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檸檬読書記録 『本おじさんのまちかど図書館』

今日の本は
ウマ・クリシュナズワミー『本おじさんのまちかど図書館』
児童書だ。


本好きの女の子は、本おじさんがやっている無料の図書館「まちかど図書館」で1日1冊本を借りていた。
本おじさんは、その日その人に会った本を1冊選んでくれる。選んでくれた本はいつもぴったりで、故にヤズミンは毎日楽しみにしていた。
けれど匿名の手紙から、本おじさんはまちかど図書館をやれなくなってしまう。
もう一度まちかど図書館を取り戻すべく、子供たちが立ち向かう、という話。


なんともメッセージ性がある話だ。
子供、というよりも大人が見習うべきことなのかもしれない。
政治もテーマになっているのだが、インドでは投票したら2度投票出来ないように指に何週間か消えないインクを塗ると知って、驚いた。
インドが舞台になっているので、文化も違えば食べ物や楽器も、選挙なども違うことを知れるのは面白い。


それにしても、その日その人に合った本を選んでくれる本おじさんのような人がいるのは羨ましい。
自分は優柔不断で、なかなか次の本を決められない。
今日は明るい気分かもしれない、いや、気分が上がってるうちに暗い系もいいかも?それならミステリーか?でもワクワクする冒険物やファンタジーもいいな、けどやっぱり…
とかなんとか、うだうだ考えてしまって、なかなか決められない。なかなか決められなさすぎて、本棚の前でだだ時間だけが無情にもすぎてしまう。大事な本を読む時間を自ら削ってしまっている。
これはいけない。そう思って、最近では事前に読む本を10冊決めるようにしてる。順番も決めているから、その順に読むだけでよいから、悩む人にはおすすめだ。
ただ10冊決める時に凄く悩むが…だけど10回悩むのを1回で済むことが出来る!お得だ。(お得か?)


けれどやはり、その人に合った本を選んでくれるのは憧れる。近くにいたらどれほどいいか…。
本を選んでくれるといえば
里見蘭『古書カフェすみれ屋本のソムリエ』(1~3巻)
がある。この本はその人が困ってる困り事や謎の鍵となる本を差し出してくる。
この本のどこが謎を解く鍵になるのだろうと思いながら読み進めてもいいし、了読後に出てきた本を読むのも面白い。2倍楽しめる。
この本で
ポール・ギャリコ『猫語の教科書』
を知った。猫が書いた猫の生態の本だ。視点が面白い。『古書カフェすみれ屋本のソムリエ』を読まなければ、読まなかっただろう本。
こういうのがあるから、本が出てくる小説は読んでしまう。
この本は本だけでなく、美味しそうな料理も出てくる。カレーやサンドイッチ、ハンバーガーにピザ…しかもただのサンドイッチじゃなくて、ロブスターが入ってたりと、凝っている。読んでるだけでお腹が空くし、食べたくなる。
古書と素敵なカフェが一緒になっているお店…近くにあったら最高だろうなと思ってしまう。


そういえば、他にも近くにあったらいいなという本屋が出てくる小説がある。
名取佐和子『金曜日の本屋さん』(全4巻)
こちらは、読みたい本が見つかる本屋の話。
出てくるキャラクターは皆個性的で、紹介される本は全部読んでみたくなる。
この本で
茨木のり子『自分の感受性くらい』
を知り、茨木のり子さんという詩人を知った。未だ感受性は読んでないけれどきっかけで『倚りかからず』を読んだ。結構ストレートで強烈、だがその感じがいい。
詩慣れしていない自分にも、分かりやすかった。


この2作は、本だけじゃない。『古書カフェすみれ屋本のソムリエ』も『金曜日の本屋さん』も、恋愛面も素敵なのだ。どちらともに微笑ましく、応援したくなる。
まとめると、多方面で楽しめる作品だ。


本を題材にしてる作品はついつい手に取ってしまうのだけど、当たりが多い気がするなと思いつつ、今回は閉じようと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ではでは。


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