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増税しても財政均衡に至らない国 それがJAPAN

減税を訴える中での反論は「財源はどうするのか」「赤字財政は放置していいのか」という二つに大別されます。

今回扱うのは「赤字財政の解消が優先」という考え方に関してですが、政治用語ではこれを財政均衡を重視すると言い換えることができます。

具体的には税収と政府支出の額は同等でなければならないという当たり前のことをいっており、財政均衡を重視するという考え方自体には多くの減税派が賛成すると思います。

一方で財政均衡を得るために増税が必要だという考え方には反対です。

ご存知の通り日本は政府支出に対して税収が不足しており、それは少子高齢化による社会保険料の膨張が理由などと言われております。つまり財務省としては政府支出が増加するのは不可抗力なのだから、増税によって解決するしかないと説明し続けてきました。

ゆえに財政均衡派は増税による解決しかないという先入観があるために、減税という言葉に対しすぐに「無制限の赤字国債発行」を連想し批判してきます。

私からすればそれはお門違いです。まず減税派はそう簡単に減税が達成できるとは考えておらず、減税を政治的に要求することで全ての増税を防ぐことを第一の目標としています。

今回論じるのは、「では逆に、増税すれば財政均衡を得られるのか」というテーマに関してです。

政治家は選挙で勝たなければその身分を維持できないため、最も優先すべき事柄は選挙に勝つことです。投票率の低い日本においては、政治家は特定の団体に便宜を図り組織票を獲得できれば勝てます

これ自体は悪いことではなく、単に「世の中の仕組み」なのでどうこういうつもりはありません。

この仕組みを前提に、一般的な政治家のフットワークが軽くなる政策を順に並べると下記のようになります。

社会保障や企業補助金などの政府支出拡大 > 赤字国債増発 >>> >>増税による財政再建 >> 歳出削減

つまり政治家がもっとも積極的に取り組むのは支持母体のやりたい政策に予算をつけ、社会問題を解決しつつ感謝されることです。ところが予算がなくなったとしても、国債が発行できるなら可能である限り政治家たちは支出拡大をやめようとはしません。

なぜならば政府支出拡大も赤字国債増発も、政治家は個人的な責任を負わないからです。そして財務省から「これ以上国債発行するとマジでやばいです」といわれてようやく収支バランスを意識します。

https://www.globalnote.jp/post-12146.html

なんでヤバいのかというと諸説ありますが、国債残高対GDP比上位陣を見ても分かるようにロクなことにならないのは明白です。

そういうわけでこれ以上国債増発をするのはさすがにマズいとなると、政治家はしぶしぶ増税か歳出削減の検討を始めます。どちらも票を減らすので、政治家はどちらもやりたくないというのが本音でしょう。

このときそれぞれの方法で失う票を見てみましょう。

増税によって薄く広く負担を強いた場合、失うのは浮動票です。一方で歳出削減するということは支持母体への補助金も危険にさらすので、失うのは組織票です。

もうお分かりですね、政治家は自発的に歳出削減を選ぶことはありません。なぜならば組織票さえあれば選挙に勝てるからです。

直近の実例としては、2019年消費税増税時の税収増分の使途見直しが挙げられます。これは「保育園落ちた日本〇ね」問題により与党への批判が高まる中行われた2017年衆議院選挙における、子育て世代への懐柔策です。

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