伊藤仁斎(1627年8月30日~1705年4月5日)著『語孟字義(ごもうじぎ)』「王覇」にこうある。
2015年(平成27年)5月17日、子安宣邦(こやす・のぶくに、1933年2月11日~)著『仁斎学講義:『語孟字義』を読む』(ぺりかん社、本体2,700円)が刊行された。
序 仁斎古義学のラジカリズム―『論語』から読むこと―
1 仁斎に対抗する徂徠
2 『論語』は宇宙第一の書
3 『論語』から読むこと
4 徂徠学の対抗的形成
5 『論語』・思想批評の原基
6 孔子、堯舜に賢れること遠し
7 仁斎のラジカリズム
第一章 古学先生伊藤仁斎の窓外と人となり―『先府君古学先生行状』を読む―
第二章 「孔子の道」の古義学的刷新―『語孟字義』を読む―
序 『語孟字義』とは何か
1 儒家古典と朱子学
2 人は『論語』をどう読んだのか
3 『論語』の再発見と古義学
4 『語孟字義』という書
5 「道」と「性」
■第一講「天道」
天地の間は一元気のみ―「天道」第一条~第八条
一陰一陽、往来して已まず/天地は生生して已まず/今日の天地は万古の天地/夫子の天道を言うは、得て聞くべからず
■第二講「天命」
天の主宰性と天命観―「天命」第一条~第五条
天の主宰性/人間にとって天命とは/朱子天観の語学的解体/天に直面する仁斎
■第三講「道」
道とはもともと人の道である―「道」第一条~第五条
人の往来するゆえん/人倫日用の道/匹夫匹婦も行く道/実にこの道有り
■第四講「理」
理の字はもと死字―「理」第一条・第二条
「理」字と理学/道字は活字・理字は死字
■第五講「徳」
「道徳」概念の成立―「徳」第一条~第四条
■第六講「仁義礼智」
仁義礼智は道徳の名、性の名に非ず―「仁義礼智」第一条~第四条
道徳は天下をもっていう
■第七講「心」
生き物である人間の心―「心」第一条~第四条
有情の類はみな心あり/心は性情を統ぶ/生物を以って生物に比すべし
■第八講「性」
人は善に進む運動性向をもって生まれている―「性」第一条・第二条
性は生の質なり/孟子のいう「性善」の性とは
■第九講「四端の心」
人人具足し外に求むることなし―「四端の心」第一条・第二条
■第十講「情」
人の同じく好悪する情―「情」第一条・第二条
■第十一講「忠信」「忠恕」
みな人に接わる上についていう―「忠信」第一条~第三条、「忠恕」第一条
■第十二講「誠」
誠は実なり、聖人の道は誠のみ―「誠」第一条・第三条・第四条
■第十三講「学」
孔孟の道と学問の意味―「学」第一条・第二条・第四条
学は効なり、覚なり/聖人立教の本旨/人道の極・仁義礼智の定立
■第十四講「王覇」
王覇の弁は儒者の急務―「王覇」第一条~第三条
■第十五講「鬼神」
鬼神に惑わず―「鬼神」第一条・第二条
あとがき
1906年(明治39年)5月9日、23歳の北輝次郎(北一輝、1883年4月3日~1937年8月19日)著『國體論及び純正社會主義』(北輝次郎、2円85銭)が刊行された。5日後、発禁処分となった。
同書の第十三章より引用する(781~783頁)。
1915年(大正4年)1月18日、大日本帝国は、中華民国に対し、「対支21カ条の要求」をおこなった。これをきっかけに中華民国の学生を中心とした反日運動が起った。
この要求の最後通牒を受けた日(5月7日)と受諾した日(5月9日)を中華民国では「国恥記念日」と呼んだ。
1919年(大正8年)1月、パリでおこなわれた第一次世界大戦の講和会議に中華民国が代表を送り、「民族自決」の原則に期待し、「二十一カ条」の無効を訴えた。
1919年(大正8年)4月29日、連合王国、フランス共和国、アメリカ連合国、大日本帝国の4か国会議で中華民国の要求が退けられた。
1919年(大正8年)5月4日、北京大学の学生3000人あまりが、講和会議の山東に関する条項の承認に反対する抗議行動をおこなった。
1919年(大正8年)6月28日、中華民国は講和条約の調印を拒否した。
1921年(大正10年)11月25日、38歳の北一輝著『支那革命外史』(大鐙閣、4円20銭)が刊行された。
1923年(大正12年)5月9日、40歳の北一輝著『日本改造法案大綱』(改造社)が刊行された。
1928年(昭和3年)12月25日、北一輝著『日本改造法案大綱』(西田税、1円)が刊行された。
2010年(平成22年 )5月10日、「ちくま新書」、64歳の松本健一(1946年1月22日~2014年11月27日)著『日本のナショナリズム』(筑摩書房、本体680円)が刊行された。
2007年(平成19年)から2009年(平成21年)半ばにかけて、著者が東京大学経済学部の同期、民主党の衆議院議員の仙谷由人(せんごく・よしと、1946年1月15日~2018年10月11日)の要請でおこなった連続講義の前半に基づく。
同書の第2章「日本のナショナリズムの曲がり角」、「「対支二十一カ条の要求」は日米戦争への第一歩だった」より引用する(51~53頁)。
