

  • 弁護士
    重要なサステナビリティ情報に関する知見を養う
    米国証券法におけるSASB基準の位置づけを理解する

  • サステナビリティ専門家(コンサルタント等)
    投資家にとって有用なサステナビリティ情報の報告手段・内容を理解する
    企業価値の向上に影響を与えるSASB開示トピックとその影響を理解する

  • 公認会計士
    SASB基準が財務報告に利用されるプロセスを理解する
    SEC規則を順守し、適切にサステナビリティに関するリスクを認識する

3. FSA Credential の試験範囲・受験費用

FSA Credential 試験は、Level 1(基礎) と Level 2(応用) の二つの試験によって構成されています。Level 1に合格すると「FSA Level 2 Candidate」となり、Level 2 に合格すると「FSA Credential Holder」として認定を受けることができます(Linkedinのプロフィールや職務経歴書、レジュメ、取引先への提案書等にも記載可能な資格です)。

Level 1 と Level 2 のいずれもPart1-Part3の三部構成となっており、Level 1 では、SASB基準(サステナビリティ会計基準)が必要とされるに至った背景、SASB基準の設定プロセス、他のサステナビリティ情報の開示ガイダンス・規則等との比較や各ステークホルダーにとってどのようにSASB基準が活用されるか、といった内容について取り扱われます。

The IFRS Foundation

一方で、Level 2 では、SASB基準に基づいて報告されるサステナビリティ情報がどのように財務的な指標に対して影響もたらし、将来の業績や企業価値に影響を及ぼすのか、といった内容について取り扱われます。

The IFRS Foundation


FSA Credential 試験のLevel 1(基礎) と Level 2(応用)の問題形式、試験時間、受験会場、受験費用、試験範囲、学習教材は、以下の通りです。

【FSA Credential 試験の概要】

SASB Standards より作成
  • 問題形式
    問題形式としては、いずれも選択式であることは変わりませんが、Level 1ではすべての問題が一問一答形式であるのに対して、Level 2では13個のケーススタディがあり、それぞれケースについて複数の選択式の質問に回答していく形式となります。

  • 試験時間
    試験時間はいずれも2時間程度ですが、問題数が非常に多いため、1問あたりにかけていられる時間はそれほど多くありません。Level 1では1問あたり1分-2分間で回答する必要がありますし、Level 2では1ケースあたり8分-12分を目途に回答していかなければいけません。

  • 受験会場
    オンライン又はテストセンターでの受験が可能です。オンラインであれば世界中どこにいても受験可能ですし、普段使っている慣れたパソコンを使用して受験することができます(なお、オンライン受験の場合でも、本人確認や不正防止のための試験環境の確認がしっかりと行われます)。

  • 受験費用
    Level 1で450ドル、Level 2で650ドル、合計1,100ドル
    の受験費用が必要です。オンラインでのクレジットカード決済が可能ですが、あくまでもドルベースでの支払いですので、その時々の為替に影響を受けてしまいます。なお、所属している団体がアライアンスメンバーである場合や個人でメンバー登録をしている場合はディスカウント料金(Level 1/Level2 : 400ドル/500ドル)での受験が可能なようです。

The IFRS Foundation
  • 教材
    試験対策に用いる教材は、受験登録をした後に送付されるスタディガイドとなります。スタディガイドは各レベルでそれぞれ約300ページほどの分量で、すべて英語です

4.合格体験記

5.まとめ

ここまで、サステナビリティ会計の原則および実践に関する専門知識を評価する最高レベルの資格であるFSA Credential (Fundamentals of Sustainability Accounting Credential)の概要について解説させていただきました。

それでは、実際にFSA Credentialの資格取得を目指すにあたって、合格に向けた勉強方法や試験対策、参考書籍についてみていきましょう



※FSA Credential は、「Fundamentals of Sustainability Accounting Credential」の略称です。

ESGやサステナビリティに関する全世界的な関心の高まりが見られる近年、国際的に注目されつつある資格の一つであり、サステナビリティ会計の原則および実践に関する専門知識を評価する最高レベルの資格です。世界中の67か国以上が参加し、既に1,400名以上がFSA Credentialを保有しています(2022年11月時点)。

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