第4話 「きっかけは、ヤンキー。」
さて、第4話、中学生の時の話です。
中学の時も案外大切な経験や出会いってありましたよね。
丁度どんな人間になるか少しずつ道が見えてくるタイミングが
中学生だったりしますし小学生から一気に成長が見れたりもしますよね。
僕は中学1年の時に面白い出会いに巡り会えました。
それでは、
第4話「きっかけは、ヤンキー。」
僕は強い人のイメージを持ったまま、
中学生になった。空手も続けていた。
僕の通っていた中学校は、2つの小学校で構成される
人数の多い、マンモス中学校だった。
小学生の時に、
いじめられていた、マッチャンと
マッチャンをいじめていた、
いじめっ子3人組(タツ、コウキ、シンジ)とは、
あの一件以来、僕を入れて
いつもの5人と呼ばれるくらい仲良くなった。
その5人とも、
身なりを凄い気にする中学生だった。
毎日髪の毛をワックスできめて登校していた。
中学では、僕たちが通っていた方の小学校で仲良くしていた2歳年上の先輩達が
絵に描いたような、不良となっていた。
服装は、ボンタンに短ラン、スケーターに中ラン、ドカンに、長ラン。
僕たちはかっこいいよなってよく話していた。
中学生になって早々事件が起こるのだ。
いつもの5人で昼休みに
運動場付近で集まって話していたところに
僕が通っていなかった方の小学校出身の、
マセガキで、見た目もヤンチャとすぐわかるグループがやってきた。
因みに、このグループも5人。
リーダーの名前は、シュンスケ。
副リーダーぽいやつの名前は、リョウ。
あとの3人は金魚の糞のような雰囲気だったから省略。笑
シュンスケが僕にこう言った。
シュンスケ:「お前強いらしいな!一回やろうぜ!タイマンとか張ったことあんの?」
僕はこう返した。
僕:「なんか強いっていう設定になっているよね。タイマンって何?」
僕はヤンキーに憧れていた訳ではないので、
タイマンという言葉をそもそもしらなかったんだ。
シュンスケ:「同じクラスのやつに誰が強いか聞いたらお前の名前がでたからさ。
まぁ、ほとんどのやつが言ってたから、興味があるんだわ。放課後近所の公園に集合な、逃げんなよ。」
僕:「あー。よくわからんけど、放課後にその公園に行けばえんやね。」
僕は、正直シュンスケが言っている意味が半分以上理解出来ていなかったが、
放課後に公園に行くことにした。
そして放課後。
マッチャン、タツ、コウキ、シンジと僕で
約束の公園に行った。
シュンスケ達は先に居て準備らしい事をしていた。
リョウ:「おー来たか。もう少しで用意が終わるから待ってろ。」
と一生懸命地面にコンパスでも使ったのかレベルで、綺麗な円を書いていた。
シュンスケ:「シオ、この円に入ってこの円から逃げた方が負け。」
僕:「あー喧嘩すんの?」
シュンスケ:「喧嘩じゃねー、決闘な。この学校の頭を決めておかんとな。」
僕:「頭?ほんとによくわからん。」
シュンスケ:「他の中学校が攻めて来た時代表として出ていく日がくるんだよ」
僕:「あーなるほどね・・・。」
実はこのやり取りの間に、僕たち5人は時間をとても気にしていた。
何故なら、18時から塾があるからだ。
この日は丁度、塾で中学になって初めて学力に応じてクラス分けするテストの日。
そんな大切な日に、タイマンというよくわからないことに巻き込まれてしまっているのだ。巻き込まれたというか、マッチャン、タツ、コウキ、シンジを巻き込んでしまっているの方が正しい。
因みに、すでに時間は17時が来ようとしている。
塾の用意は持って来ていないから、一回家に帰ることを考えると、
17時15分には公園を出て帰宅
急いで準備をして、塾に行くという流れでギリギリセーフ。
どう考えてもシュンスケのいう決闘は、時間までに決着をつけるのは無理だと思った。
というわけで・・・・。
シュンスケ達が気を抜いている隙に、
僕たちは自転車に乗り、爆速でその場から立ち去ったのだ。
決闘よりも何よりも、
母と塾長が怖かったからだ。
母は勉強ができる、できないではなく
約束を守る、守らないに非常にうるさい。
塾はそもそも僕が行きたいと言い出した。