1936年(昭和11年)2月26日~29日、陸軍青年将校らが1,483名の下士官・兵を率いて蜂起し、政府要人を襲撃する二・二六事件が起きた。
1937年(昭和12年)8月10日、54歳の北一輝著『増補支那革命外史』(内海文宏堂、1円50銭)が刊行された。
1937年(昭和12年)8月19日、二・二六事件の理論的指導者の内の一人として、陸軍予備役軍人の35歳の西田税(にしだ・みつぎ、1901年10月3日~1937年8月19日)らとともに54歳の北一輝が銃殺刑に処された。
1959年(昭和34年)3月31日、「北一輝著作集」、『國體論及び純正社會主義』(みすず書房、1,200円)が刊行された。
解説は40歳の神島二郎(1918年4月18日~1998年4月5日)だ。
1968年(昭和43年)12月発行、日本政治学会編『年報政治学』「日本の社会主義」(岩波書店)、Ⅲ、46歳の橋川文三(1922年1月1日~1983年12月17日)「国家社会主義の発想様式:北一輝・高畠素之を中心に」、「Intermezzo 北一輝とルソー」より引用する(114~115頁)。
1982年(昭和57年)10月30日、「日本の名著」(全50巻)45(最終回配本)、近藤秀樹(1932年~1987年)責任編集『宮崎滔天 北一輝』(中央公論社、2,200円)が刊行された。
近藤秀樹著「明治の侠気と昭和の狂気:革命と反革命」
宮崎滔天(みやざき・とうてん、1871年1月23日~1922年12月6日)著
「三十三年の夢(抄)」「狂人譚(抄)」「炬燵の中より」「書簡」
北一輝著
「国体論及び純正社会主義(抄)」「国民対皇室の歴史的観察:所謂国体論の打破」「自殺と暗殺」「支那革命外史(抄)」「書簡」
1984年(昭和59年)11月20日、「中公バックス」「日本の名著」45、近藤秀樹責任編集『宮崎滔天 北一輝』(中央公論社、1,400円)が刊行された。
2003年(平成15年)10月31日、「PHP新書」、53歳の佐伯啓思(さえき・けいし、1949年12月31日~)著『現代文明論・上:人間は進歩してきたのか:「西欧近代」再考』(PHP研究所、本体740円)が刊行された。
同書の第4章「「人民主権」の真の意味」より引用する(125~127頁)。
2007年(平成19年)12月20日、長谷川雄一(1948年~)、 C.W.A.スピルマン(C.W.A. Szpilman、1951年~)、萩原稔(1974年~)編、北一輝自筆修正版『国体論及び純正社会主義』(ミネルヴァ書房、本体12,000円)が刊行された。
2008年(平成20年)9月10日、「中公クラシックス」、近藤秀樹編、北一輝著『国体論及び純正社会主義(抄)』(中央公論新社、本体1,800円)が刊行された。
2009年(平成21年)7月14日、「再発見 日本の哲学」、嘉戸一将(かど・かずまさ、1970年~)著『北一輝:国家と進化』(講談社、本体1,500円)が刊行された。
2010年(平成22年)1月10日、「シノドス・リーディングス」、芹沢一也(せりざわ・かずや、1968年~)、28歳の荻上(おぎうえ)チキ(1981年11月2日~)編、34歳の中島岳志(なかじま・たけし、1975年2月16日~)、46歳の片山杜秀(かたやま・もりひで、1963年8月29日~)、51歳の高田里惠子(たかだ・りえこ、1958年1月23日~)、植村和秀(1966年~)、48歳の田中秀臣(たなか・ひでとみ、1961年9月7日~)著『日本思想という病:なぜこの国は行きづまるのか』(光文社、本体1,100円)が刊行された。
2章、片山杜秀「中今・無・無責任」、「セミナーの内容をさらに深めるための五冊」「④嘉戸一将『北一輝』(講談社、二〇〇九)」より引用する(152~153頁)。
2014年(平成26年)11月4日、「PHP文庫」、64歳の佐伯啓思著『西欧近代を問い直す:人間は進歩してきたのか』(PHP研究所)が刊行された。
『人間は進歩してきたのか:「西欧近代」再考』の改題・加筆修正版だ。
解説は67歳の小浜逸郎(こはま・いつお、1947年4月15日~2023年3月31日)だ。
2014年(平成26年)11月25日、「中公文庫」、北一輝著『日本改造法案大綱』(中央公論新社、本体900円)が刊行された。
『日本改造法案大綱』は1923年刊の年改造社版を、「対外国策に関する建白書」は1937年刊『増補支那革命外史』所収を底本とした。
解説は嘉戸一将だ。
2017年(平成29年)2月11日、「講談社学術文庫」、「再発見 日本の哲学」、嘉戸一将著『北一輝:国家と進化』(講談社、本体1,100円)が刊行された。
2019年(令和元年)8月28日、嘉戸一将著『主権論史:ローマ法再発見から近代日本へ』(岩波書店、本体9,000円)が刊行された。
2023年(令和5年)2月21日、「岩波新書」、嘉戸一将著『法の近代:権力と暴力をわかつもの』(岩波書店、本体940円)が刊行された。