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減税派ってなに? との問いに私的見解を述べる

そもそも減税派のコアメンバーは「自由主義」それもトラディショナルなものに立脚しているため、個々人の解釈を尊重しています。

ゆえに価値観を「枠」にはめて固定化し他者依存的にすることに抵抗感を抱きます。だからこそこの記事は「私的見解」を冠することとしました。

昨今様々な社会問題に対して補助金・支援金・税制改革・規制強化で対応されてきましたが、そのように政府が再配分や統制強化をすることが本質的な問題解決となるか疑問を抱く人たちが次々と減税派に合流してきています。


その中でほとんど唯一のルールが「あらゆる増税に反対する」というものです。

具体的には「Aという減税をするためにBに課税強化する」という政策に減税派は賛同しません。Bの増税は自分に関係がないものだからと容認すると、今度自分に関係のあることが増税の対象となった時にBの関係者は助けれくれません。

このように増税しやすい声が届きにくい弱い立場から課税強化していく政府の各個撃破にやられるようでは、いずれ政府と癒着の強い企業や外郭団体のみが優遇され「働かざるもの食うべからず」の原則から「政府に従わざるもの食うべからず」へと進んでゆきます。

他人の増税にも反対して協力し数も声も大きい「増税反対」の塊をつくることで、安易な制度設計による国民の経済的自由・社会的自由の減少に歯止めをかけようというのが減税派の共通目標です。


一方で良識的な諸氏は減税の財源について気になるものと思います。近年巷で流布されるリフレ派・MMT派のような大幅な国債増発に対して減税派は反対

大枠としては政府による全ての増税の試みを頓挫させることで、予算上限を徹底することを求めています。先例としては1980年大平内閣での消費税導入の頓挫、続く1981年鈴木内閣が設置した土光臨調によるゼロ・シーリングのような流れを想定しています。

1985年以降バブル経済で行政改革の声は縮小したが、2年間の「増税なき財政再建」は達成

現在予算上限(歳出シーリング)は「医療年金分野」と「補正予算」において対象外となり実質骨抜きになっています。抜け道・聖域なきシーリングの実施が必要です。

また歳出シーリングを実施する場合どの事業を残してどの事業を削減するかは、その事業に関わる業界団体自身がその必要性をどれだけ国民に説明できるかに依ると考えています。こういった政策の事前・事後評価によるEBPM(証拠に基づく政策形成)は英国のグリーンブックによる行政評価や2:1ルールなどを先例を見ることができます。


上記は国政・マクロ観点ですが、減税派はスモールスタートとしてボトムアップ・ミクロ観点からの「Do It Yourself」の掛け声を重視しています。具体的には分野別減税会やご当地減税会の無駄の指摘と見直しの取組をあげることができます。

皆さま様々な分野で働いていると思いますが、その中で無駄な行政事業・書類作成・実際の問題解決に直結しない補助金自分の仕事に様々な形で関与してくることに気付くと思います。

分野別減税会ではそれらの現場目線から、無駄な補助金や規制がかえって国民の便益を損ねていることを論点整理していきます。この分野ではクルマ減税会が特に先鞭をつけており、私も医療年金について記事上で論じています。

またご当地減税会では各地方自治体における行政の最小単位である事務事業の評価シートをチェックすることで、税の無駄遣いを発見し見直しを促す活動をしています。

以上のような個々人のDo it yourselfの活動が実を結べば、減税派の仲間は大勢あつまり実現可能性が高まっていきます。政策形成に関しても、自由市場の考え方が適応できると我々は考えています。一方で他者の経済的自由を奪おうとする「自称・減税会」には批判が集まりその企画は頓挫します。

このように減税派の活動を紹介していくと、『最後はどこまで減税し、どういった税を認めるんだ』といった問いを頂くことがあります。

この問いは2つの理由で意味をなしません。

まず1つ目は政府はこれまで様々な理由付けで明確に減税を拒否しており、減税派が全力をかけても増税に歯止めをかけるのがせいぜいであるという現実を減税派はしっかりと認識していること。

2つ目はいずれの税制もそれなりの必要性や問題意識を認めるために選択肢を狭めないという自由主義の価値観に立脚した理由です。どの税が最も合理的かはその税を推進したい本人が自分の言葉で説明すべきであり、その役目は我々減税派が担うものではありません。ここでもDo it yourselfの考えです。

減税派はこのように個々人の問題意識の発露と創意工夫を応援しています。リーダーはいません。一人一人が主役です。あなたが一歩を踏み出さなければ何も始まりません。

ぜひ10年、20年続ける活動としてマイペースでやってみてはいかがでしょうか。

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