塾長は、竹刀をいつも持っていて、
ふざけたことをすると、凄い痛いゲンコツに、1時間正座という罰があるのだ。
今では訴えられそう笑。
決闘なんかよりも怖い事が沢山想像できてしまったのだ。
無事に5人とも塾には時間内に到着でき、
クラス分けのテストを受けることができた。
次の日。
想定通り、シュンスケ達が僕たちに絡みにきた。
シュンスケ:「お前ら逃げたよな。」
僕:「逃げるというか、タイマンよりも大切な用事があったからな。」
シュンスケ:「びびって逃げたんだろ。大したことねぇなお前ら。」
まっちゃん:「俺らがビビる訳ないじゃん笑。」
リョウ:「いやいやだったら逃げないだろ。」
終わりの見えない口論が続き、
揉め事に感じたのか先生が来て終わった。
その日の帰りに、絵に描いたような先輩達に
タイマンをどうしてもやりたい奴がいることを相談した。
先輩達は、
「まぁ一年でも頭をはる人間はいた方がいいかもな」と。
僕は家に帰って母親に聞いてみた。
僕:「中学って喧嘩が強いとかどうとか必要なんかね?」
母:「喧嘩なんてするもんじゃないし、あんたは空手やっているんだから先に手を出したらだめよ。そんなことより塾のクラス分けどうだったの?」
全く話にならなかった笑。
因みに、塾では上からS・A・B・C・Fとクラスがあり、
僕たちグループは皆Sクラスだった。
最後に母は
母:「喧嘩して制服破いたり、汚したりしないでよ。ヒデにも使うんだから。」
ヒデは僕の弟。
なんかスッキリしない状態で日々を過ごしていたが、
またタイマン大好きシュンスケ達が言い寄ってくるんだ。
シュンスケ:「そろそろタイマンやろうぜ。この中学の1年の頭決めたいしさ。」
僕は正直、このやり取りが面倒くさく、少しうんざりしていた。
僕はこう返した。
僕:「今日の16時から17時15分までで、この間の公園でどう?」
シュンスケ:「決まりだな、じゃ16時前にこの間の公園で」
シュンスケの粘着アプローチに負けて、
タイマンというイベントの予約をしてしまったのだ。
そして放課後。
時間は15時45分。
いい時間に集合できた。
シュンスケ:「じゃあ、この円に入って」
僕:「ちょっと待って、着替えさしてくれる?」
僕は制服が破れることと汚れることを回避するため
体操服に着替えたのだ。
シュンスケ:「お前、体操服でやんの?きめーな」
今思えば、シュンスケ同様に僕自身も変な奴だなと笑。
そしていよいよ
リョウ:「はじめ!」
僕からしたら、正直シュンスケは残念な程弱かった。
空手をやっている自分から手を出すことはせず、
まず、シュンスケのキックやパンチを3発ワザともらうようにした。
少しだけ、痛かった。
顔はよくないから、
お腹に蹴りを入れてあっさり終わった。
時間は16時10分。
始まったのが、16時5分過ぎ。
約5分でイベントは終了した。
僕は早々に着替えを済まし、
塾の宿題をしていなかったから急いで帰宅した。
その日の塾が終わり帰宅しようとした時
たまたま近くのコンビニにシュンスケ達がタムロしていた。
普通に僕たちの存在に気づいて、声をかけてきた。
シュンスケ:「シオー、今日は悪かったなぁ。」
正直何が悪かったかはわからなかった。
僕は「全然いいよー、また遊ぼうや!」
と返しておいた。
それから
気づいたら、僕たちのいつメン5人組に
シュンスケ、リョウ、含め5人組と
合体して10人グループで仲良くし始めた。
ただ、シュンスケが僕に負けたのは、
まっちゃんとリョウしか知らなかったから、
僕は頭とかに興味が無かったからシュンスケに頭を託した。
この中学では一応先輩に報告する必要がある流れがあったので
先輩達に「シュンスケが俺ら1年の頭です。」と報告をし
シュンスケは先輩から、ドカンと長ランを受け継ぎ1年の頭として
中学を守るため活動に励むこととなる。(何からだよって。笑)
このシュンスケとの出会いが後に
少しヤンチャな人生を歩むキッカケとなる。
第4話「きっかけは、ヤンキー。」完
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?