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【高齢期ケア・リハビリ】老化による性格変化

心理学には性格診断の基準が

あります。

その中でも有名なのが

「ビッグファイブ」

性格を5つの因子に分類されています。


ビッグファイブ5つの因子

第1因子 外向性

「話し好き」「大胆」「エネルギッシュ」

       ↕

「静かな」「臆病」「無気力」


第2因子 協調性

「温かい」「協力的」「寛大」

       ↕

「冷たい」「敵対的」「ケチ」


第3因子 誠実性

「きちんとしている」「責任感がある」

       ↕

「だらしない」「無責任」


第4因子 感情の安定性VS神経症的傾向

「安定している」「満足した」

       ↕

「不安定」「不満」「神経質」


第5因子 開放性+知性

「好奇心旺盛」「知的」「創造的」「柔軟性がある」

       ↕

「探究心のない」「頭の鈍い」「柔軟性がない」


こちらの5つの因子の組み合わせで

人の性格を表すことができます。


老化による性格変化

さて、老化するとこの因子がどうなるのか。


注目は第5因子 開放性+知性

の開放性が低下するといわれています。


いわゆる

好奇心・探究心・創造性・柔軟性

の低下です。


他にも

第1因子 外向性
第3因子 誠実性

も低下する傾向にあるようです。



反対に

向上する因子は

第2因子 協調性

あるいは

第4因子 感情の安定性

です。


まとめると

高齢者の性格特性は

1.エネルギッシュではない
2.他者とうまくやっていける
3.自己充足性が強くなる
4.感情は安定
5.好奇心・探究心が低下


そう言われればそうだな、と

いうライナップですね。


いつまでも生き生きできる性格特性

では

健康寿命が途切れ

要介護になった際も

生き生きと長生きできる性格特性は

なんでしょう?


臨床経験から考えられる

生き生きと長生きできる

性格因子はふたつ。


ひとつめは

2.協調性

たとえば

①夫婦関係


3歩下がる妻

「おいっ」と呼べば妻がやってきて

何もかも世話をされることを期待する夫

これは長年の夫婦関係なので

とやかく第三者が意見はできないですが

ほとんどの場合、これを続けていると

夫の衰えが早く妻の疲弊も溜まりいいこと
ありません。


ですので

頼る部分と自分でする部分

きっちり冷静に考えられる

夫婦関係が望ましいといえます。

あくまで夫婦対等に
協力・協調できる関係が大事です。



②友人関係

また友人との付き合いが続いている方も

生き生きとされてます。

人に会うことで身なりを整えたり

直接的に話したり

手紙やSNSなどでやりとりしたり

人とつながることで

人の活動は増えます。

煩わしい人間関係は逆にストレスかもしれませんが

丁寧に人間関係を築ける方は

生き生きとされてます。


また協調性があると

デイサービスやデイケアに行っても

楽しめます。



要介護になっても生き生きと暮らせる性格因子

もう一つは

5.開放性

です。

いわゆる

好奇心・創造性が高い方です。


それらは

新しいもの、場所に行く、

観たもの、食べたもの、体験したことに

感動や生きがいへの原動力となります。



ある90代後半の方の趣味のひとつは

百貨店のグルメ通販です。

「これもおいしそう、あれもいいな」

これも食への

好奇心・探究心ですね。


また、ある90代女性は

仏像が大好きで

水墨画で絵を描かれます。


いずれも要介護の方です。



しかし

老化による性格特性で

協調性は向上し

開放性(好奇心、探究心など)は低下します。


だからこそ、そこを踏まえて

きたるべき老化に備えることや

周囲が理解することで

高齢者への接し方を考えることも

大切かと考えます。


最後まで読んでいただきましてありがとうございました!



参考文献)






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