自由人と社会保障 -Libertarianism and Social security-

日本最大の支出分野 社会保障の縮小的問題解決を目指し、リベルタリアニズムの観点から考察…

自由人と社会保障 -Libertarianism and Social security-

日本最大の支出分野 社会保障の縮小的問題解決を目指し、リベルタリアニズムの観点から考察する。 サキシル連載中:https://sakisiru.jp/author/tomoyukinakada

最近の記事

[法案調査] デジタル改革は本当にお得なの? 金額なきグランドデザインに違和感

要旨 - Summery2024年参議院 第213回国会にて議論される「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案」について浜田聡 参議院議員の依頼で調査を行ので、その結果を依頼に基づき公表する。 (1) 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案 - デジタル

    • [法案調査] オーストリアとの年金協定で二重払い解消、経済交流活性化へ

      要旨 - Summery2024年参議院 第213回国会にて議論される「社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協(1,2)」について浜田聡参議院議員の依頼で調査を行ので、その結果を依頼に基づき公表する。 (1) 日・オーストリア社会保障協定の署名が行われました ー 厚生労働省 (2) 日・オーストリア社会保障協定の署名 ー 外務省 背景 - Backgroundオーストリアは460.60ユーロ(68,600円 調査時点)以上の収入がある場合年齢・国籍を問わず強

      • [法案調査] mRNA研究等の法整備。法令順守コストは軽減されるのか

        要旨 - Summery2024年参議院 第213回国会にて議論される「再生療法等の安全性の確保等に関する法律及び臨床研究法の一部を改正する法律案」について浜田聡参議院議員の依頼で調査を行ので、その結果を依頼に基づき公表する。 (参考)第213回国会(令和6年常会)提出法律案 ー 厚生労働省 (参考)新旧対照表 背景 - Background再生医療等の安全性を確保等に関する法律は、2013年に議員立法で規定された。 再生医療の最も基礎的なものは、表皮細胞をシート状に培

        • [法案調査] 法文大幅簡素化で画期的! 戦後そのままの公務員旅費法、見直しへ

          要旨 - Summery2024年参議院 第213回国会にて議論される「国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案」について浜田聡参議院議員の依頼で調査を行ので、その結果を依頼に基づき公表する。 (参考)第213回国会における財務省関連法律 : 財務省 (mof.go.jp) (参考)新旧対照表 背景 - Background「国家公務員等の旅費に関する法律」の制定は昭和25年。GHQによる占領統治の時代にまでさかのぼり、その法文には当時の旅費事情を偲ばせる取り

        [法案調査] デジタル改革は本当にお得なの? 金額なきグランドデザインに違和感

          [法案調査] 政策目標が箱もの行政!? 二地域居住は誰のためか

          要旨2024年参議院にて議論される「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」について、浜田聡参議院議員の依頼で調査し結果の公表を行う。 (参考)報道発表資料:「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定 ー 国土交通省 (参考)新旧対照条文 ー 国土交通省 背景二地域居住政策は2020年4月より開始された長野県佐久市における ”リモートワーク実践者スタートアップ支援金” が発端であり、新幹線乗車券等を購入す

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          [法案調査] 生活困窮者の支援制度は、生活保護との二重制度を早期解消すべき

          要旨2024年参議院にて議論される「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案」について、浜田聡参議院議員の依頼で調査し結果の公表を行う。 (参考)第213回国会(令和6年常会)提出法律案 ー 厚生労働省 (参考)法律案新旧対照条文 ー 厚生労働省 背景生活困窮者の支援制度は2015年から施行された比較的新しい制度。前身は第二のセーフティネットといわれた「住宅手当」である。 最も直接的な救貧を担ってる生活保護制度は、古典的な議論では不当な低賃金労働による搾取を防止する

          [法案調査] 生活困窮者の支援制度は、生活保護との二重制度を早期解消すべき

          [法案調査] 物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律案

          2023年11月29日審議予定の本法案は地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会より提出されており、令和5年11月2日に閣議決定されたデフレ完全脱却のための総合経済対策における住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり7万円を給付する政策に関連し、その差押えを禁止する法律案である。なお物価高騰対策給付金の詳細に関しての詳細は、執行主体となるであろう地方自治体の発表にて「未定」となっている(11月27日現在)。 ・令和5年11月2日(木)臨時閣議案件 | 閣議 | 首相官

          [法案調査] 物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律案

          [法案調査]大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案

          背景日本における大麻は古くから衣服や縄など繊維製品の原材料として、重要な農産物だった。戦前においても幻覚作用のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)含有率の高い外国種などいわゆる「インド大麻」は国産大麻と区別され規制を受けていたが、戦後GHQ統治下になると全ての大麻栽培が規制の対象となった。欧米諸国にとっての大麻とは違法薬物の原材料であり、ベトナム戦争に対する反戦運動(ヒッピー・ムーブメント)における濫用や、1961年「麻薬に関する単一条約」国際条約における指定、または化学

