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雑感記録(211)

【「だからどうした」日記】


2月29日、閏年。

そういえば、中野重治が『閏二月二九日』を書いてたっけなと仕事中、経費精算中に思い出す。閏年だからって僕の日常は何ら脅かされることは無い。せいぜい1日増えた所で僕の生活には何も起きないのだから!どう頑張ったっていいことが起きる訳でもなく、こうして腹をグーグー鳴らしながらこの文章を綴る。何だこの時間は!一体!暇か!?暇なのか!?

今日は朝から鼻水とくしゃみが酷い。花粉。都会にも花粉が来るんだと結構馬鹿にしていた節があるが、甘く見ていた。都会には最強の武器、ビル風というものがある。あいつらは容赦なく建物と建物の間を縦横無尽に吹き荒れ、僕らの鼻孔に花粉をダイレクトアタック!リバースカードも無いから真面に喰らっちゃうんだよな、これが。マスクをするんだけども、風の方が強いんだな。マスクもあてにならないな…。ロビンマスクもマスク邪魔そうだしな…。

さて、席に着いて仕事。と言ってもまずは朝飯をがっつきながら読書。これは僕のルーチンだ。朝、1番最初に職場に着き、誰も居ない部屋でコンビニで購入したおにぎり5個といちご&マーガリンのコッペパンを頬張る。おまけ程度のスムージー。朝から大食漢である。おにぎりを頬張りながら、今日も今日とて柄谷行人の『力と交換様式』を読み進める。今は交換様式Aについて読み進めている。なるほど、面白いと思いながらページをめくり、米粒が落ちた。本を読む気が失せたのでインターネットをサーフィンする。

最近のお気に入りと言うか、マイブーム。作家のインタビュー記事を読むこと。最近は古井由吉のインタビュー記事ばかり読んでいる。今日は蓮實重彦との対談。

何かよく分からないけどすげえなと朝から1人誰もいない部屋で興奮する。おにぎり頬張りながら。はたから見たら変態だぞ。と続々と人がやってくる。くそ、今日はまだおにぎりもロクに進んでいない。急いで駆け込む。そういえば、今日の東西線凄く混んでたな…。潰れるってあんな感じなんだな。駆け込み乗車が初めて憎いと思ったよ。だって、全然電車のドアが閉まらないんだもん。いつも早めに出勤していて正解だったな。

さて、そろそろ仕事。と言ってもやることがな…。

とりあえず、昨日の続き。動画編集。え、一応これも仕事だ。今って凄く便利な世の中になったなって思う。簡単に動画も取れちゃうし、簡単に情報を発信することも出来ちゃう。だけど、編集しながら思ったんだけど、自分の声って気持ち悪いね。「これが自分の声か…」って何だか真面目に考えることが気持ち悪いね。当然に声も変で何か嫌だったんだけど。まあ、今更変えようがないしね。常にヘリウムガス携帯して歩くって訳にはいかないし。声が出せるだけで幸せ。

わりと時間が掛かる作業で、画面とおよそ2時間ぐらい睨めっこ。マウスの些細なコントロールでどこで動画をぶった切るか検討。試し試し編集する。しかし、僕はどうもこういう細々したことが嫌いだ。しかも、自分の手で直接と言うより、マウスを介しての操作になる訳でしょう。段々ともどかしくなってきて、嫌になり始めてくる。だけど、仕事だ。仕事だから。我慢、我慢。と半ばアニメでドラえもんやらコロ助が言いそうなセリフナンバー2ぐらいの感じで自分を宥める。

無事に2時間の作業を終えて、さあ次は何を……。

―無―無―無―無―無―

メールが来た。これは僕の出番だな。そそくさと処理する。単調な作業だ。決められたところに決められたものを入力して、決められた文言で決められた返信を返すだけだ。まあ、そうだな…。これ自体に面白みを僕は見いだせないから、タイムアタックみたいな感じでやっているんだな。あんなにグルグル回ったりすることは出来ないけど、自分の中でグルグルがあると思い込み処理をしている。「ターイムショック!」って言いそうになる。

