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10年間御守デザイナーをやってみてわかったこと #02 お札の話~神社編~

こんにちは。元御守デザイナーのりいなです。
5月になりましたね。皐月は田植えの月「早苗月さなえづき」が語源とも云われ、青々とした緑の情景が浮かびますが、私はひたすらに家に閉じこもる日々です。
このコラムは10年間神社仏閣の世界でデザインにどっぷりと浸かった中で
得たものをまとめていくnoteです。

今回はお札の話。

お札の起源は?

お札を見たことはありますか?
神棚があるご家庭では神棚に仕舞われています。ない方は神社やお寺で紙や木に書かれた細長いものを覚えているでしょうか?

お札とは・・・実は定義があいまいです。

さらに、神社・仏閣、その宗派で呼び名が変わることがあり、
その影響でイマイチ印象が薄いかもしれません。


お札は護符の事ですが、
・道教の呪符や占いの亀卜(きぼく)
・巻数(かんず)というお寺の祈祷で読んだ読経の名前や唱えた数を
 記した紙や、神社の祓の回数を記した紙
・仏像などを作る時に寄付金を募ったさいに絵姿を書いた紙
などが起源ではないかと言われています。

実際、神社のお札の起源は伊勢の神宮からお札を配り歩いたとされる御師が起源とされています。

御師は、古くは熊野や伊勢を訪れる人の案内、ご祈祷、さらには宿を提供し、信仰を広める活動をも行いました。
関東では周辺を取り巻く、筑波、赤城、榛名、戸隠、三峯、富士、大山などの霊山にある神社の御師がその布教活動を行い、信仰を広めていきました。

~武蔵御嶽神社ホームページより~

当時、神職は布教活動をしてはいけない存在だった事から
代わりとなって全国を渡り歩いた祈祷師が御師です。

<図解>お札

お札の祀り方はよく紹介されていますが、構造の紹介はなかなか見当たりません…
恐れ多いからだと思いますが、どんなモノかわからないと手を出しにくい人もいるかと思います。

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神社で一般的なお札は紙で出来たものです。
授与所と呼ばれる売店で頒布されていますので、御守の隣に陳列されていることが多いです。

このお札、結構手が込んでいます。

  ・特製の和紙を裁断
  ・芯に小さな和紙を貼り神様が宿る印を押す
  ・和紙で包んで糊付け
  ・封印する
  ・神社の名前を刷る
  ・神社の印、神主の印を押す

ざっと書くとこういった工程です。
どこまでが手作業かはそれぞれの神社で異なりますが
ほぼハンドメイドといって過言ではありません。

デザイナーとしてDTPを手掛けることもありますが
個人的には昔からの【文字】【印】を継承する手助けが一番好きでした。

お札の役割

これ。
私自身、仕事で関わるまでお札はどんなモノか知らずにいました。
「御守があるからお札はいいじゃん」
この考えにちゃんと答えられる人がいないのでは?

神社では、まずお札があって、次に御守です。

当然のものとしてお札が存在する為、一般の人と大きな隔たりがあります。
だって、御守はお札の簡素化した携帯用だからお札が大切なのはわかるでしょ?
→わかりません。

前回の#01神社とお寺違うの?で神社の拝む場所に自宅(神棚)と書きました。お札は拝む対象であり、神棚はリモート神社。
家と氏神様(地域の守護神)を繋げる媒体です。

そのため、家の神棚=神域になり。わざわざ神社に行かなくても家族を護ってくださいます。

では御守は?詳しくは後々書きますが、身代わりの護符のこと。

定義がしっかりと定められている訳ではないので色んな解釈がありますが
私個人はこれまで色んな神社の考えや、あり方を学んで思った事は。

お札→リモート神社。自宅の神棚が遠隔神域に。神様と繋がってるよ。
   オートで神様パワー注入。
御守→神様のパワーが宿ってる補助具。マジックアイテムだよ。
   身を守ったり、願いを叶える後押しを発してます。


こんな感じでしょうか?



次回はお寺のお札についてです。


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