「Regenerative Leadership」chapter5を読んで感じたこと
はじめに
書籍「Regenerative Leadership」を友人たちと読み進めています。
続編となるChapter5"The Two Dynamics in Regenerative Leadership(リジェネラティヴリーダーシップにおける2つのダイナミクス)"を読んで感じたことを書きます。
前回の記事はこちら。
内容のpickup
(黒字・に続く文章はいずれもDeepLで翻訳したものをそのまま使っています。)
(0)2つのダイナミクス
・リーダーシップダイナミクスはライフダイナミクスと対をなすもの
→私はこの2つのダイナミクスの関係性はまだよく分かっていません。
(1)ライフダイナミクスについて
◯とは?
・チームや組織を含むすべての生命システムで見られる集団的な緊張に関するもの
・「創発」を生み出す「発散」と「収束」のリズミカルな緊張感を体現している
◯生命システムの働きにならう
・生命システムは多様性と多様化によって繁栄し、その結果、生命システムは開き、創造し、適応し、関係し、進化することができる
・生命そのものが、多様性と異種受粉に支えられている
◯組織に置き換えると?
①発散フェーズ
・私たちは、社会の多くの分野で実践されている単一文化的、企業的な考え方ではなく、既成概念にとらわれず、型にはまらない考え方を取り入れ、部門を越えて働き、異なる視点を取り入れる必要がある
・発散とは、年齢、信条、文化、性別、そして職場環境全体における異なる視点などの多様性を歓迎すること
・リーダーは、組織内(ビジネス上の異なるサイロから集まった人々が視点を共有する場を提供する)と組織外(外部のステークホルダーグループが視点を共有する場を提供する)の両方で境界を越えて働くことにより、発散を促すことができます
②収束フェーズ
・開放、探索、実験、接続と並行して、私たちは異なる視点を調整し、発見を統合する必要があります
・従来、組織の調整とフォーカスは、権力に基づく統制と官僚主義、そしてきちんと定義された3年間の事業計画や固定された四半期目標によって達成されてきました
・パーパスは、多様な視点を一つにまとめ、境界を越えて働く機敏なチームを鼓舞し、活気に満ちた生命システム全体に一貫性をもたらすような焦点を提供する重要な推進力となる
・ここでいう「パーパス」とは、ミッション・ステートメントを作り直したり、ピカピカのバリュー憲章を壁に貼ったり、高価な外部コンサルタントに依頼してミッションやバリューを巧みに定義した新しいスライドを作らせたりすることではありません。そうではなく「共鳴するパーパス意識」とでも呼ぶべきものを、内側から育てていく必要があります。これは、組織内の多くの人々が組織のパーパスに共鳴して初めて実現できるものです
・現時点では、収束とは恐怖に基づく権力や支配ではなく、心からの価値観とパーパスによって生み出される調和と結束の力であると理解することが重要
③創発
・創発とは、生命がそれ自身を表現する方法
・リジェネラティヴリーダーの役割は、収束と発散の緊張関係をうまく利用し、刻々と変化する組織の環境に適した創発のレベルを生み出すこと
(2)リーダーシップダイナミクスについて
・変革の時代や困難な時代に適応し、進化するために、リーダーとして培うべき個々の能力に関するもの
・セルフアウェアネスとシステムアウェアネスは、私たちが複雑性のギャップを超えて到達するのを助ける2つの本質的な能力
※コメント
セルフアウェアネスとシステムアウェアネスが錬金術のように組み合わさることでリジェネラティヴリーダーシップ意識が生まれる(あるいは、足を踏み入れるという表現があります)ようです。2つのアウェアネスを磨くことが重要なようです。
◯セルフアウェアネス
・セルフアウェアネスとは、何よりもまず私たちが自分自身を知ることであり、それによって自信をつけ、人生との関わりを損なわないように、自分の投影、不安、シャドゥを抑えることができるようにすること
・反応的なエゴ意識から意識を引き離し、そのわだかまりや癖、煩わしさ、そして投影を見渡せるようになると、より冷静に、賢く状況を判断できるようになる
・自分の思考に気づき、自分の反応、習慣や判断、恐れや感情を観察します。自分の中に湧き上がる感情を感じ取り、それに反応する前に意識することができる
◯システムアウェアネス
・システムアウェアネスとは、生きている組織内のシステムのネットワークや、家族や友人、地域社会、より広い生命の生態系など、より広いステークホルダーの生態系全体を感知する能力
・システムアウェアネスによって、リーダーは、エクセルシートやビッグデータなどの定量的な手段に過度に慣らされることなく、システムからの他の定性的なインプットに対して知覚の地平線を開くことができるようになる
・リーダーは、システミックアウェアネスを実践することで、フローを開放したり、停滞したエネルギーを活性化したりするのに最適な場所を感じ取ることができるようになる
・エコシステムファシリテーターになるための鍵は、「空間を保持する」能力、つまり、関係性の流れを感じ取りながら、異なる視点を持つ多様な人々の間で生成的な対話を成功させるために心理的に安全な容器を提供すること
・未来は、今この瞬間、ここで展開されており、この瞬間に参加する私たちのセルフとシステムのアウェアネスの質にかかっている
・私たちが、培われたセルフとシステムのアウェアネスを通して生命に開かれていけばいくほど、私たちを通して生命が展開されていくことができる
◯リジェネラティヴリーダーシップ意識とは?
