年末のご挨拶

2021年はたいへんお世話になりました。
日頃よりご愛顧いただいている読者の皆さま、お付き合い頂いているクリエイターの皆さま、note神話部の皆さまには感謝してもしきれません。おかげさまで充実した一年になりました。

さて、さっそく年始の投稿ですが

1月3日（月）
　note神話部1月のお題企画作品集『炉』

1月4日（火）
　連載小説／花の矢をくれたひと
　20. 詩聖カーリダーサ

を予定し

人生の散歩のように

顕れる僕、潜る僕【エッセイ】

2021年も残り僅かになってきて、意識せずとも勝手に1年間を振り返ってしまう。昨年から大きな環境の変化はなかった。ウイルスをめぐる社会情勢は日々変容していったものの、個人の単位においては生活リズム、活動範囲、気をつけなきゃならないこと、どれにおいても昨年から引き継いだものばかり。

しかし心境の面では大きな変化があったと言って良いかもしれない。4〜5年ほど前から「潜る」という言葉が好きになって、今

感情の伝播範囲【エッセイ】

ヘッダー画像：鈴丸みんた
『恋をするつもりはなかった』（集英社）

僕が愛読しているBLコミックでは時に面白い描写が見られる。主人公（もれなくイケメン）や相手方（もれなくイケメン）の精神状態が関係のない周囲の者に伝播するというものだ。

例を挙げると、普段より女子社員からキャーキャー言われているイケメンが、男と恋に落ちて物憂げな顔で過ごしていると周囲を（男女かまわず）うっとりさせる。その中からうっ