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栄養情報51 自律神経を整える食べ物

《自律神経とは?》

血圧や呼吸数、体温など身体の様々な機能を調整している神経系です。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は身体全体の環境に対する情報を受け取り、体内の特定機能を制御します。
副交感神経は、その機能を制御する働きがあります。

この交感神経と副交感神経の2つの自律神経のバランスが崩れることによって、季節の変わり目にだるさや不眠を感じてしまいます。

自律神経を整える栄養素についてご紹介したいと思います。


●交感神経を整える栄養素

・GABA(γ-アミノ酪酸)

人間の脳や神経の中にある神経伝達物質として働くアミノ酸です。
身体を休める時に働く自律神経である副交感神経の活動が促されることから、GABAには心をリラックスさせる作用があると考えられています。
発芽玄米、みそや漬物などの発酵食品に多く含まれていますが、最も気軽にたくさん摂れるのが「トマト」です。
中トマト1個に40~60mgなので、1日に必要なGABAが摂取できます。

・たんぱく質

内臓、血液、毛髪、皮膚などの材料だけでなく、自律神経を整えるために必要なノルアドレナリンやメラトニンの材料にもなります。
ノルアドレナリンやメラトニンが不足すると、ホルモンバランスが乱れ、自律神経の乱れを引き起こすことになります。
そのためにも肉、魚、卵、大豆製品、乳製品を毎日しっかりと摂ることが大切です。

・カルシウム

身体を活発に動かすときに働く自律神経である「交感神経」の働きを抑制する作用があり、脳の興奮を抑えるのに役立ちます。
乳製品、子魚、大豆製品などに多く含まれています。

・ビタミンB6

アミノ酸の代謝を助ける作用があり、神経伝達物質の合成に関係します。
不足すると、憂鬱な気分が続く場合があります。
まぐろの赤身、バナナ、香味野菜などに多く含まれています。

・ビタミンD

カルシウムの吸収を促す作用があるため、効率よくカルシウムを摂取するために必要です。
また、神経のバランスを整える脳内の神経伝達物質である「セロトニン」を調節する作用もあります。
きくらげやしいたけなどのきのこ類や内臓ごと食べることができる魚(ししゃも、しらすなど)に多く含まれています。

・トリプトファン

脳内ホルモンである「セロトニン」を増やすことができます。
セロトニンは、三大神経伝達物質の1つです。


●交感神経を整える飲み物

・ココア

苦み成分である「テオプロミン」に自律神経を調整する作用があり、
脳のリラックス効果を促す作用があると言われています。
牛乳で割って飲むと、トリプトファンも一緒に摂ることができるのでよりおススメです。
ホットミルクにもリラックス効果があり、睡眠前に飲むとぐっすりと眠ることができます。

・カモミールティー

交感神経活動の指標が低下し、副交感神経を優位にして身体をリラックスさせてくれます。
カモミールに含まれる「アピゲニン」という成分が興奮した自律神経を整えさせてくれます。

・ヨーグルト

トリプトファンが摂取できます。
手軽な飲むヨーグルトを日頃から積極的に摂りましょう。


自律神経を整えるためには、生活習慣を見直し、ストレスをコントロールすることが大切です。
ストレスを感じないような生活を送ることはなかなか難しいですが、
バランスの良い食事を心がけることで交感神経が整えられ、身体の不調を感じにくくなります。
普段から少しでも意識していただけると嬉しいです。