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【合格体験記】FSA Credential レベル2

1. FSA Credential レベル2 勉強方法・試験対策

1.1 日本語で基礎知識・専門用語をインプット

レベル2の勉強方法・試験対策の進め方の流れはレベル1と同じです。

まずは日本語でのインプットをするべく、FSA Credential レベル2に関係ありそうなサステナビリティ情報開示に関連する記事やレポートを探して、事前知識を仕入れるところから始めました。

レベル2では、単語の意味やスタディガイドで暗記した内容などが問われるのではなく、複数の業界のケース問題に対して、その場で読み解き、必要に応じて計算・分析をしなければならないという点がレベル1と異なります。

そのため、日本語で仕入れる情報も工夫する必要があり、問題のベースとなる複数の業界のSUSB基準をざっと流し読みするところから始めました。

流し読みといっても、業界別に相当のボリュームがあるので、後述するサンプル問題で取り扱っている業界に絞って読み進めました。幸いにも、SASB基準は日本語に翻訳されていますので、読み進めるのもそこまで苦ではなかったです。


1.2 各章の要約・単語集の読み込み

後は、レベル1と同様にまずは各章のまとめを読んで全体像を理解するところから始めました。もちろん各章の要約は大事なポイントがまとめられているのですが、レベル1ほどここの内容が直接的に試験で問われることはないので、個人的にはざっと流し読みするくらいで良いかと思います。

続いて、用語集ですが、こちらはしっかりと読み込む必要があります。
なぜなら、設問で取り扱われる業界ごとの特有の単語がいくつか紹介されており、単語の意味を理解していないと問題や選択肢をそもそも理解できない、ということになりかねないからです。

例)デカップリング料金
電力業界特有の用語。電力会社の利益をエネルギー販売から切り離すことであり、電力会社は電力の需要・消費量に関わらず一定の収益を見込める。

そのため、用語集にある単語は全て意味を理解できるように、用語集に記載されている定義に関わらず、単語帳を作って意味を深堀りしました

1.3 サンプル問題をひたすら解く・解説を読み込む

続いて、サンプル問題を解いていきます。
レベル2の試験勉強としてはここが最も重要なポイントです。

サンプル問題は、SUSBが公表しているサンプル問題(4ケース)とスタディガイドに含まれるサンプル問題(8ケース)の合計12ケースあります。
※1ケースごとに3-5問の小問が付されている形式です。

サンプル問題には英語での解説もついていますが、解説を読んでもよくわからない場合は、該当するテキスト本編の箇所を参照しました。

ここでポイントとしては、サンプル問題の12ケースはそれぞれ別々の業界(電力業界、建設業界、ホテル業界など)を題材としており、業界特有のサステナビリティ課題をテーマにしているので、どの業界がどのようなサステナビリティ課題を取り扱っているのか、各サステナビリティ課題がどのように定量的に評価されるのか、を問題を通して反復して学ぶことが重要です。

1.4 反復学習(各章の要約・単語集・サンプル問題)

受験前には、レベル1同様、各章のまとめを何度も読み返し、用語集の単語の意味も解説を読まなくても全て理解できるようにしました。

また、サンプル問題も全ての選択肢がなぜ正解・不正解かを自分で説明できるようになるまで、3-4周はしてから試験に臨みました。

テキスト全体を全編しっかりと翻訳しながら読み進める、というやり方はしなかったのですが、勉強時間としてはレベル1と同じくらいの30時間~40時間程度はかかっていたように思います。

【試験対策の進め方イメージ】


2. 試験当日の流れ(オンライン受験の場合)

2.1 試験環境テスト

試験申し込み時に案内があった事前にインストールしたソフトを起動すると、カメラテスト、音声テスト、マイクテスト等をするように案内があるので、案内に従って進めていきます。

他のタブを開いていたり、外付けモニターに接続している場合はソフトで検知されます。試験の前に他のタブは全て閉じて、モニターも片づけておきましょう(試験中もモニターの画面はモニタリングされています)。

2.2 本人確認

続いて、本人確認として、自分の顔と身分証明書が入った写真、身分証明書の表裏の写真を撮影してアップロードするように案内があります(Webカメラは内蔵型・外付け型いずれもOK)。

※身分証明書は、パスポート、運転免許証があれば問題ありません。

2.3 試験環境確認(部屋・モニターの有無など)

続いて、手元にスマートフォンを用意して、所定のリンク(案内があります)に試験部屋の写真を4枚撮影してアップロードします。

この手続きにおいてのみ、試験で使用するPC以外の端末の使用が許可されます。試験部屋の隅やPCの正面から、机とパソコンが見えるように撮影をするように案内がありますので、案内に従って撮影をしてアップロードします。

写真のアップロードが完了したら、担当の試験官が順番に確認していくので、順番が回ってくるまではしばらく待機時間となります。問題がなければ、次の案内に進み、試験開始となります。

※筆者はレベル1の時は順番が回ってきたら、担当の方から電話がかかってきて、外部モニターを部屋の外に出すように指示されましたが、今回は前回の反省を活かしてしっかりと準備したところ、特に電話などはなく、そのまま試験開始のページに案内されました。

2.4 試験開始・試験中

上記まで完了したら、ようやく試験開始となります。

試験中は常にカメラはオンとなっており、試験官が確認しています。離席した場合は失格となりますのでご注意ください。ちなみに、試験残時間はモニター上に表示されているので確認ができますし、後で見直したい問題がある場合はチェックマークを残して後で見直すこともできます。

※実際には1ケース問題あたり9分(全13ケース、試験時間2時間)で解いていかないといけないので、ほとんど見直す時間はありませんでした。

3. 合格後の流れ

試験が終了したら、合否連絡がメールで通知されます(合格基準は不明)。

合格したら、ステータスが「FSA Credential Holder」となり、デジタルバッジが受領できます。また、合格している場合はSUSBの公式サイト(FSA Directory)に即座に「FSA Credential Holder」として氏名が登録されるので、改めて合格を実感することができます。

その後の手続きとしては、Linkedinグループに参加(レベル1合格時点でも参加資格があります)したり、グローバルコミュニティに参加しましょう。

以上、FSA Credential の合格体験記でした。



※FSA Credential は、「Fundamentals of Sustainability Accounting Credential」の略称です。

ESGやサステナビリティに関する全世界的な関心の高まりが見られる近年、国際的に注目されつつある資格の一つであり、サステナビリティ会計の原則および実践に関する専門知識を評価する最高レベルの資格です。世界中の67か国以上が参加し、既に1,400名以上がFSA Credentialを保有しています(2022年11月時点)。


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