しかし、それが終われば途方に暮れる。大沢誉志幸ほど良いもんじゃないけどさ。だからnoteを書き始める。今日はたまたま同時並行で出来る仕事があるので、それをしながらnoteを書く。何だかなと思いつつ、ツラツラと書いていく。最近、毎日noteを書くようになってから書く?いや、打つスピードが依然と比べて格段に速くなってしまった。1日2記事も投稿するなどとは今まででは考えられない大きな退化である。

周囲がお昼休憩に行き始める。僕も行かねば。しかし、noteのキリがつかない…。これが書き終わってから行こうと決める。何だか僕は何をしているんだかよく分からん。と思いながら書き続け、しばらくし書き上げる。僕は昼の神保町に繰り出した。

とは言うものの、僕は毎日神保町に居る訳で、行く古本屋なんて大概決まっている。それにルートも大体決まっている。そうそうちなみに、神保町にもし来たい人が居たら、水曜日と日曜日と祝日は避けた方が良い。理由は簡単で、その日は大体どこも定休日であるからだ。まずは、僕は煙草を吸いにいつもの古本屋の2階に向かう。1人黙々と煙を蒸かす。

煙草を蒸かし終えたら、さあいざいざ…。と思ったんだが何だか今日は花粉のせいでどうも体調があまり良くない。それなのに僕は煙草を吸う。煙草を吸いたいと思えるのだから、ある意味で健康なのかもしれない。本当に体調が悪かったのなら「煙草を吸う」という選択肢などがまず以て出てくるという事にはならないだろう。だから僕は健康体だ。よし、気合い入れて古本屋巡るぞ!

と言っても、行く本屋なんて限られている。お気に入りの古本屋は当然にある訳で。とりあえずそこに向かって一直線に歩く。しかし、人が多い。若者が多い印象だ。これはどういうことだ。近くに明治大学や専修大学などがある訳だが、彼らは春休み中ではないのか?なぜ神保町に居るんだ?と別に居ても居なくてもどうでもいい訳なのだが、ただ物を知らないような若者が多い印象だった。そいつらの間を掻き分けて、僕はズンズン進んでいく。

お目当ての古本屋に到着。

文学コーナーは恐らく、棚卸か何かで本がごっそりなかった。僕は何だか嬉しかった。また次来た時には新しい本と出会える訳でしょう。多くの本に触れる機会が増えるのは純粋に嬉しい。マンモスウレ…と言うのはやめておこう。僕はノリピーを知らない。と書いている時点で知ってはいることになるのだが、そんなこたぁどうでもいい。狭い店内をグルグルグル歩き回る。しかし、毎日通い詰めていれば大抵どこに何があるかは分かってしまう。哲学とか社会科学の棚は特段の変更はなかった。

文学のコーナーに行って途中がごっそり抜けた本棚を眺める。そこで僕は『バートルビー』に出会う。以前、アガンベンの『バートルビー 偶然性について』を購入した。これで『バートルビー』持ってないのはやばいんじゃないか?と思いすぐさま購入した。

あと、何か1冊ぐらい見繕うかと思って、目を瞑って適当に取った1冊を購入することにした。自分でやっておきながらかなりヒヤヒヤものだったが、愉しみでもあった。それで!僕は!何を!手にしたというのか!

これだ…

うーん……70点ぐらいだな。ボルヘスってあんまり読む気になれないんだよな…。何だろう、いやね、別に嫌いな訳でもないし興味が無い訳でもないんだよ。ただ、自発的に何か読もうという感じもしないの。だから逆にこういうキッカケがあって良かったのかもしれない。これを機に読み始めるかもしれないしね。望み薄だけれども。

2冊を抱えて会社に戻る。

しかし、戻ったところでな…。という気持ちが非常に強かった訳だ。何だか皆ピリピリしているし、僕だけ別の時間軸で仕事をしているみたいだった。いや、これ書いている今もそうなんだけどね。結局午後も16:00まで時間があるのでどうしたもんかと考えて、結局これを書き出した。そして現在に至る。

だからどうした?仕事しろ。

よしなに。

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