Lee / 村上理恵

看護師をしながら、踊ったり、芝居をしたり。2017年はどくんご、2018年はマタヒバチ…

Lee / 村上理恵

看護師をしながら、踊ったり、芝居をしたり。2017年はどくんご、2018年はマタヒバチでした。

マガジン

  • 観に行ったり聴きに行ったり

    みたもの、きいたものの、記録。 ******** 好きなもの、気になること、惹かれるもの。 心が動くなら、身体を向けてあげればよい。 誰かがつくる作品や時間に出会う歓びを、記録する。

  • 日々の気づきのメモ

  • 看護師のまなざし

最近の記事

どいのさんが亡くなって、2ヶ月と少しが過ぎた。 その間に年を重ね、歳を重ねて、今日もやっぱり相変わらずな毎日を過ごしている。 誰のためでもなく自分のために、この大きなことについて書いておきたいとずっと思っていたけれど、白い箱の中で横たわるどいのさんをちゃんとみて冷たい頬にも触れたはずなのに実感が湧かなくて、結局何も書けずにいた。 今更何を書くんだろうとも思うけれど、でもやっぱり書き残しておきたいから、書き始めてみようと思う。 初めてどくんごをみたのは2011年だった。 どい

    • 黒田征太郎展『絵で行けるとこ』

      先日、enoco 江之子島文化芸術創造センターで開催中の黒田征太郎展『絵で行けるとこ』へ、行ってきました。   ※会場内は、撮影可でした。ここから、会場の写真も貼るので、これから行く方、みたくない方は、どうぞ画面をお閉じくださいませ。       夜勤明けで行ったので、存分に味わえるかすこし不安だったけれど、会場が目に入った瞬間に、眠気がふっとんだ。enocoの壁に掲げられた鳥たちが、青空の下で、笑ってた。俄然、テンションが上がった。   4つのスペースで展開される

      • noteを始めたきっかけについて

        たまにみる「note」というものを、その実態を、特徴を、私は知らなかった。 今も、知らない。 ブログと何が違うのか、も、私にはいまだにわかっていない。 ひとつのきっかけで、noteのアカウントをとってみようと思った。 ブログのアカウントも持っているけれど、なんとなく“新しく始めたかった”というのも、あったのかもしれない。 ここで、自分がnoteに文章を書いてみようと思ったきっかけを、記録したいと思う。   2020年7月23日、ALSの方の嘱託殺人のニュースが、世間をざわ

        • 2020年3月14日の記録

          2月から夜勤専門看護師を始めた。約4年ぶりの病棟勤務に不安もあったけれど、思った以上にすっと仕事に入れたのでほっとしている。ナースコール対応、点滴管理、他人に針を刺すこと(採血やルート確保)、吸引すること、ドレーンの観察、医師への相談や指示受け等、久しぶりに取り組むことばかりだったけれど、どれも思いの外、昨日までやってたことのように自然にできる。不思議なものだ。排泄介助や更衣は、前より上手くなってる。訪問入浴のおかげだ。ありがたい。   働いていると、一緒に働くナースや他職

        マガジン

        • 観に行ったり聴きに行ったり
          1本
        • 日々の気づきのメモ
          3本
        • 看護師のまなざし
          10本

        記事

          2017年10月7日の記録

          【愛についてのメモ】 本当にもうこの関係は苦しいと思うときがある。そういう時はたいてい、このままでいいのか、どうしたいのかと自問自答しても、答えなんて浮かんで来ない。ここ数ヶ月の間そういう時間に出くわし、苛立ったり悲しんだり泣いたり、こころが忙しかった。そしてやっと、どうなってもいいからアプローチしてみるんだと決意した。 人間関係の危機的状況に出会ったとき、踏みとどまり、皮一枚でつながっていくのも、タイミングと縁と運と執念だなと思う。大切なひとには、こころを砕く。砕いてでも

          2017年10月7日の記録

          2016年11月28日の記録

          2016年11月28日。何年ぶりかに、指輪を買った。 中野から歩いて帰宅途中、中野通り沿いにあるお店に何の気なしに入った。すぐに出ようと思っていたけれど、金色のアクセサリーが並ぶ棚がなんだか気になって、私は足を止めた。じっとそれらを眺めていたら、「それ、銃弾でつくった指輪なんですよ。」と、店員さんが教えてくれた。そこはフェアトレード商品を多く扱うお店で、各国の食品や衣類、インテリアなどがたくさん並んでいる。「カンボジアの銃弾でつくられたものなんですよ。これも平和利用、みたい

