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怒りの龍の名前は思春期(仮)

反抗期を隠れ蓑にして、怒りの龍は私を支配した。小さな親の発言や、目にする言葉にたちまちそれは暴れ出した。
自分ではどうにもならないくらい、すごいエネルギーだった。うぉーと叫びだす勢い。自分の中にこんなにある意味熱い感情?や何かがあるのが正直驚いてもいた。体感で。
それを親や兄妹にぶつけまくった。怒鳴りまくった。相手の言葉に怒りが反応しては、素直にそれを惜しげもなく披露した。私は怒っていると。
机をドンと叩き、大きな声で不機嫌な態度をし、時に相手の言葉の揚げ足をとり、相手が言われたら嫌だろうなーというところをついて、声高らかにめちゃめちゃギラついた目で相手を刺すように大声で言ってやった。

それは家族だけでなく、学校のみんなにも手法をかえて、やりだした。
そして、みせてくれたものは、ひとりぼっちだ。

ひとりぼっちになった私はもう怒りの龍は住んでいない。そのエネルギーも湧いてきない。
なんで?どうして?しばし戸惑いと疑問、そして、いなくなった人たちを想う。
自分では気づいてなかったけど、自分が苦しいから、できない気持ちや悔しい気持ちを相手を貶める行動で快感を覚えていた。
走馬灯のようにそのシーンは想い出された。
私は愕然とした。

怒りの龍を想う時、私の中の熱いエネルギーが今もありありと蘇る。
私の話を聞いて。
私のことをちゃんと見て。
私を愛して。

昨日見た夢の話。
人は10代のときにできなかったことをずっとおいかけるんだそう。
私もそうなのだろうか。
でも、こうやって、忘れてしまったことにまた出会えるのも何かのギフトなのかもしれない。
そんな風に思いながら、綴った物語。

今日も読んでくださってありがとうございました。この後もあなたらしい、素敵な時間をお過ごしください!

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