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          減税政策は政府の節約を促す ー フリードマン「政府からの自由」より

          私は常日頃より権威主義を好ましく思わないが、時に大きな説得力を持つことを十分理解している。「減税派」の主張がノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏の見解と合致しているという証拠は、”全ての増税に反対” の主張に疑いの目をもつ人たちの印象を変えるだろう。 ハイエクやブキャナンといった自由主義者の訳本を目にする機会は少ない。「資本主義と自由」や「隷従への道」といった有名どころはともかく、その他の著作の多くは書店はともかく、図書館ですら書庫の奥底にしまい込まれていると

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          [自主制作] 出産費用無償化政策 規制の事前評価シートによる行政コストの試算

          今回は「規制の事前評価」が民間側で十分に作成可能であることを周知するために、代表戦で話題を博した日本維新の会が最重要マニュフェストとして掲げる「出産費用の無償化」について、総務省が公表する「規制の事前評価」にあてはめ筆者が独自に実践してみました。 簡単に読める解説や、民間で規制評価を作成する意義に関してはサキシルにてまとめましたので下記リンクよりご参照ください。 なお本稿は政策の論点整理を目的としており、維新案へ賛否を表明するものではありません。 【近日公開予定】 (

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          リバタリアンって何?

          普通に生きていると聞きなれない『リバタリアン』という言葉。いったいどこから来た、何を意味する言葉なのでしょう。もちろんオバタリアン(中年女性)でもバタリアン(ゾンビ)でもありません。 その意味するところは「自由を追及する考え方」。こう説明されると、無政府主義(アナーキズム)や共産主義(コミュニズム)の一種かと思う方もおられるでしょうが、それも違います。 リバタリアニズムは多くの人に共感を持ってもらえる考え方です。例えば漫画ワンピースの主人公ルフィの考え方はリバタリアンに近

          補正予算の財源は借金だ

          しばしば議論になるのは減税の財源に関してですが、私は補正予算の無駄を徹底的にチェックすることだと考えています。 まず補正予算の財源はほぼすべてが赤字国債です。 財政均衡を重視する方々は「全ての増税に反対」に異を唱える前に、毎年制約もなく赤字国債を財源にバラ撒かれる補正予算に問題意識を持つことから始めたほうが良いのではないでしょうか。 当noteでは今後も補正予算の無駄について、継続的にレビューしていきたいと思います。 国債は建設国債と特例国債があり、建設国債は公共事業

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          厚生年金維持より生活保護増加のほうが安上がり

          22年参議院選挙において茂木自民党幹事長が「消費税減税なら年金3割カット」と発言し物議をかもしています。実現は難しいと思いますが、年金制度の縮小見直しによる減税は「小さな政府」の考え方としてはむしろ歓迎です。 本来老後資金は個々人の人生設計に応じて貯蓄や投資するもので、年金制度という形で国が一元的に徴収・配給するのは大きな非合理が生まれます。事実、厚生年金は現役世代に所得が大きく資産形成の機会に恵まれるものに対し、より高額の給付があるおかしな制度です。 たとえば厚生年金を

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          「社会保障費は減らせない」はウソっぱち

          増税容認論者の問題意識は少子高齢化で社会保障費は減らせないという部分にあるかと思います。「増税しなければ、あなたは医療を受けられなくなります」と脅すわけです。 しかしそれは医療従事者からみればてんでおかしな話です。なぜならば医療制度で支出削減可能な部分は数多くあるのに、政府はそれら具体案ほとんど実行してこなかったことを知っているからです。 政治家はあなたが「医療制度の無駄」について詳しくないという、情報の非対称を突いて増税を容認させようとしているのです。 それではみなさ

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          増税しても財政均衡に至らない国 それがJAPAN

          減税を訴える中での反論は「財源はどうするのか」「赤字財政は放置していいのか」という二つに大別されます。 今回扱うのは「赤字財政の解消が優先」という考え方に関してですが、政治用語ではこれを財政均衡を重視すると言い換えることができます。 具体的には税収と政府支出の額は同等でなければならないという当たり前のことをいっており、財政均衡を重視するという考え方自体には多くの減税派が賛成すると思います。 一方で財政均衡を得るために増税が必要だという考え方には反対です。 ご存知の通り

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          減税派ってなに? との問いに私的見解を述べる

          そもそも減税派のコアメンバーは「自由主義」それもトラディショナルなものに立脚しているため、個々人の解釈を尊重しています。 ゆえに価値観を「枠」にはめて固定化し他者依存的にすることに抵抗感を抱きます。だからこそこの記事は「私的見解」を冠することとしました。 昨今様々な社会問題に対して補助金・支援金・税制改革・規制強化で対応されてきましたが、そのように政府が再配分や統制強化をすることが本質的な問題解決となるか疑問を抱く人たちが次々と減税派に合流してきています。 その中でほと

          減税派ってなに? との問いに私的見解を述べる