          2016年11月28日の記録

          2016年2月19日の記録

          一昨日、だいすきな患者さんが、逝ってしまった。早朝に亡くなられた彼は、出勤した時、まだ、病室に居た。その二日前に、私は、準夜勤で彼を受け持っていた。翌日が休日だった私は、深夜勤の同僚への申し送りのときに「もう私は彼に会えないと思う」と言ったらしい。覚えてなかったんやけど、「村上さんの言った通りでしたね。」と言われて、そうかーと思った。 私は、12月まで、彼の受け持ちの看護師だった。認知症のある彼は、看護師どころか医師の名前もなかなか覚えなかったし、認知症故に突然怒り始めるこ

          2016年2月19日の記録

          2016年2月16日の記録

          二日間の準夜勤が終わった。この“にじゅん(=二日連続準夜勤務)”は、引っ越してはじめての出勤だった。職場から近い寮に引っ越して、通勤時間が5分、ということの、自由と不自由をたのしんでいる。夜勤が終わってお腹が空いたらどうするの?と後輩に聞くと、「同期とかとコンビニに行ったり、ファミレスに行ったりですね」と返ってきた。お腹がすいていた私は、今日一緒に準夜で働いてた二年目ナースふたりと一緒に、コンビニへ。腕を傷めてから、機会飲酒にしようと思っていたはずなのに、アルコールを買ってし

          2016年2月16日の記録

          2016年2月3日の記録

          夜勤が明けて飛び出す外の世界はいつも眩しい。2016年2月3日、晴れ。桜が咲き始めていていることに気づいたのは昨日でした。外に出た瞬間まさかの桃色に出会い、ぱあっと気分が華やいだ。これは河津桜なのかな。まだ若い桜だ。いつ植えられたんだろう。通り過ぎた患者さんに「これ、梅じゃないよねえ、桜よね。」と話しかけられて、しばらくふたりで見上げながら微笑み合った。あと2ヶ月もしないうちに、きっと、この庭いっぱいに、桜が咲く。私は、うちの病院の桜が本当に大好きだ。 昨日の午前勤務のとき

          2016年2月3日の記録

          2015年10月19日の記録

          だいぶ夜が長くなってきたから、なかなか患者さんも目を覚まさずに、ゆっくり眠っている。“5時のラウンド”を懐中電灯を持たなきゃ回れなくなると、ああ、冬が来るなあ、と思う。5時半くらいに、やっと明けるなあ、と思ってからは、怒涛の2時間がやってくる。 忙しくなる前のまだ暗い廊下ですれ違った男性患者さんに、「起きるの、早いですね。おはようございます。今日は採血がありましたよね。採血、今やっちゃいますか?」と聞くと、「これから朝陽を見に、上の階まで行ってこようと思って。採血、あとでい

          2015年10月19日の記録

          2015年3月19日の記録

          2015年3月19日、今日の院庭。ベンチに座っているふたりは、母子かなあ、それとも、病院で働くひとのこどもと保育士さんかなあ。数週間後にはこの景色が桃色に染まります。その時を待っているような今日のこの景色に胸を打たれて、思わずシャッターを押したのでした。うちの病院の桜、本当に本当にきれいなんだよー。それは、生きることと死ぬことを嫌悪したり愛したりしながら必死に生きるひとや、この桜を見られるのはこれが最後かもしれないと思うひと、この桜をこのひとと一緒に見られるのはこれが最後かも

          2015年3月19日の記録

          2015年1月19日の記録

          病院の 階段の踊り場から見える夕焼け 歩ける人しかも階段をノボリオリできる人しか見えないものがある 鼻くそをほじれんひとだっている ってことだ そんなことに想像の手を伸ばすことがあるか

          2015年1月19日の記録

          2015年1月10日の記録

          デイルームで西の空をじっと眺めている患者さんがいたのでしばらく一緒に夕暮れを楽しんだ 昨日の方が濃いピンクだったのよと教えてくれた すこし木が邪魔してるけど右に見えているのが富士山ねと彼女は笑う 毎日ここで夕暮れを見るのが楽しみでいつもおなじように空高くチカチカ光る某かを不思議だなあと思いながら見つめたり いつも同じようでも少しずつ違う色の移り変わりを見たりして癒されるのだと話す彼女の穏やかさにこころが凪いでいく 指をさしながら「ほら私の指の先の方でチカチカ光ってる。あれ、何

          2015年1月10日の記録

          2015年1月3日、夜勤の記録。

          2015年1月3日、今年はじめての深夜勤務でした。病棟の起床時間6時、まだ外は暗い。東の空の朝焼けは今日も本当に美しかった。 この写真は7時を過ぎた頃。ずっとベッドで寝たきりの患者さんに見せたくて、落ち着いていたすきに、シャッターを押した。金色の朝。朝の陽光は圧倒的で、混じりけのない純度の高い光だなあといつも思う。 今日、朝をここで迎える人たちは、お正月をおうちで過ごせなかった人達、年越しを愛する人と過ごせなかった人達がほとんどだ。だからこそもあるんだろうか、患者さん同士が

          2015年1月3日、夜勤の記録。