・以下のような能力を生み出すとのこと(書籍から一部抜粋)
「エゴを手懐け、訓練する」
「人生を学びの旅として受け入れる」
「合理性を超えた知恵を求める、現実の直感的、複雑、曖昧、非線形な性質を受け入れる」
「自分の中にある男性的な側面と女性的な側面を育むことによって、全体性を追求する」
「生命、自然との関係を深め、リビングシステムフィールドを活用し、生命システムに関する知恵を応用する」
◯スーパーネイチャーについて
→私たちが持つ直感、合理、感情、身体といった4つの自然知能を統合することで、私たちのスーパーネイチャーを活性化することができるようです。そして、そうなることでセルフとシステムの統合が可能になるようです。
・スーパーネイチャーの活性化とは、私たちがこれまで訓練を受けてきた合理的、分析的、機械的な傾向を超えて、全身から知性を引き出して、私たちの潜在能力を最大限に引き出すこと
このPartを読み感じたこと・特に印象に残ったこと
・正直、このパートは難しかったです。2つのダイナミクスの関係性やそれぞれにおける要素の関係性について掴みきれなかったので。書籍だけで新しい概念について学ぶことの限界を感じますね・・・。
・多様性、多様化、文化の異種交配というキーワードが気になるポイントでした。発散と収束があって、その間に創発が流れているという表現が興味深かったです。
・生命システムの働きにならう、拡散→収束→創発という3つのフェーズについて読みながら思い出していた体験がありました。それは、書籍「土中環境」の執筆者であり自然を再生しているという意味でのリジェネラティブリーダーといえる高田宏臣さんのフィールドにお邪魔して行った「田んぼの湿地の環境再生体験」でした。
循環が悪い湿地に泥と枝などを重ねて高いところをつくり、掘る&杭を打つことで低いところをつくっていくこと。そうすることで、水の流れが生まれる。これらを伝統的な土木のやり方で行う体験をしました。
ここで触れた自然現象を、このPartで言われている発散と収束で捉え直すとしたら、創発がスムーズに行われる(水がスムーズに流れる)には山と谷という極をしっかりとつくることが大事ではないか?と思えました。発散のプロセスでは越境するぐらい枠を越えて視点を捉え直す・意見を集めることが大事だと個人的に受けとめたので「山をちゃんとつくっているか?谷をちゃんとつくっているか?」という問いをプロセスの中で試してみたいと思いました。
また、ここから健全な対立ということにも興味が湧き、関連する本を読み始めました。
ちなみに収束フェーズでは育まれる目的意識が大事というのは関係性がいまいちわからなかったけど、興味深い箇所だと思いましたね。
おわりに
他の探究にかまけて続きを仕上げずに数ヶ月寝かせていたら、この記事を完成させるよりも前に本全体を読んで何を受け取ったか?が完成しちゃいました 笑
この書籍の和訳本は2023年中に出版されるという話を聴いているのですが、出版前に全チャプターについて書き上げることができるかどうか。書き上げられたらいいなぁ、どうかなぁ 笑。
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