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第2話 「きっかけは、波動拳。」

遡ること、保育園。
「保育園まで遡るの?」って思われた方もおられると思いますが、
僕の人生において保育園での体験が非常に重要なんです。
それでは第2話です。


僕は、空手を保育園年中からやっていて、高校まで続けていました。
今ほど有名でなかった空手をなぜ始めたのか?というところから話していきます。

保育園の時、僕は近所に住んでいた年上のお兄さん3人(ターボくん、だいすけくん、武田っち)によく遊んでもらっていました。
お兄さん達との遊びのほとんどが、
「スーパーファミコン」いわゆる「スーファミ」。
スーファミにも、
マリオやカービー等の可愛いキャラクターのゲームがあるのに・・・。
皆で熱中していたのがなんと
「ストリートファイター」いわゆる「ストファ」。

ストリートファイターは「リュウ」と「ケン」というメインキャラクターがいて、僕はいつも「リュウ」を選んでいた。
「リュウ」は有名な「波動拳」が得意技。

ある日一人のお兄さんターボくんに言われた。
ターボ:「シオはリュウが好きだよね、なんで好きなん?」
僕はこう返した。
僕:「服装がかっこよくて、手から波動拳を出すから好き!」
ターボ:「実は俺らも波動拳できるんで」
僕:「えっ!そうなん!??見せてよ」
ターボ:「ええで、明日見せてあげるわ!明日武田っちの家に集合な!」

上級生の3人は皆「波動拳」ができると。
憧れの技が間近で見れることに、驚きと楽しみがマックスに。

そして次の日。
ターボ:「シオは危ないからこっちに座って」
用意された椅子に座る僕。
正面にはお兄さん3人。
お兄さん達の手には穴が空いた段ボール。

ターボ:「いくぞ!せーの!」
効果音:「ボン!!!!!」

お兄さん3人は段ボールの横を力強く叩きました。
フワフワーと波動みたいな白い煙みたいな物がでてきたんです。

僕:「うわーーーー!すげぇ!!!!波動拳だ!」
感動と興奮が絶好調。
多分少しおしっこチビった気がする。

武田っち:「ちょっと待ってて。」
5分ほど待つと
武田っちが、なんと「リュウ」の格好。
そうすると武田っちが
武田っち:「波動拳!!!!!」
効果音:「ボン!!!!!」
僕:「・・・・・。」

感動のあまり言葉がでませんでした。
今思えば、皆んなで僕を喜ばせようと
でんじろう先生のような事をしてくれたんだろうなと。

僕:「ターボ、どうやったら波動拳できるようになるん?」
と聞きました。
ターボに聞いたはずが、武田っちが
武田っち:「空手したら波動拳できるようになるで!」
実は、武田っちは空手を4年前からやっていたのだ。

武田っち:「これからは俺の事をリュウと呼びな。あと空手したいならお母さんに話してみなよ、近所に道場あるからさ。」

と言われ、この日より「武田っち」は「リュウ」というアダ名となり
空手をやりたいと母に言うこととなるのです。

家に帰り早速母に言いました。
僕:「空手って知ってる?やってみたい。」
と母に言うと
母:「空手って何か知っているの?」
僕:「波動拳を出せるようになるやつ」
母:「・・・・・。近所でやっているみたいだし、武田くん(リュウ)もやっているみたいだから一度見学に行ってみようか」

なんと、とんとん拍子に話が進んだ。
母はリュウの親に電話をして、道場の師範に見学したいことを伝えて欲しいとお願いをしてくれて、日程の調整もしてくれ、道場の見学にいった。

道場では、小さい子から大人まで多分100人近く居た大型の道場でした。
道場内:「えい!えい!えい!」
と体育館に響き渡り皆、師範の号令を聞き気合を入れて練習している。

30分ほどじーーーと見ていた僕たちに
休憩中に師範が寄って来て僕に聞きました。
師範:「君はなんで空手がしたいのかな?」
僕は即答で「波動拳がしたい。」
そうすると休憩中のリュウが
リュウ:「先生、シオ凄い気合あるから空手を一緒にしたいです。」
なんとリュウの大人社会のような、フォロー&アプローチ。
師範は僕の母に
師範:「空手は武道です。礼で始まり、礼で終わる。
お子さんを厳しく叱る時もありますが大丈夫ですか?」
母:「大丈夫です、シオが初めてやりたいと言い始めたのでさせてあげたいです。」

保育園年中の僕は、この日から空手を習い始めることとなったんです。
道場への入会手続きが終えて自転車の母の後ろに乗っている最中に「波動拳」の練習を始めていました。



そこから6ヶ月経過したある日。
僕は「空手を辞めたい」と言い始めたのだ。
理由は、「面白くない」「痛い」「波動拳の練習をしない」だった。
母に伝えると木っ端微塵にされた。
母が一番怒った理由は「面白くない」という理由。
今でも覚えていて割と自然に今でも意識するようにしているのだが
その時言った母の言葉は、
「たかだか半年しかやってないのに、空手が面白い面白く無いとか判断できない。兎に角1年続けてそれでもやりたく無いのなら再度考えよう。」
と言われたのだ。
保育園の僕には難しくてその当時は理解できなかったが、
1年はやると言った。

そこから気がつくと、、、1年、2年、3年と続けていたのだ。

理由は簡単で、
目的が成長と共に変わっていったからだ。
最初の目的は
「波動拳」ができるようになること
次に「1年続けること」
次に「試合にでること」
そして「試合で勝つこと」。

この保育園でのきっかけや体験が
また小学生の自分にも繋がっていき
新たなきっかけを生むこととなります。


第2話 「きっかっけは、波動拳。」完

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